議会議長より「父親」を優先!立会い出産のため議会を欠席した元・宇都宮市議会議長の決断とは?

最近、国会や地方議会では妊娠・出産に関することで揺れています。報道でも大きく取り上げられたので、記憶に新しいことでしょう。この流れの中で、一市議会議長が、妻の立会い出産に駆け付けつべく議会を欠席。その後、父親の役割を優先させるために議会議長の座を降りる決心をしたことが明らかになりました。この出来事についてまとめました。

宇都宮市議会での出来事が発端です。

平成28年3月4日、宇都宮市議会議長を務める熊本和夫(くまもとかずお)議員は、配偶者の出産に当たり「立会い出産」に臨むべく宇都宮市議会の本会議を欠席しました。

理由を明らかにしたうえで、3月1日に行われた議会運営委員会においても賛同を得ることができました。

熊本議長は昭和49年生まれ、まさに子育て世代の方です。

昭和49年生まれ、宇都宮市議会議員を経て議長職に就いています。今回の出産は、第一子。妻に寄り添う選択をしました。

このしばらく、国会議員の出産や、その夫の国会議員の育児休暇取得宣言が大きく取りざたされた中での決断です。

「イクメン」という「育児に参加するメンズ」「父親の育児参加」という言葉がマスコミでも大きく取り上げられました。

「#保育園落ちた」という話の流れも膨らむ中でしたので、今回の欠席宣言は自然な流れ、というべきでしょう。

欠席報告をした際の議会の反応は…?

平成28年3月1日に行われた議会運営委員会において、「妻の立会い出産のため議会を欠席したい」旨を報告した熊本議長。

委員会を構成する各会派の代表議員はそろって賛同の意を表しました。

ただし、「事故欠席」とみなされました。

世相の波を受けた体もあると思われるのですが、新しい命の誕生だけあって、議会運営委員会からは賛同の意を受けることができました。

ただし、現在施行されている、宇都宮市議会の会議規則では「出産のため」と言う欠席理由しかありません。

受け取りようによっても異なるのですが、一般的には「議員本人の出産」という見方をしなければならず、たとえ配偶者の出産といえど熊本議員は「公認の欠席」ではなく「事故欠席」という取扱いとなりました。

議会運営委員会とは?

規定人数以上の所属議員が所属する、それぞれの会派から選出された代表委員で構成されています。地方議会を円滑に運営する目的があって設置されています。

議会運営委員会では定例会議の開催日程の調整、本会議の進行の確認などを行います。

自分の責任も十分理解した上での欠席

新生児

「生まれる日1日だけは父親としての役割を重要視したい」という理由で立会い出産を決めた熊谷議員。妻と二人で責任を全うしたいという気持ちを持っていました。

でも、宇都宮市全体のこれからを決めるための市議会。この場における「議長職」を私用で欠席するということにためらいもありました。

熊谷議員は議長職・議員職についての「重さ」もしっかりわきまえたうえでの欠席宣言だったことは、皆さんにもご理解いただけることでしょう。

欠席も無駄になりませんでした!

今、日本国内では「女性の再婚禁止期間」等の民法が改正される見通しとなりました。100年前につくられた法律が見直されるほど、日本では男女平等に関する動きが進んでいます。

このような動きをみると、ただ「出産のため」という会議規則だけでは今の時代にそぐわないですね。

今回の熊本議長の欠席をきっかけに、会議会則を「本人又はその配偶者の出産のため」と変更する案が全会派の協力で作成されました。

この議案は平成28年3月定例会において、委員会案第1号「宇都宮市議会会議規則の一部改正」として提出され、審議の結果、3月23日に原案可決で成立しました。

でも、辞職を決意!その経緯や心境は?

