不妊治療「費用」が心配?検査や治療にかかる費用と助成金を知ろう

赤ちゃんが欲しいと思っても、なかなか妊娠しない時「もしかしたら不妊症かもしれない」と考える方もいると思います。その時すぐに不妊治療を受ける選択ができるでしょうか。実際には、多くの方が「自然に任せたい」と感じたり、費用面に不安を感じたりして、すぐには治療を受けないようです。しかし、実際に治療にかかる期間や費用を知り、さらに自治体からもらえる補助金について知ると、その考えが変わるかもしれません。

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不妊を自覚してから受診までに時間がかかる理由

妊娠するために、情報収集や体調管理などに力を入れる妊活。赤ちゃんが欲しいと思った時には、まず個人で妊活をスタートするのではないでしょうか。しかし、なかなか妊娠しない時、どうしていますか?

メルクセローノが2017年4月15日から18日、妊活経験のある男女600人を対象に行った調査では、既婚女性のうち32.9%、男性では25.7%が「不妊に悩んだことがある」と回答しました。

不妊に悩む一方で、「自分は不妊症かもしれない」と自覚してから不妊治療を開始するまでの期間は、半年以上かかったと答える人が女性で36.8%、男性で38.1%いました。

日本産婦人科学会では、夫婦間で正常な営みがあり、1年以上たっても妊娠しない場合を不妊症と定義していますが、不妊症の疑いを自覚しながらもなかなか受診できないケースがあるようです。

受診をためらう期間も妊娠を希望していることに変わりはないものの、期間が空きすぎてしまうことは不妊に影響する可能性があります。

男女とも、加齢により妊娠する・させる力(妊孕性)が低下することが分かっています。女性は30歳を過ぎると自然に妊娠する確率は減り、35歳を過ぎると著明な低下を来たします。加齢により子宮内膜症などの合併が増えること、卵子の質の低下が起こることが妊孕性低下の原因と考えられています。
(中略)
男性は、女性に比べるとゆっくりですが、35歳ごろから徐々に精子の質の低下が起こります。 出典: www.jsog.or.jp

自分は不妊症かもしれないと自覚しながら治療をためらううちに、加齢によって妊娠の可能性が低下してしまっているかもしれません。できるだけ早く医師のアドバイスや治療を受けた方がよいと思われますが、なぜ不妊治療を開始するまでにこれほどの時間がかかってしまうのでしょうか。

受診しなかった理由、2位は「費用がかかるから」

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同調査で、不妊治療を開始するまでに3ヶ月以上かかった男女になぜ受診しなかったのかを聞くと、男女ともに1番多かったのは「自然に任せたかったから」という回答でした。男性で54.9%、女性で53.3%と過半数にのぼりました。2位は「費用がかかるから」で、女性では32.8%、男性では18.3%が費用面の不安を挙げました。

不妊症かもしれないと悩み、治療の必要性を感じ始めている中でも、不妊治療には高額な費用がかかるのではないかという不安が、治療に踏み切ることを妨げているようです。

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不妊治療の第一歩、不妊検査の概要と金額

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費用面の不安はあるものの、治療を受けないまま時間がたってしまうと、妊娠のチャンスを逃してしまうことがあるかもしれません。

自分や夫の体の中に、何か妊娠しない原因があるかどうか調べるためには、病院で検査を受ける必要があります。まずは体の状態を知り、これから何をするべきか知ることが大切です。

不妊治療を始めるにあたって最初に受ける検査はどのようなものなのか、概要と金額についてお伝えします。

妻が受ける検査内容と費用

  • 内診・超音波検査
  • クラミジア抗原検査
  • 子宮頸がん検査
  • 抗ミューラー管ホルモン検査
  • 甲状腺機能検査
  • 感染症検査
  • 抗精子抗体検査

主な検査項目は以上のようなものです。その他、病院によって初診での検査項目が違う場合があります。費用は3万円から4万円ほどです。

中には保険適用になる検査もありますが、自費診療になる検査が多いため、金額が大きめになっています。

夫が受ける検査内容と費用

  • 精液検査
  • 感染症検査

男性側の検査も、病院によって多少項目が異なります。費用は上記の項目で1万円程度です。検査する項目を追加すると増額になることがあるため、前もって必要な金額を確認しておくと安心でしょう。

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不妊治療の流れと金額

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不妊検査の後は治療に入ります。不妊検査の結果、何か不妊の原因がわかれば、まずはその原因を治療するところからスタートしますが、残念ながら原因がわからないこともあります。原因不明の場合には、タイミング指導からスタートし、徐々にステップアップしていくようになります。

