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きょうだい別々の保育園になってしまった!別園生活で感じた子育ての社会問題

少しずつですが各自治体の待機児童対策も進み、2人目からは当たり前のように1人目と同じ保育園に入れるだろう、なんて思っていたのに、ふたを開けてみればきょうだいで別園になったということも実は珍しくありません。油断していると待ち受けている2人目の保育園入園の落とし穴。今回は筆者が別々の保育園に子供たちを送っていた日々を思い出しつつきょうだいが別々の保育園に入ったことによる大変なポイントをご紹介します。

PIXTA

「保育園の入所申し込み」で希望の質問がある?

子どもが小さい場合、復職に際してまず考えるのは「子どもをどこで預かってもらうか」ですよね。子どもが第1子で保活や預け先に検討がつかない場合、まずは自分の住んでいる自治へ相談をしましょう。そこで大方の流れを知ったら子どもを通わせたい保育園を探し「保育園の入所申し込み」を提出しましょう。

「保育園の入所申し込み」はすでに上の子が保育園に入園していたとしても、新たに下の子の入園を希望している場合、再度申し込みは必要です。

「申し込み用紙」で問われる「別園」にするかどうか

「保育園の入所申し込み」の用紙ではきょうだいをそれぞれ別園に「希望する」か「希望しない」かを問われます。

きょうだいが同園に通園してくれれば、保護者としてこれほどありがたいことありません。しかしもし「同園」にこだわり過ぎたて希望園を落選し自宅保育になってしまうと、復職の思いが強くてもそれが叶わない場合もありますよね。

「そうはなりたくない」「早く復職したい」「社会から取り残されたくない」という焦りの気持ちを就業前のママ達が抱えているのも事実です。もし暮らしている自治体の保育所状況が混雑している場合にはきょうだいが別々の保育園になっても致し方ないという腹をくくる必要もあるかもしれません。

実際はそんなことに悩まず、しっかりと働ける環境の整っている社会であることがベストなのは言うまでもありませが。

出典元:

「待機児童にしたくない」という切迫感

待機児童 PIXTA

我が家の場合の話をします。最初は姉妹で同じ無認可の保育所に通わせていたのですが、様々な社会的事情から通っていた保育所が閉園になることが決定しました。

今までは無認可保育所だった故に入所の審査基準も全く厳しくなく、園に空きがあればいつでも受け入れてくれていたありがたい保育所だったのですが、今度は行政の審査を通さないと保育園に入れないという厳しい現実が目の前に待っていました。

パート勤務だった私はフルタイム勤務のお母さんたちに比べたら入園の基準となる「審査指数」が圧倒的に低いので、保育園に入園できる可能性も低かったので本当に悩みました。

「もし、これで待機児童になってしまったら、せっかく見つけたパートは辞める事になるかも。」という焦燥感。

だけど無事に保育園に入園できました。ですが、姉妹で別々の園に通うという結果でした。

そして、長女が2歳、次女は0歳9ヶ月の頃から姉妹で別園に通うことになりました。姉は我が家の最寄り駅から一駅隣にある保育園。次女は家から徒歩5分ととても近い保育園。

今年から長女は小学校に進学したので今はだいぶ楽になりましたが、卒園までの4年間はずっと別園でした。

きょうだい別園生活の中で大変だと感じた事

兄弟 PIXTA

では、実際にきょうだい別園に預けることになってしまった場合はどうしたらいいのでしょう。その”別園生活”を「大変」と感じるか、「案外そうでもないな。」と感じるかは各御家庭によって違いますよね。

夫婦2人で、もしくは育児の協力を頼める身近な人と一緒に送迎が手分けできる場合は、きょうだいが別園になっても大丈夫と思えるかもしれません。一方でワンオペ育児できょうだいが別園になった場合は、その大変さは想像にかたくありません。

ではここで実際に我が家が4年間の別園通いをしていて感じたことや学んだことをピックアップしてみました。

行事はもちろん、様々なことがダブルでやって来る

夏祭り、運動会、お遊戯会、保護者会、バザー、遠足など子供の行事というのは案外多いものです。2つの保育園に通っているのですから各保育園での行事に対応しなくてはなりません。

同じ保育園に通っていたのなら、きょうだい揃って同じ行事をこなすことになるのでしょうが、別園となると同じ行事を、日にちを改めてもう一度体験することになります。

行事の日程が同じ日に重なってしまったら、片一方の園には父親、もう片一方の園は母親とひとりで参加することになります。ハンディカムでの動画撮影や親子競技など、ひとりだと非常に辛いです。

また、行事だけでなく、お布団カバーのかけ方、朝の身支度の仕方、配布物なども園によって異なるので、各園のやり方が頭に入っていないと対応できない場面もありました。

片方の保育園で病気が流行っていてそれをもう片方の保育園に持ち込んでしまったり、片方が病気で早退を余儀なくされた時、もう片方のお迎えもしなくてはいけないので、即時に対応ができなかったり。

こうした点はきょうだいが別園になって「大変だ」と思ったことですね。

とにかく時間が足りない!

