監修:清水なほみ 先生

妊娠初期の中絶はいつまで?週数によって異なる手術の方法とリスク

妊娠は多くの女性にとって喜ばしいことでしょう。しかし望まない妊娠で苦しむ女性もいます。もし中絶手術を受けることになった場合は、体への負担を考えできるだけ早めに手術を受ける必要があります。妊娠初期中絶手術の方法や費用は手術を受ける時期によって異なるため、不安なことがある場合は医師に相談するようにしましょう。

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妊娠初期の人工妊娠中絶が可能な時期

中絶とは、胎児が母体でしか生きていけない時期に人工的な方法で流産させてしまうことをいいます。日本では「母体保護法」によって中絶は妊娠21週6日までに行うようにと決められており、その後は中絶手術を受けることができません。

妊娠初期に行う中絶は妊娠5週くらいから妊娠11週6日までとされており、それ以降の中絶手術は中期中絶となるため手術の方法や費用も変わります。

もし中絶手術を受けると決めた場合は、できるだけ早めに手術を受ける方がよいでしょう。

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妊娠初期の中絶にかかる費用

病院  PIXTA

中絶手術は保険が適用されないため、手術を受ける病院によって費用が異なります。病院によっては妊娠週数や分娩経験の有無でも費用が変わることがありますが、妊娠初期の中絶手術の場合は9~15万円程度の費用が必要です。

  • 妊娠7週まで:約9~11万円
  • 妊娠8~9週まで:約11万円
  • 妊娠10~11週まで:約13~15万円

また手術費用の他、手術前に妊娠の確認をするための超音波検査や採血、術後の診察費用なども必要ですので、中絶手術を受ける病院で事前に費用の詳細を確認しておくようにしましょう。

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妊娠初期の人工妊娠中絶の方法

点滴 PIXTA

妊娠12週未満で行う初期中絶は、子宮内容除去術(しきゅうないようじょきょじゅつ)を受けます。手術を受ける際は前日に子宮頸管をやわらかくして広げる術前処置を行うことがあります。

吸引法

吸引法は筒状の金属棒を子宮内に入れて胎児や胎盤などを吸引する方法です。手術時間が約10~15分と短く母体への負担が少ない手術法ですが、吸引する際に子宮内に子宮内容物が残ってしまうことがあります。

吸引法は妊娠7週前後まで受けることが可能な中絶手術なため、吸引法を希望する場合は早めに医師に相談するようにしましょう。

また、吸引法を行っていない病院もあるため、事前に手術方法を確認しておくとよいでしょう。

搔爬法(そうはほう)

搔爬法は専用の器具を用いて子宮内内容物をかき出す方法です。子宮内を確認しながら手術を行えるため、内容物を残すことなく排出できます。

しかし、子宮口が硬く開きにくいときや、子宮筋腫がある場合は搔爬法が困難な可能性もあります。また、まれに医療器具によって子宮を傷つけてしまうといったリスクも考えられます。

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中絶手術後の注意点

横になる PIXTA

初期中絶の手術は、基本的には入院をせず日帰り手術となります。手術を行う際は麻酔を使用するため痛みや苦しさはありません。

しかし、術後しばらくは出血や痛みが出ることもあり医師の指示のもと安静に過ごすことが大切です。また、感染症を予防するために内服薬が処方された場合は必ず飲みきるようにしましょう。

  • 外陰部を清潔にする
  • 入浴は中絶手術を受けた当日は控える
  • 出血があるときの入浴はシャワーだけにする
  • 飲酒や性行為は医師の許可が下りるまで控える

その他、出血が長引く、発熱や下腹部痛といった症状がある場合は、指定された診察日に関係なく病院を受診してください。

また、体の回復を考えて術後数日間は仕事や学校を休むようにしましょう。

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中絶手術がもたらすリスク

女性のお腹 PIXTA

初期中絶で行う吸引法と搔爬法は、母体保護法の指定医が行うため安心して手術を受けることができますが、少なからずリスクがあるという点を理解しておく必要があります。

  • 子宮に子宮内容物が残ってしまう可能性がある(吸引法の場合)
  • 子宮を傷つけてしまう可能性がある(搔爬法の場合)
  • 感染症が起こる可能性がある
  • 子宮頸管損傷(しきゅうけいかんそんしょう)が起こる可能性がある
  • まれに子宮穿孔(しきゅうせんこう)が起こる可能性がある

子宮頸管損傷は、急激な子宮頸管拡張などによって起こる症状です。子宮頸管が損傷すると、術後に症状が出なくても次回の妊娠時に陣痛を伴うことなく子宮頸管や子宮口が開いてしまう「子宮頸管無力症(しきゅけいかんむりょくしょう)」になる可能性があります。

また、中絶手術においてごくまれに子宮壁に穴があいてしまう「子宮穿孔(しきゅうせんこう)」が起こる可能性があります。

穴が小さければ自然にふさがりますが、大きい場合は開腹手術で穴をふさぐ必要があります。

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できるだけ早めに病院へ

森 PIXTA

妊娠初期での中絶は11週6日までと決まっており、その後は中期中絶となります。中期中絶になると中絶の方法が変わり、陣痛を誘発して分娩の形で中絶を行うため、母体への負担も増す可能性があります。

中絶をすると決めた場合は、初期の手術が可能な期間内に病院を受診して医師に相談するとよいでしょう。そして術後は回復するまでは、ゆっくり体を休めるようにしてくださいね。

また、体への負担以上に精神的な負担が大きいことが多く、術後に体調不良が出たり、10年以上経ってから手術に対する感情のしこりが別の病気のきっかけとなったりすることもあります。

術後は早い段階でメンタルフォローも受けるようにした方がよいでしょう。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ 先生

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