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習い事費は月収の10%未満に!コスパは「親子双方の満足度」で考えよう

「子供には色々なことにチャレンジしてほしい」…そんな思いでついついかけすぎてしまう傾向がある習い事費用。親心で習わせているつもりが、子供自身のやる気があまり無かったり、上達しない状況にママがモヤモヤしたりしていませんか?習い事費用は教育費全体を考えて、その他の娯楽も含めて月収の10%までに抑えることが理想です。また、習い事でいうコストパフォーマンスは「親子双方の満足度」と捉え、何を習うかじっくり検討しましょう。

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子供の習い事はいくらかかる?

親にとっては何よりも嬉しい、子供の成長。子供が新しいことに挑戦し、できるようになっていく姿を見たときは、育児のやりがいを感じるのではないでしょうか。

それと同時に、もっとざまざまな能力や技能を身につけてほしいと考え、習い事を検討しているママもいるでしょう。しかし、習い事には出費が伴います。代表的な子供向けの習い事では、週に1回の授業で、以下のような月会費がかかります。

  • 教室に通ってグループ学習する、大手英会話教室:6,000円程度
  • 楽器を販売する企業の音楽教室:7,000円程度
  • スポーツクラブが運営するスイミングスクール:7,000円程度

どの習い事も月会費のほか、入会金や教材費などの費用がかかります。色々なことをさせたいと思う反面、予算をきちんと決めておかないと、ついつい費用をかけすぎてしまうことが習い事に関わる出費の悩みなのではないでしょうか。

出典元:

習い事費用はいくらまでかけてよい?見極めるポイント

習い事 PIXTA

習い事は子供にとっても親にとっても、新鮮な体験。周りの子供たちが習い事を始めたと聞くと、わが子にも何か新しいことをさせた方が良いのかと悩んでしまうかもしれません。

しかし、周りに合わせてすべて習わせていては、家計を圧迫することになりかねません。子供の習い事に対する予算はどのくらいかけてもよいのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんに、習い事の予算の決め方や、習い事を選ぶときに意識するべきことを聞きました。鈴木さんのお話をもとに、3つのポイントについてお伝えします。

習い事予算は、他の娯楽費を含めて月収の10%までにする

編集部作成

習い事にはどのくらいお金をかけてもよいのかは、月々の収入からじっくり検討しましょう。目安として、鈴木さんがおすすめするのは、娯楽費と合わせて月収の10%までにおさめること。

単月の収支だけでなく、将来必要なお金をしっかり貯めることを考えれば、幼児期は月収の15%は貯金に回すことが望ましいといいます。貯金の中に含まれるのは、子供に将来かかる教育費(大学入学資金として約300万円など。人によって異なる)、自分たちの老後の生活費などです。

つい目先の「習い事」という教育費を多く出したくなりますが、教育費はこれからもっとかかるようになります。育児全体でみると、幼児期はお金をかけるときではなく、貯めるときだと鈴木さんはいいます。学費や塾代がかからない今のうちに、貯金しておくことが将来の不安を解消することになるでしょう。

その他、食費や日用品、光熱費、家賃など固定でかかるお金に75%かけ、残った10%で娯楽と習い事をまかないます。少々厳しく感じるかもしれませんが、未来にかかるお金を考えると、このくらいの配分で頑張りたいところです。

子供が小さいうちしかかけられない「レジャー代」とのバランスを考えて

子供が小さいうちは休日のレジャーにお金をかけたくなることが多いでしょう。鈴木さんいわく「子供と一緒に出掛けるレジャー費は幼児期だからこそかけられるお金。個人的にはしっかりかけてよいと思います」とのこと。幼児期は家族でおでかけするのが当たり前のように感じることがありますが、子供が8歳ともなれば、お友達と遊びに行くことが増え、家族と過ごす時間は減ってしまうかもしれません。その時になれば、もうレジャー費をかけたくてもかけられないのです。

「無駄だと感じた習い事を辞めた分、月に1度家族でおでかけする機会を作っても良いですよね」と鈴木さん。お金の価値観は家庭によってそれぞれですが、今しかない時間にお金を使うことも一つの選択ではないでしょうか。

娯楽と習い事、どのように予算配分をするか。また、その他の貯金と生活費の配分についても、詳しい予算額を話し合っておくと、お金の使い方に迷いにくくなりそうですね。家計を管理するママだけでなく、パパも一緒に、習い事の予算や優先順位について考えてみましょう。

