監修:井手真理 先生

ママ歯科医に聞いた「0歳の歯」を守るために大切なこと

生後6ヶ月ごろから生えてくる赤ちゃんの。小さなはとても愛おしく「虫にしないために頑張らなくては」と思うものですね。今回はママ科医である井手真理先生に、0歳の赤ちゃんのを守るために大切なポイントを聞きました。「口移しはダメ?」「添い乳は虫になる?」「おしゃぶりは出っになって治らない?」など、ママたちが気になるに関する疑問についても解説します。ママ科医だからこそわかる、育児生活に合ったアドバイスです。

愛おしい赤ちゃんの歯を守ることに「真剣」なママたち

今まで歯ぐきしかなかった赤ちゃんのお口の中に、真っ白で小さな歯がピョッコリ。その瞬間、ママはとても愛おしい気持ちになりますよね。そして「かわいい歯が虫歯にならないように」と赤ちゃんの歯を守ることに真剣になるものです。

口移しはしないこと。出っ歯にしたくないからおしゃぶりは使わないこと...わが子の歯を守るためにママたちが自分たちに課したルールが、なんだか重たくなってしまうことはありませんか?でも、ママたちが追い詰められる必要はないのです。

今回は、ママたちが知っておきたい「0歳児の歯」について、イデアデンタルクリニック(東京都巣鴨)院長の井手真理先生にお話を聞いてみました。

井手先生に聞いた「0歳児の歯」知っておきたいポイント

歯 PIXTA

0歳児を育てるママたちにとって「子供の歯」は未知の世界。

子供たちは自分で自分の歯を守ることはできません。どうやってかわいい乳歯を守っていくのが良いのでしょうか。ママたちが知りたい7つのポイントをまとめました。

1.赤ちゃんの歯磨きは「歯が生えたらすぐに」スタートを

赤ちゃん 歯 PIXTA

赤ちゃんの歯磨きは、できれば1本目の歯が生えたらすぐにはじめましょう。ただし、この時期はいきなり口に歯ブラシを入れられることを嫌がる赤ちゃんもいます。赤ちゃんは本能的に「他人から口の中に物を入れられる」ということが怖いのです。これは動物的な防衛本能でしょう。

できれば歯が生える前から、ママに口の中を触ってもらうことは怖くないということを知らせておくとよいですね。ママの指にガーゼを巻いて、ミルクの時間の後に「お口をきれいにしようね」と、お口の中を軽く触ってあげるだけでも大丈夫です。リラックスした雰囲気で、初めての歯磨き習慣を学んでいきます。

歯が生えて歯ブラシを嫌がらない子は、歯ブラシでの歯磨きをスタートします。最初はママがメインで行いますが、だんだん自分でやりたがるようになるかもしれません。その場合は、できれば赤ちゃん用の喉突き防止の歯ブラシと、ママ用の仕上げ磨き歯ブラシがあるのが理想です。しかし、時間的な余裕がないなどで難しい場合は、1本で行っても大丈夫。歯が生えたばかりの赤ちゃんはたくさん唾液が出ているので、神経質に歯磨きをしなくても、虫歯になりにくいお口の環境になっています。

2.乳児期は歯磨き剤を使用しなくてよい

歯磨き粉 amana images

「歯磨き剤は赤ちゃんにも使うべきなのかな」と悩んでいるママは多いのではないでしょうか。結論から言うと、乳児期は歯磨き剤はほとんど必要ありません。赤ちゃんは唾液でかなりの汚れを自然に落とすことができるからです。また、歯の数が少なく、歯と歯の間もあいている子が多いので、虫歯になりにくいのです。

ただ、習慣的にお茶をよく飲む子は歯に茶しぶがつきやすくなっているため、飲み込んでも安全な歯磨き剤を歯科医院などで購入して磨いてみるとよいでしょう。

3.虫歯になりやすい3つのポイント

子供にとって虫歯になりやすいポイントは以下の3つです。

  • 前歯
  • 奥歯の溝
  • 歯と歯の間

特に乳児期に気を付けるべきなのは前歯。中でも唾液に常に浸っている下の歯より、上の前歯が虫歯になりやすいでしょう。

仕上げ磨きは嫌がってしまって長時間できない場合もありますが、この3つのポイントはしっかりおさえておくと安心です。歯が生えそろってきて歯と歯の間が詰まってきたら、ぜひデンタルフロスを活用しましょう。歯の全体の汚れに対して50~70%は歯と歯の間の汚れで、デンタルフロスでしか取ることができません。

子供に仕上げ磨きをしているパパママも、自分の口の中の環境を整えるためにデンタルフロスを活用していきましょう。

4.添い乳は「そのまま眠ってしまう」ことが虫歯の原因に

添い寝 PIXTA

「添い乳が原因で虫歯になる」という噂を聞いて「夜間断乳しなくちゃ!」と焦っているママはいるのではないでしょうか。しかし、母乳を飲んでいることだけが虫歯の原因になっているわけではありません。