自転車 PIXTA

朝、夕と2つの保育園の送り迎えをするのですが、我が家が通っていた保育園は、「姉妹共に門の前まで送ったらそれで送り出し終了」という訳ではなく、登園したら、「お教室で朝の身支度をさせて、健康観察の報告・その他の申し送り事項を先生に伝える」等、朝のうちにやらなくてはいけないことが案外あります。

なので、朝の身支度で5分~15分くらいは時間がかかっていました。

朝家を出て→家の近くにある妹の保育園まで5分→朝の身支度15分→妹の保育園を出て姉の保育園まで自転車で15分→朝の身支度15分→そのまま自宅に自転車を置きに戻るのに15分

と、朝だけで子供の保育園のために1時間以上の時間がかかっていました。

雨の日はもっと大変です。自転車に雨除けカバーをかけて送れる時はまだ良い方で雨除けカバーが聞かないときの大雨の時は、一駅隣まで電車に乗って送っていました。お迎えも然りです。

なので1時間30分以上の時間がかかっていたのです。

そして、その後に出勤し、お迎えでも同じように1時間くらい(雨の日は1時間半以上)はかかっていたので、その2時間以上かかっていた時間を送迎以外で、「もっと有効に使いたいな」と常に思っていました。

毎日が慌ただしくて心の余裕も無くなりかけていた

「ウチは、きょうだいで別園なんです。」と保育園のお母さんに話したところで、実際に別園に通わせていないご家庭は

「そうなのー。大変ね。」の一言のみで実際に何が大変なのかは全く分かっていないようです。

時には「うちは同園で良かったわ。」という普通の会話ですら、心に余裕がないために被害妄想的に受け止めてしまうことも。「同じ園に入れるといいわね。」と言われるのも案外苦痛でした。

希望している保育園に空きが全くないのだから、保育園に通っていながらも「待機児童」のような気持ちになることも。

「別園通いの苦労を経験した事がない人にはわからないでしょう」とそう思うことが多々ありました。

家族に「大変さをわかってもらえない」苦しさ

日々の送り迎え、各保育園での異なった対応に加え、自分の仕事、家事、家での子供の面倒はほぼ私の仕事でした。その理由は「旦那様の仕事がハードで朝は早く家を出なくてはいけないし、帰りは終電まで」だったから。

ある日話の流れで「たまには家のことも手伝ってほしい」と旦那様にお願いしたことがありました。

ですが、旦那様の返事は信じられないものでした。

「別に俺は家の事やってあげてもいいんだぜ。ただしお前が俺くらい仕事で稼いでくるんだったらの話だけど。」

旦那様は仕事での社会的評価を非常に気にします。そしてきちんとそれに見合った報酬をもらってくる。

だけど私は”自分が出産後に育児だけをこなし社会からかけ離れていくのが嫌だ”というだけの理由で産後に自分で仕事を探し、家事と育児を両立できる程度の仕事内容のパート勤務。

旦那様から見たら”遊び”のようなものだったのかもしれません。だから、保育園のダブル送迎くらい何ともないだろうと軽んじていたのでしょうか。

だけど、私は遊び歩いていた訳ではありません。旦那様が仕事優先で家のことをほとんど手伝わない分、私は保育園の送迎をし、パートもし、家事育児の9割近くは私が引き受けていました。

昔の人なら「男は仕事 女は家庭を守る」が当たり前のことなのかもしれませんが、昔と今で圧倒的に違うのは「周りに協力者がいない」ということではないでしょうか。

”近所の仲の良い人に片方の子の送迎をお願いする”なんていうことはできません。保育園もそれを受け付けてくれません。

実家の両親にも近所の人の手助けも全く受けずに私は一人でやっていました。

日々、保育園のダブル送迎で心の余裕がなくなる位にしんどい中、この旦那様の一言はどうしても許せず、3日間家出をしました。その時に離婚も考えました

できるのならば、きょうだいは一緒の園がいい

保育園 PIXTA

「待機児童にしたくないのであれば、「きょうだい別園でもよい」という選択をしたのは確かに自分です。ですが、そうなったときの親の負担というのは想像以上のものでした。

保育園の送迎に時間を取られる慌ただしさは親子関係どころか夫婦関係のゆとりもなくし、人間不信にもつながりかねないということを実感しました。

可能であるのならきょうだいは同じ園で同じ思い出を共有させたかったです。

私がこれからの行政に期待することは待機児童の解消ばかりに目を奪われず、質の高い保育のできる環境を作っていってほしいということです。

「とりあえず、どこの園でもいいから空いているところに子供を入所させておこう。」

という余りにも流動的で質が低すぎる保育体制の改善を本気で願っています。

心にゆとりがないと家族の関係も歪んだ物になりかねないからです。そのような歪んだ環境の中では子供は健やかに育たないのではないでしょうか。

ただ「きょうだいを別園に通わせている」とか「そのために心の余裕がなくなっている」ということは、今育児を精一杯頑張っている保護者が悪いわけでは一切ありません。

本当は同じ園に通わせたかった、好んで別園になっているわけではない、そうした思いを抱えて子育てしているパパやママが、少しでも気持ちに余裕ができたり笑顔が増えるような、そんな社会になるよう社会全体として育児をバックアップできる体制づくりをしていきたいですね。

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