コストパフォーマンスとは、親子双方の満足度

褒める ママ PIXTA

習い事をさせるからには、かけた額に対してコストパフォーマンス(費用対効果)が良いものを選びたいと思うものでしょう。習い事でいうコストパフォーマンスとは、親子双方の満足度だと鈴木さんはいいます。

まずは子供が笑顔になれる習い事だということがポイントだそう。子供が喜ぶ姿を見られると、親としても嬉しいものですよね。つい、習い事で身につく能力に期待し過ぎてしまうことがありますが、それでは親子ともに満足できないのに無理に続けることになりかねないようです。

子供のモチベーションは、親が見守る姿勢

鈴木さんによると、たとえ嫌がっている習い事に長期間通わせても、それが良いこととは限らないといいます。お金と時間をかけることが本当によいことかは、しっかり向き合って考えるとよいそう。能力に費用対効果を求めるのではなく、子供が楽しんでいるかどうかをポイントとして考えましょう。

さらに、親子双方の満足度を保つには、子供のモチベーションが重要なようです。「子供は親が喜ぶ顔を見ると嬉しいようです。ママは常に見ているよ、という思いを伝えていると、見守られているという気持ちが子供のモチベーションにつながるでしょう」と鈴木さん。習い事の体験をよいものにするには、親自身もお金をかけるだけではなく、しっかりと見守ることが大切なのですね。

基本的に「始めたら辞められない」と考え、吟味して決める

ピアノ教室 PIXTA

「習い事を決めるときには、基本的に辞められないと思ってじっくり考えましょう」と鈴木さんは語ります。あまり深く考えずに習い事を「なんとなく」で決めてしまうと、結果的に「なんとなく」続けることになるでしょう。

子供にどのような体験をさせたいのか、本当にお金をかけて習わせたいかをしっかり吟味して決めましょう。鈴木さんがおすすめする吟味の仕方は、無料体験を活用すること。習い事はまず無料体験をさせて、子供自身にもその習い事を続けたいかを聞いてみること。また、体験の様子を見て、楽しんでいるかをきちんと確認するとよいようです。

費用が高い教室が、良い習い教室とは限らない

また、同じジャンルの習い事でも費用はさまざま。例えば英会話では、企業が運営する6,000円かかる教室もあれば、地域の区民会館で行われている小さな英会話サークルなら3,000円で済む場合も。費用が高ければ良い能力が身につくわけではなく、子供によって向き、不向きがあるでしょう。1つの体験ですぐに決めず、考えることが大切です。また、たとえ安価でも、ピアノや英会話など、知り合いに講師をお願いすると辞めにくいもの。辞めにくい状況になることを考慮して決めましょう。

子供にとっても、ママが習い事についてしっかり考えて決めている様子を見ることは良い教育になると鈴木さんはいいます。お金の使い方についてよく考える姿勢は、ママがお手本になりたいものですね。

全体の教育費を考えて、満足度の高い選択を

スイミング PIXTA

鈴木さんによると、習い事は家計の予算では「教育費」の一部。子供が小さいうちには習い事と幼稚園代程度しかかかりませんが、子供が成長すれば、塾や予備校、大学など多くの教育費が必要になります。

子育て中の家計には、お金の「かけ時」「貯め時」が存在し、幼児や小学生の時期は基本的にはお金の「貯め時」だそう。未来の教育費を見据え、全体の教育費を用意することを熟考した上で習い事の選択をするとよいようです。

習い事は量より質。そして主役はなんといっても子供です。家計にとって無理のない予算の中で検討し、親子双方が満足できる習い事の選択ができると良いですね。

鈴木さや子さんプロフィール

1級ファイナンシャルプランニング技能士・CFP(R)・キャリアカウンセラー。家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けに、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。保険などの商品を一切販売しないFPとして活動中。

専門は教育費・保険・住宅ローン・マネー&キャリア教育、確定拠出年金。女性の心に寄り添う個人相談にも力を入れている。企業講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行う。中学生・小学生の母。

また、女性に特化して相談・講演を行う「みらい女性倶楽部」も運営。同団体での活動は、加入サポートや相談など主にiDeCoに関する情報発信をしている。

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