マタハラは違法行為!赤ちゃんと自分を守るため知っておきたいマタハラの定義

妊娠、出産、育児休業などの利用に対する嫌がらせ、マタニティハラスメント。セクハラ、パワハラ、モラハラときて、最近ではこの「マタハラ」も浸透しつつある気がします。しかし、現状はどうなのか。マタハラは減っているのでしょうか?理解はどの程度すすんでいる?言葉の存在でその問題が浮き彫りになりつつある今でも、企業のマタハラ対策はまだまだ不十分なようです。マタハラは立派な犯罪。妊婦と子供の命を守り、妊娠中・出産後も安心して働ける就業環境を作ることが企業の急務ではないでしょうか。

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不十分なマタハラ対策

皆さんは、職場でのマタハラ対策について考えたことはありますか?実際マタハラ被害にあっていなくとも、妊娠・出産を機に仕事との関わり方やマタハラについて意識した方も多いのではないでしょうか。

平成29年1月1日に男女雇用機会均等法が改正され、マタニティハラスメントに関する条文が加わりました。これまでも、事業主が行う妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取扱い(解雇や減給、契約を更新しない等)は禁止されてきましたが、これに加え、妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策を事業主が講ずることを義務化したのです。

つまり、マタハラを禁止するだけでなく、事業所自ら未然にマタハラを防ぐよう対策する義務が生じたのです。また、万が一起こってしまった時の適切な対応も義務化されました。

しかし、この1月の改正から3ヶ月間で厚生労働省が調査した結果、全国にある840の事業所が「対策不十分」として労働局から是正指導されていたそうです。

マタハラに関して厚生労働省はこれまで、是正勧告に従わない企業名を公表するなどの厳しい措置をとってきました。法律違反だからです。840という数値を多いととらえるか、少ないと捉えるかは人それぞれ。しかし、これほど多くの環境がマタハラが起きる可能性をはらんでいるのです。

妊娠・出産をしても仕事を続ける女性が増えた今、働く人や企業、社会が自分ごととして受け入れなければならない問題。妊娠・出産後の生活は、ただでさえ不安や困難がつきものです。それに加えて嫌がらせを受け、悲しい思いを抱えたり、泣き寝入りをしたりする女性が増えるのは同じ女性、社会人としてとても許せない問題だと思っています。

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「これってマタハラ?」寄せられた事例

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ひと口にマタハラと言っても、その程度や問題の大きさはさまざま。する側・される側の価値観によっても左右されるものだと思います。不快な思いをしているけれど「これってマタハラなの?」と考え、もんもんとしたことのある方もいるでしょう。

マタハラについて悩んでいます。

今日で13w2d、まだまだつわりが終わる気配はありませんが、毎日がんばって仕事に行っています。つわりは5w頃にはじまったのですが、最初は初めてのことで我慢できず、よく仕事を休んでいました。しかし今月はどんなに体調が悪くても休まずに仕事に行っていました。
そのことを今日になって掘り返され、「急に仕事休まれると困るんだけど」「私に迷惑かけてることわかってる?」などと言われました。他の方に言われならわかりますが、その人に迷惑かけてるつもりはありません…
また、他の人にはお腹に手を当てて「大きくなるなよ〜、出てくるなよ〜」などと言われました…

どう言葉を返して良いかわからないためあまり反論できず、ショックを受けて怒ったり泣いたりしています。お腹の子どもに悪影響がありそうで怖いです(´・_・`)
どう対応したら良いでしょうか?
明日全然仕事に行きたくありません(*_*)
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つわりで休んでいたことに対し、同僚から心ない言葉を掛けられたという妊婦さん。働く意欲に影響することはもちろん、怒ったり泣いたりの精神状態がお腹の子供に響かないかどうか、心配されています。

