産みたくても産めない…産めないと日本は?!NHKスペシャル「#超少子化・安心子育ての処方せん」

超少子化の進む日本。実は子育て世代のパパママで子供が欲しいと思う割合は8割以上だと言われています。「産みたくても産めない…」という子育て世代の叫び。私たち国民が未来のためにやらなければならないことは?2016年2月20日放送のNHKスペシャル「#超少子化 安心子育ての処方せん」の内容をまとめました。

合計特殊出生率1.42の超少子化社会?!滅びゆく日本

現在の日本の合計特殊出生率は1.42。
これは「一人の女性が生涯のうちで出産する子どもの数が平均1.42人である」ということです。

1970年代中頃から下がり続けるこの数値ですが、スタジオでは若者世代から衝撃の告白が相次ぎます。

「子どもを産みたいけれど、とても産めない…」
「子どもを産め、と言われるけれど、そんな自信ないよ。不安だよ…」

一体日本で今何が起こっているのでしょうか。

なぜここまで少子化が進行してしまったの?原因は?

子供たち

日本の合計特殊出生率が低下し始めたのは経済が傾きかけた1970年代半ばからです。

実は60年代頃の出生率は2以上あり、食糧問題や石油ショックなどの影響から「どうやって子どもの数を抑えるか」という議論が国会でなされていたと言います。

衝撃の出生率「1.57ショック」 本格的な少子化対策へ

子供たち

その後徐々に出生率が低下していきますが、世間で議論になるような話題ではありませんでした。

ところが1966年に出生率はガクっと1.58まで下がりました。

実は1966年という年は、丙午(ひのえうま)と呼ばれ、「その年に生まれた女の子は気性が激しく夫を殺す」という迷信がありました。

これはあくまでも迷信ですが、将来の結婚で不利になることを恐れた夫婦がその年の出産を避ける傾向があったのです。

そして出生率1.58をさらに下回ったのが1990年。この年の出生率1.57から「1.57ショック」とも呼ばれ、政府は本格的な少子化対策に乗り出しますが、目立った成果は得られませんでした。

「女性の社会進出」によって育児と仕事の両立が困難に

キャリアウーマン

子どもの数が急激に減った原因として女性の社会進出が挙げられます。

90年代の経済状況の悪化を受け非正規労働者が急増し、夫婦共働き家庭が一般的になったのです。

当時女性が育児と仕事を両立することはほとんど不可能であり、子どもを産む選択をする人が減ったと言われています。

結婚しない若者

また経済的に不安的な若者が未婚のまま人生を終える割合が急増し「生涯無子」の割合も上昇します。

また若者の「草食化」などが社会現象となったことで異性との付き合いに消極的な男性が現れ、輪をかけて未婚率が上昇しました。

「私たちは少子化をなくそうと思って子供を産めるわけじゃない…」

これを受けてスタジオでは若者世代の出産に対する本音が聞かれました。

ゲストのホラン千秋さんは「少子化をなくそうと思って子供を産むわけじゃない」と発言。

子供がほしい、社会貢献にも前向き、けれども簡単に出産に踏み切ることのできない現状を吐露しました。

出演者の大学生は
「子供を産むってとてもお金がかかることを私たちはよく知っている」
「だから仕事をしていない男性を恋愛対象として選べない」
「経済が不安定な中で子供を産めと言われても、そんな自信ないよ、不安だよ…」
と告白。

社会学者の古市憲寿さんは少子化について、若者の草食化を原因として取り上げがちだが、それだけではないと発言し、社会的・経済的な事情で結婚に踏み切れない若者世代の闇が明らかになりました。

これを受けてゲストである南海キャンディーズ・山里亮太さんは、日本が滅びの方向に進んでいるのでは?と発言。

子供が望まれない社会に危機感を募らせました。

視聴者の声

出生率のV字回復!実は国内にたった数年で成功した街があった!

子供

日本における少子化対策の財源は約5.5兆円と言われています。
この数字は他の先進諸国と比べると最低基準。

福利厚生の進んでいる北欧と比べると実に1/3です。

フランスの少子化対策 〜「子供が全員平等に育つ権利」を持つ国〜

フランス

フランスは産業革命の頃から少子化に悩み続けた国であり、実に100年以上も試行錯誤を重ねた結果、育児に対する社会の合意形成が完了している先進国の一つです。

そのフランスの政策は徹底的な育児手当の給付です。

出産手当、基礎手当(〜3歳までの支援金)、新学期手当(毎年9月に支給)に加え、子供2人目からは「家族手当」と呼ばれる補助金が出されます。

子供3人だとなんと3,900万円の補助金がもらえたり、公共交通機関の割引などが受けられるようです。

岡山県奈義町では10年で子供の数が2倍?!