不妊治療には大きく分けて3つの段階があります。

  • タイミング指導
  • 人工授精
  • 体外受精

検査の結果によっては、必ずしも第一段階のタイミング指導からはじめるわけではありません。医師のアドバイスを聞いてくださいね。

各段階の治療はどのようなもので、どのくらい費用がかかるかご紹介します。医療機関によって差があるものですが、一つの参考にしてください。

タイミング指導(一般治療)

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タイミング指導とは、排卵のタイミングを医師が確認し、推測される排卵日を目安に性交をして妊娠をはかるものです。

6~8周期を目安に続けて行い、それでも妊娠しない場合には次のステップへの移行を検討します。治療には保険が適用され、1回の指導は数千円ほどです。

人工授精

人工授精とは、排卵日を予測したうえで、子宮の奥に直接精液を注入する治療法です。5~6周期続けても妊娠しない場合には、次の段階へのステップアップを検討します。

費用は1回につき、1万5千円から2万円程度です。

体外受精

顕微鏡 PIXTA

タイミング指導、人工授精を行っても効果が見られなかった場合には体外受精を行います。体外受精とは、卵子を体外に取り出し、体の外で精子とかけ合わせて培養し、少し育った状態で子宮の中に戻す方法です。

体外受精は、卵子に精子を振りかけて受精させるものですが、精子の運動率が悪い場合や、数が少ない場合には、卵子に1つの精子を注入する「顕微授精」を行います。

体外受精、顕微授精共に保険適用外となるため費用が高額になります。体外受精は1回あたり30~35万円ほどかかり、顕微授精にした場合はさらに3万円ほど加算されます。

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不妊治療で受けられる助成

お金 PIXTA

不妊治療の中でも、保険が適用にならない体外受精には高い費用がかかります。1度に30万円以上の費用がかかる治療を、複数回続けられる人は限られているでしょう。

自治体によっては、こうした高額な不妊治療費に対して助成を行っている場合があります。例えば東京都の場合は、体外受精を行ったときの費用の全部、または一部について、回数制限を行った上で助成しています。

東京都の助成の条件と、金額をお伝えします。ぜひお住まいの自治体の助成がどうなっているか、確認してみましょう。

東京都の場合

  • 新鮮胚移植を実施:20万円(30万円)
  • 凍結胚移植を実施:25万円(30万円)
  • 以前に凍結した胚を解凍して胚移植を実施 :7.5万円
  • 体調不良等により移植のめどが立たず治療終了:15万円(30万円)
  • 受精できず または、胚の分割停止、変性、多精子授精などの異常授精等により中止:15万円(30万円)
  • 採卵したが卵が得られない、又は状態のよい卵が得られないため中止:7.5万円

カッコの中の金額は、初めて助成を受ける場合で、平成28年1月20日以後に治療が終了したものの上限金額です。なお、 卵胞が発育しない、又は排卵終了のため体外受精を中止した場合や、採卵準備中に体調不良等により治療中止した場合は助成されません。

助成には回数制限があり、東京都の場合は以下のように定めています。

  • 妻の年齢が39歳までの夫婦:通算6回まで
  • 妻の年齢が40歳以上の夫婦:通算3回まで

なお、40歳以上では、42歳までに1回目の治療を受けていれば3回まで助成対象になりますが、43歳以降に1回目の治療をした場合には助成対象外となります。

年齢制限に近づいている場合には、タイミング指導や人工授精を行わず、まずは助成対象となる体外受精にチャレンジした方が、経済的にはよいかもしれません。

また、東京都内でも地域によってさらに女性を行っている地域があります。例えば品川区では、体外受精以外の検査やタイミング指導、人工授精などの治療を助成してくれる制度があります。年齢制限や女性額、回数制限も自治体によって異なるため、まずは住んでいる自治体の制度がどうなっているか確認しておきましょう。

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保険適用外でも助成がある、まずは一歩踏み出そう

夫婦 後ろ姿 PIXTA

不妊治療には保険適用外の治療があり、費用面に不安を感じるのは当然のことです。しかし、自治体の制度や実際の治療にかかる予算について知っておけば、思ったよりも一歩を踏み出しやすい場所にある治療と感じられるかもしれません。

タイミング指導から体外受精まで、それぞれ目安となる期間でチャレンジした場合、1年~2年ほどの期間がかかります。自分が不妊症かもしれないと感じたら、まずは自分の体について知る検査から受けてみませんか?意外なところに原因や発見があるかもしれませんし、それをきっかけに、妊娠に向けてまた一つ道が開ける可能性があります。

もちろん夫との協力も大切なこと。妊活は2人のものとして、今後の進み方について夫婦で考える機会を持てると良いですね。

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