これってマタハラでしょうか?
私が結婚する2ヶ月前にデキ婚した先輩がいました。私が女上司に結婚報告するとデキ婚の先輩が育休明けるまで子どもは作らないで欲しいと言われました。私は年齢的に待てる歳でもないですし母も姉も妊娠し辛かったので早く妊活したいと伝えました。それでも妊娠は待ってくれると嬉しいと言われました。私は納得いかなかったし早く妊活も始めたかったので結婚後すぐに妊活開始…予想外にもすぐに授かることができました。
それを女上司に報告すると「子ども作らないでって言ったよね!」と言われその後の対応は私を避けるように…そのまま私は産休に入ることになりました。この事が未だに腑に落ちず復職してもやっていけるのか不安です。因みに女上司は未婚で仕事一筋の方です。
妊娠中は迷惑をかけてしまったので、できれば育休中に二人目も授かりたいと思ってますが、また何か言われるのじゃいかと、、この事が頭をよぎります。
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口コミには「これはマタハラですか?」と、その嫌がらせ内容がマタハラに該当するかどうか判断できないという声が多かったように感じます。この方のように、授かり婚をした他の同僚を引き合いに出し「子供を作らないで欲しい」と言われるのはマタハラに該当するのでしょうか。

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マタハラで退職された方っていますか?
私は、管理職(店舗責任者)の仕事をしていて妊娠を報告した時に産前産後の予定を聞かれました。私は産後すぐに職場復帰する考えでいましたが、会社的には責任者が3ケ月以上不在になるのは困るから新しい責任者の募集をする。復帰はその時の状況でと言われました!復帰の時期が来た時に責任者の席が空いてればこれまで通り責任者が続けられるけど、責任者の席が空いていなければ降格で他スタッフと同じ業務。役職もなくなる。
嫌なら退職するしかない。
自主退職に導かれて辞める。
これって立派なマタハラですよね?
男女雇用機会均等法によると上記の内容は違法です!たったの6年の勤務ですが、辞めるにしても会社の思い通り辞めるのはこれまでハードスケジュールや売上管理やお局達との人間関係や頑張ってやってきたのを考えると悔しくてなりません!
こういぅ場合、どこに何を言えばいぃのでささょうか??労働基準監督署とかですか?
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復職時の状況によって役職を外されると会社から言われたというこの方。責任者が長期不在になる会社の不都合も分からなくはありませんが、退職に導かれるという事実があれば、それはマタハラの可能性もあるのではないでしょうか。

マタハラの4つのタイプ

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マタハラ問題や働き方を考える「マタハラNet」では、寄せられた相談内容をもとにマタハラを4つの類型にまとめています。妊婦さんやその周りが職場で「これってマタハラ?」と思ったらまず、こちらに照らし合わせてみると分かりやすいかもしれません。

【タイプ1】昭和の価値観押し付け型

女性は妊娠・出産を機に家庭に入るべき、家庭を優先すべき、それが幸せである、というような、性別役割分業が根本にあるマタハラのタイプ。例えば、「子供のことを第一に考えないとダメだろう」「君の体を心配して言っているんだ」「旦那さんの収入があるからいいじゃない」という問いかけとともに、「だから辞めたら」と続けば完全なるマタハラです。

妊娠中だけでなくたとえ職場復帰しても、残業させるのはかわいそう、肉体的・精神的に厳しい仕事をさせるのは気の毒など、女性側の意思を無視して仕事から外してしまうパターンもあります。

昭和の価値観押し付け型は、誤った価値観から悪意なく起こってしまうマタハラのため、非常にやっかいな存在だといえます。

【タイプ2】いじめ型

口コミでも出ていた、「迷惑なんだけど」「休めていいよね」など、妊娠・出産で休んだ分の業務をカバーさせられる同僚の怒りの矛先が、妊娠や育児中の女性に向かってしまうケースです。身近に起こりうるマタハラと言えそうです。このタイプは不公平感から生まれるマタハラで、本来ならマネジメントや会社組織に向かうべきもの。