確かに添い乳をしていると、上の前歯が虫歯になりやすくなります。母乳に含まれる糖が、おっぱいを吸うことで歯に付着することも1つの要因ですが、さらに重大なのが「眠ることで唾液が減ってしまう」ということ。人は眠っているときに唾液の分泌量が減ります。それにより、いつもは自然に流せていた汚れが流れなくなって、虫歯になりやすい口の中の環境ができあがってしまうのです。

だからといって「すぐに添い乳をやめなくてはいけない」というわけではありません。添い乳する場合には歯磨きを念入りに行い、歯についた汚れはきちんととっておくようにしましょう。少しでも虫歯になりにくい環境にしておくことが必要なのです。

5.子供の虫歯は白くて気が付きにくい

子供の虫歯は大人の虫歯と違って「白」や「黄色」です。だからこそ、虫歯になったばかりのときはママが気がついてあげることが難しくなっています。また、大人の黒い虫歯に比べ、子供の白や黄色の虫歯はとても進行が早く、子供自身が痛がるようになってからではかなり進行してしまっていることも。こうなると、虫歯治療はとても大変です。

半年や年に1度、自治体による歯科検診がある地区もありますが、できれば2~3ヶ月に1度は歯科医院を訪れて歯科検診を受けるようにしましょう。早期発見することが大切です。

6.口移しによる虫歯菌の移行を気にするより、親子で正しい歯磨き習慣を

歯磨き PIXTA

「口移しをしたり、スプーンや箸を共有したりすると虫歯菌がうつる」というのは最近の子育てでは常識のように言われています。意識して虫歯菌がうつらないように生活してきたのに、うっかり使っていたスプーンで食事をさせてしまったり、ママが使っていた箸を舐めていたりすると「せっかくこれまで気を付けてきたのに...」と落ち込んでしまうこともあるのではないでしょうか。

しかし、虫歯になる原因は口移しだけではありません。たとえ口移しをしていなかったとしても、何かのきっかけで虫歯菌を口に入れてしまうことはあり得ます。外で遊ばせる中でも、他の子が舐めたおもちゃを口に入れてしまった、ということもありますね。すべて完璧に防ぎきることは難しいでしょう。そして、せっかく口に入る虫歯菌を最低限にしたとしても、生活習慣によってその菌は簡単に増えてしまいます。

口移しを防ぐことでは「赤ちゃんの時期の虫歯」を防ぐことはできても、子供たちが大きくなった後の虫歯まで防ぎきることはできないのです。

日常のお口の中の環境を整える習慣を持つことが大切で、正しい歯磨き習慣や食生活を身につけていくことの方が、未来の永久歯まで長く子供の歯を守っていくことになります。親子で正しい歯磨き習慣をつけていきましょう。

7.おしゃぶりによる「出っ歯」は治る

おしゃぶり PIXTA

赤ちゃんの歯のことで気になることは、虫歯だけではありませんね。0歳では寝かしつけや外出時の泣き止ませに「おしゃぶり」を使用しているママもいるのではないでしょうか。そんな中で「おしゃぶりは長く使いすぎると出っ歯になる」という問題に頭を悩ませてしまうことも。

しかし、井手先生によると、おしゃぶりによって一時的に乱れた歯列も、その後の習慣によってきちんと治るのだそうです。おしゃぶりをやめた後の生活習慣として、きちんと噛むことが身についていることが大切で、きちんと咀嚼(噛むこと)をしていくことで、自然に歯列は戻っていきます。

また、おしゃぶりによって鼻呼吸の習慣がつき、口元の動きによって将来の咀嚼する能力に繋がる筋肉も鍛えることができるというメリットもあるのだそうです。一時的に出っ歯になってしまっても、きちんと歯列は戻るので大丈夫。「おしゃぶりは絶対に使わない」として赤ちゃんのグズグズにママが参ってしまうくらいなら、おしゃぶりを使ってよいのです。

井手先生「ママは『大丈夫』の気持ちで子育てを」

赤ちゃん 歯 PIXTA

0歳のママはどうしても「完璧」を求めてしまいがちで、育児の理想に押しつぶされそうになってしまうこともありますよね。

井手先生も現在6歳の女の子を育てている1人のママ。先生のアドバイスは「『大丈夫』の気持ちで子育てしてください」ということ。「過去に自分がこうしてしまったから・・」と自分を責めてしまうママ達がたくさんいます。自分の行動が理想通りでなかったことに苦しむのではなく、何ごとも「今から未来に向けて何ができるか」を考えることが大切なのだそうです。

大切な赤ちゃんのことを考えてその時にできる最善の選択をしてきたママ達。自分のことを、たくさん褒めてあげてくださいね。

赤ちゃんの歯を大切に思う気持ちを持っていれば、あとは「大丈夫」。赤ちゃんがかわいい歯で離乳食を食べる姿や、ニッコリと笑ったときに見える小さな白い歯。その愛しさを感じながら、笑顔で子育てをしていきたいですね。

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記事の監修

idea dental clinic 院長

井手真理 先生

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