出産後の体は交通事故に遭った衝撃と同じ。大切なのはパパがママを1番に想うこと

妊娠中はママのお腹の中に赤ちゃんがいることで、ママは自分のを何かと気にかけていますが、出産後は痛みを伴うものの普通のに戻った、と思いやすいものです。しかし、これが大間違いなのです。取材した助産師の柴田さんは「出産後は交通事故の衝撃と同じくらいの損傷である」と説明してくださったのですが、出産後ママに何が起きているのでしょうか。詳しくお伺いしました。

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産後も変わらず家事育児…という現実

退院してから(生後7日)、抱っこ紐でスーパーに買い物もしてましたよ(^-^)/
普通に家事しなきゃいけないので、新生児は外出ちゃダメ!なんて、無理ですね(^_^;)
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普通にやってました(°_°)里帰りしなかったのもあり、また頼る人もこっちには居なかったので^^;
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産後も体のことを気にせずに、退院後から家事をやっていると言う声がいくつかありました。私は里帰りしましたが、子供が寝ている時に家事を行なっていたのを覚えています。

しかし、産後すぐに家事などの重労働を行なっても大丈夫なのでしょうか。

出産後、ママの体はこんな状態!

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  • 骨盤が大きく開いている
  • 約1ヶ月続く出血
  • おっぱいトラブル
  • 肌の乾燥
  • 抜け毛
  • 精神的に不安定

柴田さんによると、出産後の骨盤は開ききっていて、しっかりと締まるには約1ヶ月かかると言います。ところが、大きくなっていた子宮は赤ちゃんを産んだ後、ほぼ元の大きさまで戻ります。つまり、出産後に同じ姿勢を長い時間続けてしまうのは、骨盤を開いているまま小さくなった子宮の場所に、腸などの臓器が降りてくると言うのです。

骨盤に内臓の重さがかかると、開いたままの状態になりやすく、腰痛や肥満などの原因になります。また、骨盤と同時に子宮にも内臓の重さがかかってくるので、子宮が下がりやすく血流が悪くなることがあります。

また赤ちゃんを産んだ後、子宮内では大きな胎盤が剥がれている部分から出血しすることを悪露(おろ)と言い、長い人で約1ヶ月出血が続くことがあります。

母乳は少しずつですが、出産と同時に出始めます。赤ちゃんが吸ってくれることで徐々に出るようになってきます。ただ、赤ちゃんへの吸わせ方や、母乳を出す乳腺が細いと女性に多い体の冷えやすい人は詰まりやすく、乳腺炎になる恐れがあります。

肌荒れや抜け毛は、出産後に起きるホルモンの影響が大きいと言います。その他にも栄養不足が考えられるようですが、妊娠中また、出産後も授乳でたくさんの栄養を与えているため、ママはどうしても栄養不足になりがちです。

そして、出産後のママはかなり精神的に不安定な状態にあります。退院してからは極端に大人と話す時間が減ってしまします。話すこともなく、下を向いて赤ちゃんのお世話をしていると気が沈みにやすくなります。

出産後にママが気をつけるべきこと

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出産後のママの体の状態は、経験している本人でも気づけないほど様々なことが起こっているようです。そんなママが気をつけるべきこと、そして産後の過ごし方についても柴田さんにお伺いしました。

1.骨盤への負担を減らす

柔らかくなっている骨盤を歪ませないように、姿勢が重要になってきます。座っている時間や立っている時間が長いと、骨盤だけでなく、子宮や腰などに負担がかかってしまい危険です。

出産後はできるだけ、横になるようにと柴田さんは言います。寝る時はできるだけ仰向けか、うつ伏せの状態でまっすぐ寝るとよいでしょう。横向きで寝る姿勢が良い方は、上の足を布団や枕などで支えて、骨盤が捻じれないように注意しましょう。座っている際も、猫背になったり足を組んだりしないことが大切です。

また入院中、ベットがリクライニングになっている場合は、利用を避けた方が良いようです。出産後1週間から1ヶ月は、専用のさらしやベルドで固定することをおすすめします。

ただ、出産後1ヶ月以上ベルトなどを使用するのは、ママの筋力低下に繋がります。自分自身で姿勢を保ちにくくなり、骨盤が不自然な状態で固まってしまいますので、その後に生理痛などが重くなる可能性もあるようです。

2.授乳中の姿勢が腰痛の原因に

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柴田さんによると、出産後の腰痛は約8割が授乳中の姿勢に原因があると言います。赤ちゃんが飲みやすいように、おっぱいを差し出すような授乳の方法は、猫背になりがちで腰痛になりやすいです。

まずはママの姿勢を正して、授乳クッションやバスタオルなどを使用し、赤ちゃんの口の高さがおっぱいと同じ高さになるように固定してください。入院中に助産師さんから授乳姿勢を意識して見てもらうようにすると、退院しても意識してできるようになるでしょう。

日々、少しずつ意識することでお腹の筋肉が、骨盤をゆっくりと元の位置に戻してくれると言います。

3.母乳は気にせず頻繁に与える

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柴田さんは、母乳が出ているかどうかで悩むママが多いと言います。初めての育児であればなおさらではないでしょうか。生まれてすぐにたくさん出るわけではなく、母乳が一定量出るようになるには、産後から頻繁に飲ませてあげることが大切とのこと。

