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監修:齋木啓子

【医療監修】新生児の特徴とは?お世話の方法やこの時期気になる症状についてご紹介

【この記事は約5分で読めます】新生児はまだ生まれたばかりで自分では何もできません。もし初めての育児であれば、ママも育児に戸惑いを感じることがあるでしょう。新生児のお世話に関することや、体に現れる症状や成長に関する疑問も出てきます。わからなくても少しずつ慣れていけば大丈夫。母乳やミルクの与え方などお世話にまつわることから、便秘や肌の状態など気になる症状についても詳しくご紹介します。

PIXTA

新生児とは?平均身長や体重の増加率

新生児とは、出生後28日未満(生まれてから1ヶ月くらいまで)の赤ちゃんのことを指します。 出生時の平均身長は、48cm~50cm、平均体重はおよそ3,000gで、女の子に比べ、男の子の方が少し大きいようです。

出生後数日間は体重が減少し(生理的体重減少)、その後増加し始めます。新生児期の体重は、生理的体重減少後の最低体重から1日あたり最低でも24g以上増加する必要があります。その後、生後5~6ヶ月で出生時の約2倍になり、生後6ヶ月以降は増加パターンがゆっくりになります。

成長の速度は千差万別であり、平均値や基準にとらわれず成長を見守っていきましょう。

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新生児の原始反射

原始反射 PIXTA

赤ちゃんには、生まれつき原始反射という反射が備わっています。これは、赤ちゃん特有のもので、反射の多くは自分の意思で身体を動かせるようになる生後4~6ヶ月頃から徐々に消えていきます。

原始反射には、モロー反射や吸てつ反射の他、いろいろな種類があります。これらは、乳児健診でもチェックされる大切なものです。

モロー反射

モロー反射は、大きな音がしてびっくりしたときなどに、抱きつくように手足を広げる反射のことをいいます。寝ているときでも反応するといわれています。

吸てつ反射

新生児 授乳 PIXTA

吸てつ反射は、赤ちゃんの頬に何かが触れたり、哺乳瓶を口の中に入れたりすると、無意識で強く吸いつく動作のことをいいます。母乳を飲むためにある大切なものです。

生後すぐでもおっぱいを飲もうとしたり、しっかりと吸う力があったりするのは、吸てつ反射があるためです。

把握反射(はあくはんしゃ)

把握反射は、何かが自分の手のひらに触れたとき、指を曲げてしっかりとつかもうとするもので、足にも同じような動きがみられます。「手掌把握反射」、「足底把握反射」とも呼ばれています。手のひらの反射は生後4ヶ月頃、足のうらの反射は9ヶ月頃から消失します。

歩行反射

歩行反射とは、赤ちゃんのわきの下をしっかり支えて両足を床につけた状態で立たせるようにすると、足を交互に出して歩くような動作をすることをいいます。

「自動歩行」とも呼ばれており、生後2~3ヶ月くらいで消えていきます。

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新生児の抱き方

新生児 PIXTA

新生児は、横抱きが基本です。授乳後げっぷをさせるときに縦抱きをすることがありますが、あくまでもげっぷを出すための抱き方のため横抱きするようにしましょう。

新生児を安全な状態で抱っこするためには首とおしりの位置に気をつけます。まだ首が安定していないため、ママの腕で首とお尻をしっかり支えて抱っこしてあげましょう。

抱っこひもを購入する際は、新生児でも使用できるかなどの安全性について必ず確かめてから使用してください。

出典元:
  • レディスクリニック石黒「子育てQ&A」(http://www.ishiguro.or.jp/qa_03a.htm,2018年1月30日最終閲覧)
  • 土屋恵司(監)「最新版らくらくあんしん育児」P22~23(学研プラス,2017年)

母乳やミルクの与え方とげっぷの出し方

新生児 げっぷ PIXTA

新生児の頃は、母乳やミルクと一緒に空気を飲み込んでしまうことがあります。授乳の後、げっぷがうまく出ないと母乳やミルクの吐き戻しの原因となります。

そのため、授乳後はできるだけゲップを出してあげることが大切です。背中を軽くトントンとしたり、さすったりして空気を出してあげるとよいでしょう。吐き戻しても赤ちゃんが元気であれば問題はありませんが、ゲップが出ていても頻繁に吐き戻すようならば一度病院を受診してみた方がよいでしょう。

