小4の壁ってどんなもの?親と子供が必ず通る大切な時期
2016年8月23日、埼玉県東松山市の河川敷で井上翼さん(16)の遺体が見つかりました。警察が殺人事件を視野に入れ、捜査したところ、浮かび上がった容疑は中学生3人を含む14歳から17歳までの少年5人。やがて、彼らは殺人の疑いで逮捕されました。
5人は暴行を認めたものの殺意については否認しているそうです。
これまでの調べで少年らは河川敷で被害者に殴るけるの暴行の他、動かなくなるまで頭を持って水につけたとも話している模様。また、動かなくなった井上さんを橋の下まで運んだという事も供述しているそうです。
警察はさらに詳しい反抗状況を調べています。
「小4の壁がこの事件の背景にある」
この事件に関しての、テレビ朝日の報道ステーション、コメンテーター後藤謙次さんのコメントを紹介します。
報道ステーションでの後藤謙次さんのコメント
『「小4の壁」という言葉があります。小4になると、とたんに勉強が難しくなり、ついて行かれなくなる子が出てくるという事です。一概には言えませんが、この事件の背景に「小4の壁」があるのではないかと思われます。
小4で勉強について行かれなくなった子たちが何人か集まり、遊びのグループを作ります。たいていは男子です。そのグループが中学まで継続されるのです。その中にはボスが現れ、掟もできるわけで、抜けたくても抜けられないという状況を生み出すのです。』
男の子を持つ親として
筆者は男の子を持つ親として勉強の苦手な子を支援する塾の指導者として共感しました。ママの皆様にとってはまだまだと思われることかもしれませんが、いずれは通る道。今後のご参考になさってください。
キーワードは「小4の壁」です。
小4ってどんな時期なの?
ここで、小4の壁について補足説明をします。
勉強について行かれなくなる背景にあるのは「考える力」の低下です。算数を例に取ると計算は出来ても文章題が出来ないという状況にある子も実は多いんだとか。
その原因として、ドリル依存の多さ、家庭でのコミュニケーション不足などが挙げられるとの事。実際、勉強に遅れがちな子は増加傾向にあるとも言われています。
これらの対策として、文部科学省は指導要領の改訂を続けています。そのために教科書は厚くなる一方ですが、一向に学力低下を防ぐ事は出来ません。
教科書には漫画をモチーフとしたイラストを入れるなどし、子供により興味を持ってもらえるように工夫していると。
母として塾講師として筆者が思う事
このような悲惨な事件の背景としての一つの考えに過ぎませんが、あり得る事だと思います。もちろん、勉強が全てではありません。けれども、勉強でつまずいたことが間違った道に入ってしまうきっかけになる場合もあります。
最近は少年犯罪として取り上げられる事件はそのやり方が余りに短絡的で悲惨です。
筆者が日々、塾講師として子供達と接して思うのは、小4からついていけなくなる子の中には、想像力が低下しているタイプの子がいるということ。
その子たちが全て群れて悪い方向にというわけではありません。地域性やタイミング等もあると思います。ただ、想像力が乏しいと相手の傷みがわからないので、暴力にしても見境なくなってしまうケースもあるように思います。
親を導く事が課題
但し、親次第でそのようなタイプの子は救われている場合が多いです。子供を危機的状況に置かないためには親の意識改善が必要です。中には発達障がい等が隠れている可能性があるからです。
親が学校や公共の施設と連携することにより、その子に適切な対策を取れたというケースも多いからです。今後は更な情報提供等で親を導く事が課題ではないでしょうか。
小4の壁に関する意見
それでは次に皆様のご意見をご紹介いたします。
勉強に関する小4の壁は最近、言われてきたことですが、気にされている親御さんも多いです。学校現場ではここ数年言われていることで4年生のクラスでは算数の授業について行けない子が複数いるということです。
これからの子育てのご参考になさって下さい。
親が積極的に関わろう
親が子供と積極的に関わることが、学習が遅れないコツだと思います。
それゆえに、親の関わりが本当に大切です。 出典: behappylife.net
本当にそう思います。
親の気持ち一つで子供が変わりますね。子供が学校でどんなことを勉強しているか、親が把握する必要があると思います。小学生の勉強でしたら、家庭学習で何とかなります。
ママも勉強しましょう。
生活面を見直そう
最近耳にする「小4の壁」というのは勉強面と生活面の2つが挙げられます。
学習面では先ほどお話したように、高学年へ向けて難易度がぐっと上がるというものですが、小1から親御さんも一緒に学習していけば別に怖いことはありません。
問題は生活面だと私は思っています。
クラブ活動なども本格的にはじまってきます。そう、いつまでも子どもではないんです。
子どもに自分の世界を切り開かせ、外に出してやらないといけません。そういう意味で、“親が適度に突き放す勇気”が問われるのです。 出典: www.shinga-farm.com
なるほど。こちらも貴重なご意見です。
確かに学童保育は3年生までですね。4年生になったら、ある程度は突き放す事も大事と言うことです。「適度に突き放す勇気」と表現されています。
難しいことですが、親の勇気も必要なのかもしれません。
ギャングエイジ
小学校中学年は、ギャング・エイジの時期と言われています。友だちとワイワイ、ガヤガヤと集団で遊ぶ時期です。落ち着きがなく、チョロチョロして行動性に富んでいます。よい行動であれ、悪い行動であれ、友人同士が群れをなして行動します。荒々しい、乱暴な行動もみられます。イタズラやイジメも集団で行います。 出典: www.ondoku.sakura.ne.jp
これは一般的な定義です。
なるほど。小4といえば、そういう時期なのですね。それでは、この時期にどんな仲間と知り合うかというのも重要かもしれません。
やはり、親は子供をよく見つめる必要がありますね。
長所も短所もしっかり見よう
余りに「10歳の壁」と言われ過ぎて、10歳になったら、息子の長所も全て消え去るのかと戦々恐々としてました。
このまま息子の長所も短所もしっかり見ながら一人前になるように育てて行きたいとおもいます。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
この方のお子様はADHDと診断されているそうです。
発達障がいがあるなしに関わらず、この時期の親から離れつつある子を見守ることって大切ですね。人には長所、短所はあるもの。我が子のそれを受け入れるのが母の役目だと思います。
ママが見守っていれば、子供は安心するでしょう。
親子にとって大切な時期。見過ごさず愛情をたっぷり伝えて
今回は殺人事件に至ってしまった悲しい例を取り上げましたが、この事件が直接、小4の壁が原因というわけではありません。コメンテーターの後藤さんのお言葉をお借りしたまでですが、考えさせられることは山ほどあります。
説明しましたように教科書は勉強の遅れに対応するためか、ますます厚く、漫画チックなイラストが増えています。果たして、それで小4の壁を壊すことができるのでしょうか。
重複しますが、ここで大切なのは親子の関わりだと筆者は思います。親が子供を見つめることで何か答えが見つかるのではないでしょうか。