あまり出ていなくても、気にせずに吸わせることが良いようです。飲ませる回数が多いほど、母乳の分泌は多くなり、それと同時に子宮も収縮するので産後の回復が早くなります。

先ほど述べた出産後の出血、悪露は赤ちゃんにおっぱいを吸わせることで、子宮の収縮が強くなり回復が早まります。そのため、出産後は頻繁におっぱいを吸わせてあげることが子宮回復への早道でもあると言います。退院後におっぱいのトラブルが起きないように、入院中はおっぱいの吸わせ方を助産師さんに指導してもらうようにしましょう。

4.腹圧をかけない

出産後に骨盤が開き筋力が戻らない状態で腹圧をかけてしまうと、内臓の重みで子宮が下がり最悪の場合、子宮脱になることがあるようです。特に多いのが、上の子を抱っこしている人は注意が必要です。産後1ヶ月は重いものを持たないことが重要です。またお腹を曲げるような姿勢や、長くいきまないようにしましょう。

5.生後3週間を目途に筋力回復を意識

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出産後3週間から1ヶ月安静にしていると、筋力が低下しています。そのため、安静にしている間は横になった状態で足首を回す、足を持ち上げる、伸びをする、深呼吸をするなどして無理のない範囲で体を少しずつ動かすようにしましょう。出産後3週間経ったら、赤ちゃんを抱っこしている時に、足踏みや大股で歩くなどしていくと良いでしょう。

しかし、腹筋運動など腹圧がかかるような運動は、危険ですので行わないようにと言います。産後の運動は、1ヶ月健診などで先生に確認すると良いでしょう。

6.気負いせず赤ちゃんの心に寄せる

寝る PIXTA

産後、何もかもがうまくいかずに「こんなはずじゃなかった」と思うママもいるのではないでしょうか。しかし、赤ちゃんは思うようにならないもので、常に予想の上を超えていくことばかりが起きます。ママのペースで物事を考えてしまうと、イライラに繋がります。

どうして今泣いているのだろうか、今は気持ちが良いのかな、何が嫌だったんだろうか、など赤ちゃんの泣き方や表情を意識して見てあげるようにしてみてください。それを続けることで、日に日に赤ちゃんと意思疎通ができるようになってきます。そうすると、子育てが楽しいと思えるかもしれません。

パパが協力できることもある

出産後のママの体はボロボロと言っても良いかもしれません。そんな中、パパにできることはたくさんあります。柴田さんなりのアドバイスを聞いてみました。

1.産後1ヶ月は妻に家事をさせない覚悟

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パパは母乳を与える以外なんでもできます。産後3週間から1ヶ月は、ママに家事をさせない覚悟を持ってもらえるとよいでしょう。ママは出産後の体で家事をすると、前かがみの姿勢を多くとってしまい骨盤に負担がかかります。

パパには、週末は家事を中心に行い、平日のご飯もできるだけ自分で用意するようにして欲しいと柴田さんは話します。また、どう工夫するとママが家事をしないで済むのか、一緒に考えることも大切です。ママはつい無理をしてしまうので、体のことを考えてお互いが納得できる方法を探しましょう。

2.赤ちゃんの機嫌ではなく、ママに気遣う

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ママは出産後、赤ちゃん以外話し相手がいない状況で、また生後1ヶ月までは外に出ることも難しいです。この状況だけでも気が重いですが、赤ちゃんは想像以上に泣き、手を取られるにも関わらずママは自分の食事どころか、寝不足の状態で家事はままなりません。

パパが思っているよりも大変な状態にいます。まずはママの話を聞いてあげるように、と柴田さんは言います。手が空いた時には、今やって欲しいことはあるか、またママは今何をしたいか、聞いてあげるようにしましょう。できないことだとしても、話すことだけで問題ありません。

パパはママを1番に

夫婦 PIXTA

柴田さんは出産後は、交通事故で強打してしているのと同じ状態にあると言います。

出産は事故と違い自然の体の仕組みで起こるものであり、基本的には体に負担をかけずに過ごしているだけで、元の状態にゆっくりと戻ります。しかし、無理をすると症状は悪化してしまいます。出産後の3週間〜1ヶ月は気を負いせずに旦那さんや周りの手を借りるようにしてくださいね。

赤ちゃんのお世話しかできない状態になりますが、それで問題ありません。

出産後、ママは自分の体と赤ちゃんとの時間を、パパはママを1番に考えることが産後回復への近道になるでしょう。

<取材協力:助産師/セルフケア整体指導師 柴田星子先生>
日赤医療センター未熟児室助産師、福岡市立こども病院ICU看護師として勤務。
女性の身体を知るために整体を学んでいるときに妊娠。体を整えながらの妊娠生活が、以前流産した時と明らかに違って快適であることに衝撃を受け、産前産後の身体の使い方を伝える活動をしている。現在、2児の母。

助産師ほしこのセルフケア整体

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