絵本は教育ではなく、体験。子育て絵本アドバイザーに聞く子供が絵本を大好きになるコツ

みなさんは絵本の読み聞かせを行っていますか?家の中でも外でも、ちょっとした時間に開いて子供とコミュニケーションを取れる絵本は、子育ての優秀アイテムです。しかしママが絵本を読んでいても興味を持ってくれなかったり、話の流れに関係なくページをめくりたがったりと、理想通りの読み聞かせができない場面もありますね。ママ達の読み聞かせに関する悩みについて、子育て絵本アドバイザーの前田ちひろさんにお話を伺いました。

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子育てに読み聞かせを取り入れている?

みなさんは子育てに読み聞かせを取り入れていますか?

絵本さえあればいつでもどこでも行うことができる読み聞かせは、親子のコミュニケーションとしてよい方法でしょう。最近では自治体の図書館に子供が靴を脱いで上がれる児童書コーナーが設置されるなど、たくさんの絵本に出会いやすい環境もできてきました。親子で手軽に共通の世界を楽しめる絵本は、ぜひ育児に取り入れていきたいものです。

読み聞かせに関するママの悩み

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13人のママに家庭で行っている読み聞かせについて聞いてみると、多くのママが「読み聞かせを子育てに取り入れている」と答えた一方で、いろいろな悩みの声があがりました。「絵本を読み聞かせてあげたい」というママの思いがあっても、なかなか思い通りにいかない現状もあるようです。

途中で飽きてしまう

「たまに絵本を読んであげますが途中で飽きてしまいます」(7歳と3歳の女の子ママ)

絵本を読んであげても途中で飽きて遊びだしてしまうことがありますよね。幼い子供たちは集中が続かないことも多いようです。ストーリーの山場になる前に子供が飽きてしまうと、ママも読み聞かせる気持ちが弱まってしまいますね。

勝手にページをめくってしまう

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「息子は『読んでもらう』のが嫌いなようです。自分でページをめくりたい、自分で見たい、それができないなら他のおもちゃで遊ぶ、というパターンで居なくなってしまうので、読む気が失せてしまいました。本当は読んであげたいし、一緒にイラストやストーリーを共有したいです。(1歳半の男の子ママ)」

まだおしゃべりが始まったばかりの子の場合では、ストーリーを理解するよりも絵本をペラペラめくることを楽しんでしまうこともあるようです。ママとしては子供を喜ばせたくて読み聞かせをするのですが、ページを読み終わる前にページをめくられてしまうと「まだ読み聞かせは早いのかな」とがっかりしてしまうかもしれません。

質問攻めになる

「これなに?と話を聞かずに絵本の絵をみて質問してくることがあります。悪いことではないと思っているのですが、なかなか読み聞かせにならず...な日もあります。」(3歳の男の子ママ)

子供たちにはとにかく何でも「これは何?」「なんで?」と質問をしたい時期があります。絵本の世界に興味を持ってくれているのはよいことなのですが、読み聞かせというより質問に答えるだけになってしまい「これって読み聞かせ...?」と悩むママもいるようです。質問には答えてあげたいけれど、お話も聞いてくれると嬉しいですね。

同じ本ばかり読みたがる

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「同じ本を何ヶ月も繰り返し読みつづけています。もっと他の本を読んであげなくても大丈夫でしょうか。」(3歳女の子ママ)

お気に入りの本ができると、いつも同じ本を読んでもらいたがることがありますよね。他の本を読んであげようとしても「それじゃない!これ!」とこだわりを見せることもあります。

本当はもっといろいろな本を読んであげたいけれど、同じ本だけを読んであげててもよいのか悩んでいるママもいるようです。

絵本のプロに聞く!読み聞かせで大切なこと

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絵本の読み聞かせはママが手探りで行っているため、悩みは尽きません。そこで、ママ達を対象にした「子育て絵本アドバイス講座」を開講している、子育て絵本アドバイザーの前田ちひろさんにお話を聞きました。

前田さんは、5歳の男の子と10歳の女の子のママです。大学卒業後、金融機関を経て、 出版・通信教育関連企業で12年間のフルタイム勤務を経験。 仕事と子育ての両立をする中で、絵本の存在に大きく助けられたことを実感し、2014年、子育て絵本アドバイザーの資格を取得しました。

そんな前田さんが読み聞かせをする上でママ達に意識してほしい大切なことが3つあるといいます。

1.表紙や裏表紙を楽しむ

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絵本を読み聞かせるとき、表紙や裏表紙を見せているママは少ないのではないでしょうか。前田さんは「よい絵本は表紙や裏表紙に工夫をしているので、ぜひ楽しんでください」と話します。

子供は表紙や裏表紙、さらには背表紙までしっかり覚えてお気に入りの絵本を見つけられるようになるようで、お気に入りができると、たとえ1歳ごろの子供でも自分で本棚から運び、ママの膝に座り「読んで」と伝えられるようになるようです。読み聞かせを通してお気に入りの絵本を覚えてくれたらうれしいですね。

2.自然な会話の調子で

読み聞かせをするときは、意識してゆっくり読んだり抑揚をつけたりせず、ママがいつも話している会話のスピードで語り掛けてあげましょう。子供たちはママのお腹の中にいるときからママの声をよく聞いているため、あえてゆっくり話して抑揚をつけなくても、しっかりと聞き取り集中して聞くことができるそうです。

また、登場人物に合わせて声を変えるなどの工夫は、ママが楽しんでできるのならよいことですが、負荷のない程度にしましょう。「毎日できるくらいの頑張り方でちょうどいいのです」と話す前田さん、あくまでママが負担に感じない程度の工夫でよいのですね。