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新生児に見られる肌の特徴

新生児 肌 PIXTA

新生児期は、新生児黄疸や蒙古斑(もうこはん)といった症状がみられます。新生児期に現れる肌の特徴について詳しくご説明します。

新生児黄疸(しんせいじおうだん)

出生後、肌や白目が黄色くなることがあります。それが新生児黄疸と呼ばれるものです。

新生児の血液中にある赤血球は寿命が短く、分解されます。そして、赤血球が分解されると、ビリルビンという物質の濃度が高まります。

急激に増えた黄色い色素を持つビリルビンが、肝臓で処理しきれずに血液中に増えてしまうため、皮膚や白目が黄色く見えてしまうのです。

新生児黄疸は、生後2~3日で現れ、生後1~2週間前後で改善することが多いと言われています。

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蒙古斑(もうこはん)

蒙古斑 amana images

蒙古斑とは、お尻に出る青色のあざのことで、日本人に限れば、新生児の90%以上に見られる症状です。成長とともに色が薄くなり、5歳~6歳くらいのタイミングで目立たなくなり、遅くとも10歳ころまでに消失するといわれています。

また、胸やおなか、手足といったお尻以外の部分に出る青色のあざは「異所性蒙古斑」と呼ばれており、自然に消えることが少ないのが特徴です。

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新生児の湿疹

赤ちゃんの肌で気になるのが乳児湿疹です。赤い湿疹やかさぶた状のものなど、乳児湿疹といっても症状はさまざまです。気になる症状が出た場合は、小児科や皮膚科などを受診してみるとよいでしょう。

新生児に見られる湿疹についてご紹介します。

新生児ざ瘡(しんせいじざそう)

新生児ざ瘡とは、赤ちゃんの肌にできるニキビのことをいいます。主におでこや頬に赤や白っぽい湿疹が出ますが、母親のホルモンの影響によるものとされています。

沐浴のときに、刺激の少ないせっけんなどでゴシゴシ洗いはせず、たっぷりの泡で包み込むように洗います。症状がひどい場合は専用の薬を処方してもらうとよいでしょう。

乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)

赤ちゃん 服 PIXTA

赤ちゃんの頭皮などにかさかさとした赤いかさぶた状の湿疹が出た場合は、乳児脂漏性湿疹の可能性があります。乳児期特有の症状で、はじめは頭皮周辺にできますが、顔の周りでや耳など徐々に湿疹の範囲が広がっていきます。

母親のホルモンの影響で、生後数ヶ月は皮脂の分泌が活発になるため、脂肪の代謝異常が原因となり脂漏性皮膚炎が起こるといわれています。

炎症やかゆみを伴う場合は、ステロイド剤を使って炎症をおさえます。かさぶた状の部分はこすらず、保湿剤やオイルなどでやわらかくした上で、シャンプーなどを使ってやさしく洗ってあげるとよいでしょう。

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新生児の赤ちゃんの顔に湿疹ができると、とても心配になってしまいますよね…

少しずつお世話に慣れていきましょう

新生児 PIXTA

新生児はまだ生まれたばかりでママや周りの大人の助けがなくては生きていけません。そして初めての育児であればお世話や成長に関する疑問が出てくるでしょう。

気になる症状が出た場合は慌ててしまうことがあるかもしれませんが、赤ちゃんの様子をしっかり観察し、必要であれば病院を受診するようにしましょう。また、今後も通院しやすいように、かかりつけ医を探してみるのもよいかもしれません。

新生児の時期はあっという間に過ぎていくものです。我が子の成長を楽しみながら育児ができるとよいですね。

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記事の監修

家庭医、在宅医

齋木啓子

2004年島根医科大学卒。独立行政法人国立病院機構姫路医療センターにて初期研修、CFMDにて家庭医療後期研修および在宅フェローシップ、Leadership Training Fellowship-distant(LTF-distant)修了。
12年にふれあいファミリークリニックを開設し、院長として勤務。17年にEU Business SchoolにてMaster of Business Administrationを取得し、LTF-distant運営・指導に当たっている。現在は悠翔会在宅クリニック新橋で院長として勤務。
家庭医療専門医、在宅医療専門医、経営学修士。

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