取材協力:すばる舎リンケージ

興味関心を通じて友達作り!発達障がいの子供が友達と絆を深めるためにできること

発達障がいのある子供の中には、集団生活での関わりが苦手な子供がいますが、子供は得意なことを通して、友達を作って社会性を広げることができます。一方で、友達とうまく関われないこともあります。児童精神科医の佐々木正美さん監修のもと、臨床心理士の安倍陽子さんと幸田栄さんが執筆した『発達障害の子ものびのび暮らせる生活サポートブック 幼児編』をもとに、発達障がいのある子供が社会性を広げるためにママが協力できることをご紹介していきます。

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発達障がいのある子供にはどのような特徴があるの?

発達障がいのある子供には、得意なことと不得意なことが凸凹に発達する特徴があります。

発達障がいのある子供は大人のサポートが必要なことがあるため、できないことに目がいってしまいやすいのですが、子供の得意なことや興味関心があることを見つけて、伸ばしていくことが大切です。

子供の興味関心の対象は、子供によって様々です。発達障がいがある子供の場合は、興味関心の対象が狭いけれど深いことが多いのです。そのため、好きなことに没頭し、切り替えが困難になり、周りの状況に合わせられないことも多々あります。

しかし、別の見方をすれば、興味のあることには長時間集中できる長所を持っていることになります。得意なことや興味関心のあることに楽しみながら取り組むことは、子供の自信にもつながり、将来の生活にもつながっていきます。

興味関心を伸ばしていくと、将来ある分野で素晴らしい才能を開かせる場合もあり、子供の中には、大人になってから音楽家や画家、研究者など専門分野に進む人もいます。

得意を伸ばすことで、社会性が広がるきっかけになる

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幼稚園や保育園などで集団生活が始まる幼児期は、人との関係や協調性に焦点が置かれ、子供を集団に入れさえすれば社会性が伸びるのではないかと思われがちです。

発達障がいのある子供は、自分の興味関心のないものを集団で行うことができない可能性があります。しかし、子供の興味関心に合わせたものならば、同じ興味関心を持つ子供同士で楽しむことができ、社会性の広がりにつながっていきます。

一方で、集団生活や人との関わり方を覚えることが苦手なことが多々あります。せっかく、共通点を通じて社会性を広げるチャンスを得ても、基本的な人との関わり方を覚えていないと、社会性が広がりづらくなってしまいます。

友達を作って社会性を広げるためにも、遊び方と人との関わり方を教えてあげることが大切です。

発達障がいのある子供が、スムーズに社会性を広げるためにママができること

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集団生活の増える幼児期から、子供が社会性を身につけていくことが大切です。子供が友達と遊んだり、一緒に活動したりして社会性を広げるために、遊びの基本的な技術や集団生活での友達との関わり方を覚えておく必要があります。

子供が人との関わり方を覚えるために、ママがサポートできることをご紹介していきます。

まずは、遊びを覚えることから始めましょう

子供の遊びは、友達との関係性を築くために大切なものです。発達障がいのある子供は、うまく遊ぶことができないこともあるので、まずは大人がサポートして子供が遊びを楽しめるようにしてあげましょう。

集中しすぎて遊びを終われない場合

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終わりまでの手順を教えてあげることが大切です。同じ流れを繰り返し行うことで、子供自身が終わりの見通しを持てるようになり、遊びからの気持ちの切り替えを促すことができます。

例えば、片付けの場面で決まった歌を歌ったり、音楽を流したり、タイマーや時計を使ったりすることで、気持ちを切り替えやすくなる子供もいます。

遊びを終わった後に片付けができない場合

遊び終わったおもちゃは、その都度片付けることを習慣にしましょう。

おもちゃをどこに片付ければいいのかわかりやすくするために、箱やカゴを用意し、どの箱やカゴに何を入れるのか、ラベルを貼ってわかりやすくすることが大切です。おもちゃと片付け場所を一対一で対応させていきましょう。

また、たくさんおもちゃを出してしまうと、結局片付けられず、いつも大人が片付けざるを得ないということにもなります。そんな場合には、家族が初めからおもちゃを選択して出しておき、遊ぶおもちゃを限定すると良いでしょう。

自分の物と他人の物を区別できない場合

その場に出ているおもちゃを全て独占してしまうと、友達と一緒に遊ぶことはできません。そのおもちゃは誰が使っているものなのか、子供たちにわかりやすい環境を整えましょう。

また、一つのおもちゃを友達と共有して遊べない場合は、順番を待つことや人とのやりとりを教えていきましょう。順番は、視覚的な工夫をすることで、子供もわかりやすくなります。例えば、順番が回ってきた子供にはワッペンをつけるなどの工夫があります。

コミュニケーションを通じて、社会性を広げられるようにしましょう

遊びを覚えるだけでは、社会性を広げることは難しいです。発達障がいのある子供の中には、集団生活や友達との関わりが苦手なことがあります。友達と良い関係性を築くためにも、言葉遣いや思いやりが大切です。

子供が良い言葉や思いやりを覚えるために、ママがサポートできる方法をご紹介します。

友達への声がけがわからない

上の写真は、おやつの時間の中で、おやつを友達の分まで持ってきて配るなどの練習をしている様子です。絵を見せながら、吹き出しにどのような言葉を入れると良いのか伝えていきましょう。

また、やりとりの中でどのような言葉を使うのかも考える必要があります。友達が傷つかないような言い方を学ぶことは、とても大切なことです。断る時には「いりません。でも、ありがとう。」、友達がうまくできなかった時には「ざんねん。次、がんばってね。」などの声がけができると、よりグループ活動も円滑になります。

誰がどのような言葉をかければ良いのか、イラストなどを使って子供と一緒に考えて、身につけていきましょう。

人の気持ちや、場の状況の理解が難しい

上の写真は、友達とおままごとをしている時に「あんたはチビだから、赤ちゃんの役をやりなさい」と言ってしまった子供のために作ったプリントです。

友達の気持ちや周囲の状況を伝えるためのもので、「〜しません」という否定的な言い回しではなく、肯定的な言い回しを記しています。

言われると嬉しいことと言われて嫌なことを、子供と一緒に考えて書いていくことで、具体的に言っていいこと、ダメなことを伝えることができます。

すぐに暴言を吐いてしまう

暴言の理由を受け止めて、社会的な状況を視覚的に示しながら、上の写真のように「良い表現の仕方」を伝えていきましょう。

写真の場合は、注目してもらいたい時や、自分のお話を聞いてもらいたい時に「きらい!」と言っていたので、それに対して「おはなしきいてよ」という表現の仕方を教えています。

子供が抱いた感情を、友達に間違って伝わらないような「良い表現」を覚えられるようにサポートしてあげましょう。

得意を生かして子供の社会性を広げよう!

発達障がいのある子供は、集団生活に対して苦手意識を持っていると思いがちですが、似たような興味関心のある子供とは一緒に遊びなどを楽しむことができ、社会性を広げるきっかけとなります。

一方で、発達障がいのある子供が遊びや人との関わり方を覚えるためには、大人のサポートが必要になることが多々あります。今回ご紹介したような方法でサポートしてあげながら、子供の成長を見守ってあげましょう。

『発達障害の子ものびのび暮らせる生活サポートブック 幼児編』という本では、発達障がいのある子供の特徴や、生活の中で大人ができるサポートの方法が丁寧に紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。

本で紹介されている内容をもとに、子供のできることが一つずつ増えて、家族で一緒に成長を実感できるようになると良いですね。

発達障害の子ものびのび暮らせる生活サポートブック 幼児編

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