熊本議員は、立会い出産について「この日に立ち会えて良かった」と感想を述べています。

また、育児が始まった妻を見て感じたこともあり、「男性配偶者における産休(特に出産から産後)については数日の休みが取れるようになっていくことが、これからの家族にとって重要なことではないかと思います」と考えを明らかにしています。

公人としての視点と父親として家族を思いやる視点で、様々な考えを巡らせたことが伝わってきました。

熊本議員の「議員の産休・育児休暇取得」に対する持論

サラリーマン 赤ちゃん

「議会議員には性質上育児休暇はなじまない」という持論を展開させたうえで、「議会議員は非常勤なので、時間の使い方を規則で縛られているのではなく自分でコントロールできる仕組みになっている」という考えを明らかにしました。

実は、議員は「市議会」が召集された時は「市議会議員」として仕事をしますが、議会がない時は議員以外の仕事をすることが認められています。

会議場で会議をしている時以外は、民間人としての仕事をしても良いし、議事のための調査をしても良いのです。

つまり自分の時間を有効に使える議会議員に、敢えて長期に渡る育児休暇制度を作るのはなじまないというのが熊本議員の考え。

その中で、議長は常勤だという捉え方

サラリーマン カバン

熊本和夫議員は、その当時は宇都宮市議会議長でした。市議会議員は「非常勤」であっても、議長は「常勤」です。議会を代表する立場でもあり、議会を召集する権限などが委ねられています。

また、議長はカレンダー通りに休む事もできず、絶えず何らかの議長としての仕事に奔走しています。

持論を持っていても、議長と子育てを切り離して考えるべきだと考えるべきであることを主張しています。

これに照らし合わせると、議長を続けることで出産後の妻や子供を放っておくことになりますし、何よりも「議会欠席」を決意した本当の意味が薄れてしまいます。

熊本議員自身も「仕事と子育てのバランス」を保つために、議長の職を辞し自分の時間をコントロールできる議員に戻ることを決意しました。

3月23日、辞職願が受理されました。

平成28年3月定例会において、宇都宮市議会会議規則の一部改正が可決された後に、自身の議長辞職願を提出した熊本議員。

議長辞職が受理され、「宇都宮市議会 議員」という立場に戻りました。

このニュースや熊本議員に対するインターネットの声は?

インターネット上で個人が発信しているツイッターやブログにおいて、この問題をどうとらえているのか調べてみました。

民間の会社員なら許されるが…

選挙

民間の会社員であれば、個人の働く意味における価値感の問題であり許されるが、選挙で選ばれた議員であり、さらにその選ばれた方の中ら選ばれた議長である点については、その判断と行動に問題がある、と感じているのは当方だけだろうか。 出典: kensyu323.com

立会い出産で欠席をした直後に関しては、「またこの議員もか…」と国会議員の欠席騒動の時と同様の視線を投げている方が多く見られました。

これから先も、まだ議論されていくのかも

議論 意見

議員の育児休暇取得に関しては賛否両論ありましたが会社員のように代わりになる人がいない立場の人になるので育児を理由に仕事に支障をきたすのはどうなんでしょうね。

この辺はホント微妙な問題だと思います。これから先も、まだ議論されて行くのかもしれませんね。 出典: binetsu.net

議論を求める声、公人としての立場をわきまえて欲しいという声などを受けとめることができました。

議長辞職後は支持の意見が増えています。

賛成

熊本議員に対するネット上の声は少なく、「イクメン国会議員の育児休暇騒動」にかすんでしまったように思えます。その分だけ、熊本議員が筋道立てた自分の見解をはっきりと伝えている事には脱帽です。

辞職の本意を公表した後は、やはり「イクメン国会議員」との比較をする方も見られますね。

これからも育児を考える男性が増えてくれることを願います。

育児 男性

今、日本での子育ての流れがものすごいスピードで大きく大きく変わろうとしている瞬間だと捉えています。

賛否ある今回の「市議会欠席」「議長辞職」の問題ですが、これも男性の子育ての価値観を大きく変えるきっかけとなることでしょう。

これからも、熊本議員のように育児や家族を考えてくれる男性が増えてくれる事を願います。

私たち女性にとっても、もちろん男性にとっても暮らしやすい社会、子育てしやすい社会の確立を期待しています!

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