資生堂ショックから考える!企業の子育てママに対するホンネのところ

11月9日のNHKのおはよう日本で“資生堂ショック”が報じられ、ネット上で大きな波紋を呼んでいます。資生堂は、いち早く時短勤務や企業内保育所を導入するなど、子育てママに優しい会社として注目を集めてきましたが、その方針を転換。子育て中の女性社員にも平等なシフトやノルマを課すことにしたのです。

女性に優しい会社だったはずの資生堂!資生堂ショックとネットの反応

これまで、女性に優しい会社とされていた資生堂が、子育て中の女性社員にも平等なノルマやシフトを与えることが報じられると、ネット上ではこんな反応がありました。

このような厳しい意見が多くみられ、中にはせっかく根付いた時短制度のはずなのにと自分自身におきかえて不安になるコメントも見受けられました。

では、どうして資生堂は思い切った方針転換をしたのでしょうか。

これまでの資生堂の取り組みとその意外な結果

化粧品

これまで、資生堂は仕事と子育ての両立を図ろうと、さまざまな取り組みをしてきました。1990年には他の企業にさきがけて育児休業制度を導入し、翌年には育児時間制度がスタートしました。その他にもこんな制度があるので一部ご紹介します。

  • 1999年 チャイルドケアプランの導入
  • 2003年 カンガルー汐留ルーム開設
  • 2007年 カンガルースタッフ体制の導入
  • 2008年 育児を目的とした配偶者同行制度

ただ、デパートやショッピングセンターなどで働く美容部員はあまり時短勤務制度を利用していませんでした。そこで、当時の社長が美容部員に対し時短勤務制度の利用を勧めたところ、利用する人が一気に増えたといいます。2007年ごろのことでした。

ところが、この後状況が一変してしまいます。

時短制度の意外な盲点

資生堂は、この時期から国内の売上を徐々に落としてしまい、約8年間でおよそ1000億円減少してしまいました。競争の激化や、ネット販売の遅れなどさまざまな要因がありますが、重視した点は他にもありました。

それは、かきいれどきに店員が足りないこと。

美容部員のシフトはだいたい10時から18時45分までの早番と、11時15分から閉店まで働く遅番とあります。

化粧品コーナーがもっとも混みあう時間は平日の夕方からと土日祝日。ところが、子育て中のママは早番という暗黙のルールがあったがために、忙しい時間帯に常に人が足りないという現象を引き起こしていたのです。

もっとも、資生堂には時短勤務を支援するため、夕方からのパートタイマーであるカンガルースタッフという制度がありますが、契約時間に制約のあるカンガルースタッフだけでは対応しきれない部分も否めません。

時短でない人へのしわ寄せも

さらに、時短で働いていない人に遅番や土日祝日勤務の負担が集中してしまったことで、不公平感が高まってしまいました。

時短で働いていない人も、それぞれになにかしらの事情を抱えています。企業として、こうした人たちの声を無視するわけにいかなくなったのです。

企業としてのホンネのところ

こうして、子育て中のママにも月2日の土日勤務と月10日の遅番勤務を基本とするシフトを導入することにしたのですが、資生堂はなぜ子育て中のママにもこのようなことを迫ったのでしょうか?

それには、ある強い思いがあるようです。

支えられる立場から支える立場へ

NHKのおはよう日本のインタビューで、資生堂人事部の本多由紀室長は次のように話しています。

「育児期の社員は常に支えられる側で、本人たちのキャリアアップも図れない。
なんとか会社を支える側に回ってもらいたいという強い思いがあった。
働くことに対する意識、ここに対してメスを入れていこう。」 出典: www.nhk.or.jp

つまり、資生堂にとって働くママは“守るべき人”ではなく“ともに会社を引っ張っていく人”になったのです。

実は、資生堂で働く美容部員6841人のうち、時短勤務をしている人は1133人と全体の1/6にのぼります。資生堂にとって、育児をしているママは特別な存在ではなくなりました。一方、どうせ時短だからという理由で自身のキャリアアップを諦めてしまった人も少なくありません。

そんな人に対して、ママでもキャリアを諦めないでという企業の思いがひしひしと伝わってきます。

子育てママに対する支援は惜しまない

一方、子育てママが土日や遅番をやるにはどうしても周りの人の協力が必要になります。

そこで、会社側は事前に夫や家族の協力が得られるかどうか聞いた上でシフトを決めることにしたのです。

また、身近な人の協力が得られない人のために、ベビーシッターの費用の補助や、地域の子育て支援サービスを紹介するなど、少しでも働けるようアドバイスしています。

資生堂ショックがもたらしたものは?

パパ

ところで、記事を書き進めていくうちにツイッターでこんな発言を目にしました。

そう、子育ては、夫婦二人でするもの。ママもパパも少しずつ負担を分けあおうという当たり前のようでなかなか出来なかったことを、企業が女性社員に対してパパや周囲の協力を仰ぐよう促したことで、ようやくその道筋が見え始めた気がします。

そして、パパが育児に参加するためには、パパの会社も育児に理解を示すことが大切。こうして、少しずつ子育てに対して社会全体が当事者意識を持つようになれば、もっと子どもに優しい社会になるのではないでしょうか。

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