地方

一方国内でも少子化対策に成功した例があります。

それが人口6,000人余りの岡山県奈義町です。

奈義町では子育て世代への徹底的なサポートが行われています。

保育園・幼稚園料については子供2人目は半額、3人目からは無料。
医療費は高校卒業まで無料。
予防接種も幅広く町が負担します。

40歳未満の住まい補助、ママの精神的サポートのための子育て支援センターの常備などによって、現在の出生率を2.81にまで上昇させました(平成26年)。

子供をたくさん産んでも安心。奈義町だから3人がいいな。

幼稚園

これらの町をあげた子育て支援によって子供を3人持つ家庭が約50%に。

町民からは「子育てがしやすい」という声が聞こえています。

これらの支援に必要な財源はおよそ8,700万円でしたが、徹底的な「ムダ」の削減で乗り越えたようです。

役場の職員数は同規模の他地区と比べ約20人少なく、給料も6万円ほど少ないようです。
また公共事業はできるだけ町民のボランティアが行っているそうです。

視聴者の声

「第一子に1,000万円支給すべき」?どう考える、多額の現金支給

金

これらの成功例を受けて、日本で「第一子に1,000万円を支給するべき」という主張を行った記事が話題になっています。

荒っぽい試算ではあるが、日本でも仮に第1子に対する子育て支援として1,000万円を供与すれば、5兆円の予算で新生児が約50万人増えることになる。 出典: gendai.ismedia.jp

経済的な理由で子供を作らない人たちにダイレクトな解決策を与えるこの政策案ですが、これについてスタジオでは賛否両論繰り広げられました。

南海キャンディーズ・山ちゃんは

「シンプルだが、結婚に踏み切るカップルが増えるのではないか?」
「少子化に対する一つの答えになりうるのでは」
と肯定的な姿勢を見せました。

一方「日本の現在の財政状況からはとてもそのような余裕がない」

「国民全体からコンセンサスが取れるはずがない」といった意見も見られました。

それに対して若者世代から「その財政状況を作ったのはぼくたちのせいじゃない。」といった反論もあり、この問題の根深さが垣間見えました。

視聴者の声

幅広い支援を地道にやることが少子化対策の近道

スタジオからは奈義町の少子化対策について「びっくりするようなことは出てこなかった…」という声が漏れます。

専門家によると、少子化対策で成功している自治体は「幅広い支援メニューを地道にやっていること」がポイントだと回答し、ある特定の施策を派手に打ち出している自治体と比べて前者の方が圧倒的に出生率の回復が見られると述べました。

私たちは何をすればいいの?

イクメン

ではこの奈義町の政策を国家レベルで行うとどうなるのでしょうか?

政府の掲げる「人口1億人」を維持するためには出生率1.8が必要になります。

これを達成するためにはおよそ8兆円の財源が必要になるそうです。
これは消費税の3%分に相当します。

①「教育は未来への投資」シニア世代も含めた子育て財源のサポートを!

祖父母

社会学者の古市さんは、子育て支援は社会の持続のために不可欠だとした上で、シニアにも負担をお願いするべきだと主張しました。

また低所得者への手当や生活保護などの「所得の再配分」ではなく、格差が生まれる前の子供時代にお金を配分しようという「事前配分」という考え方を提唱し、幼児期教育の拡充を提案しました。

幼児期にしっかりした教育を受けると一定以上の所得を得る確率が上がり、それによって納める税金の金額も大きくなるというデータがあります。

国全体だとしても幼稚園・保育園の無償化では0.8兆円の財源で済みますから、段階的な子育て支援を拡充していきたいですね。

番組内で取られたアンケートでは、少子化対策のための新たな税負担に対する賛成派が実に8割を超えるという結果になりました。

子育てに対する社会的な合意ができつつあるのかもしれません。

②男性の家事・育児への参加を促して

また金銭的な補助と同様に少子化対策として有効なのが、夫の家事・育児参加です。

夫の家事・育児への参加時間が長ければ長いほど子供を多く持つことができるのです。

ところが日本における夫の家事・育児参加時間は先進諸国と比べて特に短いということがわかっています。

「イクメンブーム」と言われていますが、夫の1日の平均参加時間は67分。
育児休暇取得率は2.3%という低水準です。

これは日本人の超長時間労働や、育休取得に対する現場のコンセンサスがまだまだ不足しているからだと言えます。

ここに関しては法律で超長時間労働を禁止するなどの措置が必要です。
また職場の雰囲気作りも変えていかなければならないでしょう。

赤ちゃんをみんなで支えていく社会に

祖父母

少子化は、もはや子育て世代だけの問題ではありません。
少子化によって様々な不安が全世代に降りかかる、もはや日本全体の問題なのです。

育児を社会みんなで支えていく国づくりが必要ですね。

「NHKスペシャル」「超少子化」「子育ての処方箋」 についてもっと詳しく知る

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