3.読み終わったら子供を褒める

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「読書が好きになってほしい」というのは、ほとんどのママ共通の思いですよね。本を大好きになってもらうコツについて聞くと前田さんは「絵本を大好きになってほしいなら、読み終わったときに子供を褒めましょう」とアドバイスしてくださいました。

褒め方はさらりとした声掛けでよく「最後まで聞いてくれてありがとう」「しっかり聞けてえらかったね」などと一言褒めてあげるだけでよいそうです。子供はママに褒められるのが大好きなので、最後まで聞いたら褒めてもらえると思うことで絵本がどんどん好きになるのだといいます。「おしまい」のあとに一言、子供を褒めてあげる習慣をつけたいものです。

ママの悩みを解決!読み聞かせアドバイス

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次に、ママ達が抱えている読み聞かせに関する悩みについて前田さんにアドバイスをしていただきました。読み聞かせはママと子供が「読む」「聞く」というやり取りをして成り立つコミュニケーションなので、うまくいかないとママもストレスを感じてしまうことがありますよね。また、子供の成長時期に合わせた悩みも出てくることがあるでしょう。

前田さんのアドバイスを参考に、読み聞かせの時間をもっと楽しんでみてください。

絵本に興味を持ってほしいなら、絵本をいつでも手に取って読める環境を

編集部撮影

子供が絵本に興味を持つには、生活の中に絵本があることが大切だそうです。家の中で子供がもっともよく遊んでいる場所に、目につくよう絵本を配置してみましょう。前田さん自身も、自宅のキッズスペースの周囲に絵本棚を設置し、子供たちは自由に絵本を楽しんでいるといいます。

また「子供が自宅にある絵本に興味を示さなくなった場合は、図書館で新しい本を借りたり、今興味を持っているジャンルに関する絵本を書店で購入してみたりするとよいでしょう」と前田さんはアドバイスしてくださいました。

絵本に集中できる環境も重要で、テレビがついていると子供はついついテレビのほうに興味を奪われやすいため、1日の中で「テレビを消して静かな遊びをする時間」を作るとよいようですよ。

お気に入りの絵本は何度読んでもよい

「同じ絵本ばかり読みたがる」と悩んでいるママもいますが、前田さんによるとお気に入りの絵本は何度読んでもよいようです。「大好きな絵本を読んでいるときの感情は、滑り台を滑っている時の感覚のように楽しいのです。ママは『何度も読んだのになんで?』と思うかもしれませんが、心が満たされるまで読んであげるのが一番よいですよ」と前田さんは解説してくださいました。

何度も読んであげるうちに子供はやがて満たされ、他のものに興味がうつり、また次の興味に関する本を読みたがるでしょう。そうしているうちに興味の範囲が広がり、広く深い知識につながっていくそうです。無理に「他の本も読ませなくては」と考える必要はなく、子供のペースに合わせてあげましょう。

そうはいってもママが忙しく時間がない時には「また明日読もうね」とやめてしまっても大丈夫。ママが負担に感じずに続けてあげられるのが一番だそうです。また、年齢にこだわって「この本はもううちの子には幼すぎる」「うちの子には早い」と決めるのではなく、お気に入りならどんな絵本でも、何度でも読み聞かせてよいそうですよ。

めくる、かじるは一時期の我慢

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最初は読み聞かせをきちんと楽しんでいても、途中で絵本をめくったりかじったりすることが楽しくなってしまい、読み聞かせに集中できない時期はあるものです。つい「読み聞かせはうまくいかないので面倒くさい」と考えやすくなり、絵本から離れてしまうママもいるでしょう。

しかしあきらめずに読み聞かせを続けることが大切。絵本をかじってしまうなら、ある程度頑丈な厚紙でできた絵本に変えてみるのもよいでしょう。壊してしまう場合のアドバイスは「一緒に直すこと」だそうです。破いてしまった絵本を「じゃあ一緒に直そう」と直す場面を見せることで「ママはこれを大切にしていて、壊れたら直す」ということが子供に伝わるといいます。

本をめくることが好きで最後まで読めない場合は「じゃあまたお話聞きたくなったら読もうね」と本を片付けてしまってよいようです。やがてお話を読みたくなったら、子供は自分で絵本をまた持ってきます。質問攻めになってしまって読めない場合も、できる限り子供が興味を持っている質問に答えたうえで、ママが辛くなったら片付けてもよいといいます。

「やがて『めくる』『かじる』のブームが過ぎると読み聞かせをきちんと楽しめるようになります」と前田さんは話します。読み聞かせはできる限りやめずに続けていきましょう。

絵本は「教育」ではなく「体験」

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絵本を読むことの大きな魅力について前田さんは「絵本を通して色々な世界を疑似体験できること」だと話します。前田さん自身は現在10歳の女の子と5歳の男の子のママ。小さいころ読み聞かせをしていると、3~4歳の頃に「ママ、『にがい』ってどんな味?」と絵本に出てきた味覚を実体験したがったり、絵本に出てきた盲導犬を実際に見たときに「ハーネスをしているからお仕事中だね」と話したりと、絵本の中での疑似体験が現実の体験にしっかりと結びついていることを感じたそうです。

親はついつい絵本は「教育」と捉えてしまいやすく、言葉やひらがなを教えるために読みきかせようとしてしまうことがあります。しかし、子供自身にとって絵本は教育ではなく「体験」。いろいろな世界に自分が入り込んで、体験することがとても楽しいのです。

絵本を通した体験が自分たちが生きている世界につながり、子供の興味関心はどんどん豊かになるのだと前田さんは話します。ママも何かを教えようと必死になるのではなく、子供と一緒に豊かな絵本の世界を楽しむ気持ちで読み聞かせができるとよいですね。

働くお母さんの楽しい子育てをサポートする 子育て絵本アドバイザー®前田ちひろ

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