中小企業では一時的な人員の補てんが難しい場合もあり、残った社員へしわ寄せがいってしまいます。マタハラnetでは、このタイプのマタハラの解決には、フォローする上司、同僚の評価制度の改善や、カバー分の対価の見直し、また結婚・妊娠の選択をしない人にも長期の休暇が取れる制度の導入など、妊娠した女性のみならず、組織全体に対する救済措置が必要だとしています。

【タイプ3】パワハラ型

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日本には、長時間労働を評価する労働文化が残っています。しかし出産して生活に育児が加わると、長時間労働が難しいことがほとんど。長時間働けない社員に、それを強制することがパワハラ型のマタハラです。

「妊婦でも特別扱いはしない」、「時短勤務なんてありえない」など産休・育休・時短制度があるにもかかわらず、利用することをよしない職場の風土が影響したタイプのマタハラです。

【タイプ4】追い出し型

タイプ3とは逆に、長時間働けなくなった社員を職場から排除する追い出し型のマタハラです。「子供ができたら辞めてもらう」、「残業できないのは迷惑だ」など。もっとひどいケースだと、「産休・育休制度など、うちの会社にはない」と言い張っている会社も。

日本の企業では、いまだ誰ひとり産休・育休を取得したことがなく、妊娠したら辞めさせられるという会社が数多く存在するのです。これらの行為は明らかに違法であるのですが、マタハラ被害の多くがこの「追い出し型」だそうで泣き寝入りする女性が多いそうです。

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何がマタハラにあたるのか?

法律 PIXTA

マタハラの事例やおおまかなタイプをみてきましたが、次に具体的にはどのようなことがマタハラにあたるのかみてみましょう。

1.契約内容

妊娠・出産・育児を理由とした解雇や降格、給与や賞与の減給、また有期雇用の社員について、契約更新しないなどと言及することもマタハラに該当します。また、パートなどに雇用形態の変更を強要するのも禁止です。

2.職場環境

妊娠・出産・育児を理由に、不利益な自宅待機・配置変更・評価をするなどを禁止しています。上司・同僚の言動により就業環境を害することもマタハラに該当します。

3.制度の利用

産前、産後休業、条件を満たした育児休業や時短勤務制度を利用させない、そのような言動をすることもまた禁止です。産前においては、つわりなどの体調面から簡単な業務への転換などを希望することや残業免除を請求することも可能で、これらの利用に制限をかける行為もマタハラにあたります。

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マタハラは立派な違法行為!

上司 PIXTA

マタハラの実例をみていると、大なり小なりこのような違法行為の数々がまかり通っていることに、ひとりの社会人として、母親として腹が立って仕方ありません。考えてみると、私の友人の中には会社に産・育休の実績がないことを告げられ、不本意な退職をした人が何人もいます。残念ながら当時は今ほどにマタハラが問題視されておらず、彼女たちも「そんなものなのだ」と声をあげなかったのかもしれません。しかし、これもマタハラの一種です。

妊娠出産はとてもパワーのいるもので、できればそのエネルギーをマタハラには使いたくありません。マタハラを受けた多くの女性が泣き寝入りしてしまっているという現実は、本当に悲しいもの。

ハラスメントとは本来「嫌がらせ」を示す言葉ですが、本人がそのように感じるのであれば単なる嫌がらせにとどまらず、立派な違法行為です。労働の権利や労働で築かれるであろう個人の財産をも奪いかねません。違法ですから、厚生労働省も近年ではマタハラ企業の実名を公開したり、罰金を課したりするなど厳しい措置をとっています。

しかし、企業が女性のライフスタイルの変化を受け入れ、活用しやすくするには、企業努力だけでなく国の支援が必要なのではないかと思います。また、女性側も積極的にマタハラについて理解し、自己防衛する武器を身につける必要があるとも感じました。

産休・育休や時短勤務制度を何のためらいもなく利用でき、妊娠しても出産していても、安心して働ける労働環境が近い将来に実現することを願って。

「妊婦」「マタニティハラスメント」「職場」 についてもっと詳しく知る

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