今年こそミスなく仕上げる!年末調整書類の書き方2016年版

年末調整の時期になると、扶養控除申告書や保険料控除申告書といった書類が勤務先で配布されるかと思います。配偶者や親族を扶養している方、生命保険料や地震保険料などを払ってきた方にとっては、いずれも大事な書類。所得控除という優遇措置を受け、所得税の還付を受ける手続きに必須だからです。記入欄が細かく分かれていて大変ですが、書き方の例を見ながら一つひとつ丁寧に仕上げていきましょう。住所や世帯主、続柄など、意外と多い記入ミスについてもご紹介します。

年末調整とは

年末調整とは、その年の1月から給与天引きで納めてきた所得税額が本当に正しいかどうかを再計算する手続きです。給与天引きの所得税額は概算なので、年間の給与が確定した12月時点で計算し直すと、払い過ぎの場合もあれば不足している場合もあります。この過不足を年末調整によって解消するのです。

年末調整が受けられるのは、会社員やパートタイマーなどの給与所得者で、年末時点で特定の勤務先に所属している方です。所得税の精算手続きは確定申告でもできますが、給与所得者は勤務先の年末調整で処理してもらえるのでラクともいえます。

年末調整で提出する書類

年末調整

年末調整で使用する書類は主に次の3つです。

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  2. 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書
  3. 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

このうち1と2は勤務先で配布されます。いずれも所得税額を精算してもらうために必要な情報を書き、指定された期限までに提出します。

また、3は住宅ローン控除を受ける人が使う書類です。住宅ローン控除の適用1年目は確定申告が必要ですが、適用2年目以降は年末調整で手続きが完了します。金融機関から送られてくる住宅ローンの年末残高証明書とともに、勤務先へ提出しましょう。

1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(編集部にて作成)

扶養控除申告書とは、同一生計の配偶者や親族を扶養していて、以下の所得控除を受けたい人が記入する書類です。

  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除(寡夫控除)
  • 勤労学生控除

年末調整の時期に「翌年分」の扶養控除申告書が配られ、そこに書かれた情報にしたがって翌年1月から給与天引きされる所得税(源泉所得税)の金額が決まります。配偶者控除や扶養控除などの所得控除を受けられれば、結果的に所得税や住民税が安くなるため、家計にとって非常に大切な書類です。

なお、扶養控除申告書を勤務先に提出することは、その勤務先をメインとして年末調整を受けたいという意思表示にもなります。扶養控除申告書を出さないと、乙欄適用者といって税額が高くなりますので注意しましょう。

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2. 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書

給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書(編集部にて作成)

その名の通り、保険料控除申告書(左側)と配偶者特別控除申告書(右側)を兼ねた書類です。

保険料控除申告書は、生命保険料や地震保険料、社会保険料などを払っている人が、その金額に応じた所得控除を受けるために使います。

  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模共済等掛金控除
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一方、配偶者特別控除申告書は、配偶者特別控除を受けたい人が使用する書類です。配偶者の年間所得が38万円(パートタイマーなどの給与所得者なら年収103万円)を超えると扶養から外れて配偶者控除を受けられませんが、一定の要件を満たせば配偶者特別控除が適用され、税負担が軽くなります。

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3. 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書(編集部にて作成)

住宅借入金等特別控除申告書は、住宅ローン控除を受けたい人が使用する書類です。

住宅ローン控除の適用1年目に確定申告をしていれば、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きが完了します。確定申告をした年の10月頃、税務署からこの住宅借入金等特別控除申告書が9年分送られてくるので、大切に保管しておきましょう。

なお、住宅借入金等特別控除申告書の下半分は「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」を兼ねており、1年目に確定申告をしたときの情報が印字されています。

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住所が住民票と違う場合の書き方

住民票

年末調整で提出する書類には、いずれも自分の住所を書く欄があります。1年の途中で引っ越しをしたものの、まだ現住所へ住民票を移していない場合、引っ越し前と引っ越し後どちらの住所を書けばいいか迷ってしまいそうですね。

年末調整の書類に書く住所は、翌年1月1日時点の居住地であることが原則です。今回平成28年の年末調整で提出する書類なら、来年つまり平成29年1月1日時点の住所を記入します。

年末調整が直接関わるのは所得税ですが、年末調整の結果が勤務先を通して各自治体へ伝えられ、翌年度の住民税額が決まります。住民税を課すのは年末調整書類に記載された自治体なので、引っ越し後の住所を書くのが正解です。

間違いやすい「世帯主」「続柄」の書き方

扶養控除申告書の世帯主・続柄の記入欄(編集部にて作成)

意外と記入ミスが多いのが、扶養控除申告書にある「世帯主の氏名」欄の表記。住民票に登録している世帯主を書くのが原則です。すぐ下に「あなたとの続柄」という欄もありますが、ここには自分から見た世帯主との関係を記入します。住民票の世帯主が自分なら、続柄は「本人」とします。

世帯主とは「年齢や収入額を問わず、その世帯を代表する人」のこと。例えば共働きで妻の収入のほうが多かったとしても、住民票の世帯主が夫であれば、年末調整書類の世帯主の欄には夫の氏名を書きます。

また、一人暮らしをしているものの住民票をまだ移していない場合、世帯主を自分と書くのは間違いです。住民票における世帯主がお父さんなら、お父さんの氏名を記入し、続柄は「父」とします。

記入ミスがあった場合の訂正方法

間違い

年末調整書類で書き間違いをしたら、二重線を引いて訂正印を押し、その上に正しい内容を記入し直します。修正液や修正テープを使うことはできません。

毎年、年末調整書類が訂正印だらけになってしまうという方は、少し面倒でありますが鉛筆で下書きをしてからボールペンで清書をするのも手です。

訂正印は、年末調整書類ならシャチハタなどのゴム印でも差し支えないでしょう。一方、確定申告書のような公式な書類ではシャチハタの使用は不可能です。

年末調整書類の提出期限

給与

年末調整書類の提出期限は、勤務先によって異なります。たいてい10月中旬から下旬にかけて配布され、11月中旬から下旬に回収されるところが多いようです。

勤務先側の担当部署は、従業員から提出された年末調整書類をもとに所得税額を再計算し、給与天引きしてきた所得税額と過不足がないかを確認します。その過不足分の精算は多くの場合、12月の給料日に行われます。12月の給料日に還付金がもらえる方が多いのはこのためです。

なお、法律上の年末調整の最終期限は翌年1月31日まで。年末調整書類に書いた内容に誤りがあっても、この期限までに「再年末調整」として訂正することは可能です。とはいえ年末調整の精算は12月の給料日に行うところが多いため、勤務先での混乱を避けるためにも、ご自身で確定申告をするのをおすすめします。

年末調整書類の提出期限はいつ?過ぎたらどうなる?

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年末調整の時期には勤務先で「扶養控除申告書」と「保険料控除申告書」が配…

記入例を参考にすれば意外と簡単

完成

扶養控除申告書と保険料控除申告書は、勤務先で年末調整の対象になる方なら必ず書かなければいけません。年末調整で住宅ローン控除の処理をしてもらうなら、住宅借入金等特別控除申告書の記入も必要です。

「毎年のことなのにいつも書き方がわからず迷ってしまう」「書き始めたはいいけれど記入ミスが多くて訂正印だらけ」という方は、この記事でご紹介した書き方の解説記事を参考にしてください。記入例を見ながら書き進めれば、思いのほか短時間で終わるはずですよ。

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