監修:齋木啓子 先生

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)とは?感染経路や症状、予防接種

おたふく風邪とは、ムンプスウイルスの感染により起こる病気です。正式名称を「流行性耳下腺炎」と呼び、主に幼稚園や保育園、小学校などで流行します。感染しても軽症ですむ場合が多いですが、まれに重篤な合併症を引き起こすことがあります。この記事では、おたふく風邪の原因や症状、予防接種についてご紹介します。

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おたふく風邪(流行性耳下腺炎)とは

おたふく風邪とは、ムンプスウイルスによる全身感染症で、正式名称を「流行性耳下腺炎」と言います。感染する年齢は特に3~6歳が多く、一般的に小児がかかる病気として知られていますが、大人も感染することがあり注意が必要です。

通常は1~2週間で治ることが多いですが、稀に重い合併症を引き起こすこともあります。

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妊婦はおたふく風邪になりやすい?

おたふく風邪は子供が多くかかる病気ですが、成人がかかる可能性も少なからずあります。とはいえ、妊婦だから特別にかかりやすいということはありませんので過剰に心配する必要はないでしょう。

仮に妊娠中におたふく風邪にかかったとしても、胎児が奇形になる可能性は低いとされています。しかし、妊娠初期に感染することで流産の危険性が高まるといわれており、妊娠を望む場合は抗体の有無を確認することをおすすめします。接種後2ヶ月間は妊娠を避ける必要があるため、早めに予防接種をしておきましょう。

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おたふく風邪の原因と感染経路

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おたふく風邪は、ムンプスウイルスという病原体によって起こります。感染経路は、飛沫感染、または接触感染です。ムンプスウイルスの潜伏期間は2~3週間程度で、耳下腺が腫れる6日前〜9日後までは感染源となり得ます。

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おたふく風邪の症状

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おたふく風邪の症状は感染した子供全員にあらわれるというわけではなく、全体の約3割の子供はおたふく風邪に感染しても症状が現れないと言われています。

ウイルスの潜伏期間を経て、突然の発熱、また、両側あるいは片側の耳の下の腫れと痛みが起こります。この症状は1〜2週間でおさまるようです。

おたふく風邪の合併症

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おたふく風邪は、他の感染症に比べて引き起こす可能性のある合併症が多くあります。主な合併症は下記の通りです。

  • 無菌性髄膜炎
  • 脳炎
  • 難聴
  • 睾丸炎・卵巣炎(思春期以降)

最も頻度が高い合併症が無菌性髄膜炎で、おたふく風邪の罹患者のうち1~10%の割合で起こります。これを発症すると、発熱の症状が再燃します。一方、脳炎の頻度は1%未満と低いものの、髄膜炎が一般的に予後良好で後遺症なく軽快するのに対して、こちらは後遺症につながる可能性があります。

おたふく風邪によって引き起こされる難聴は、ムンプス難聴とも呼ばれ、国内では罹患者の0.1%が発症するといわれています。

思春期以降におたふく風邪にかかると、男性では睾丸炎、女性では卵巣炎を引き起こすことがあります。睾丸炎は20〜40%、卵巣炎は5%の頻度で発症するといわれています。

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おたふく風邪の治療と予防接種

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おたふく風邪の治療は、対症療法です。発熱や痛みに対しては解熱鎮痛剤の投与などの処置をします。基本的には元気になるまで安静にしてもらうしか方法はありません。腫れた部分を冷やし、のど越しがよく食べやすいものを与えるなどの工夫をしましょう。また、脱水を防ぐためにこまめに水分補給をさせることも重要です。

おたふく風邪自体は安静にしていれば治まる病気ですが、すでに説明したように重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、予防接種を受けることが大切です。

ワクチンを接種した人の90%前後の人に抗体ができるといわれています。日本では、任意接種のため費用が自己負担ですが、2回接種が推奨されています。1歳から接種することができるため、忘れずに受けるようにしましょう。

ムンプスワクチンの副反応

ワクチンの副反応として多いのは、耳の下の腫れと微熱で、接種後2週間前後にみられます。まれに無菌性髄膜炎を発症することもありますが、数千人に一人の割合です。

妊娠中にワクチンを接種しても良い?

妊娠中は、ワクチンの接種ができません。妊娠初期に感染した場合でも胎児が奇形を生じる可能性は低いですが、流産率が上がるといわれています。そのため、妊娠を望む場合は早めに抗体の有無を確認しましょう。

ワクチン接種後は少なくとも2ヶ月は避妊が必要ですので、抗体を持っていなければ早めに予防接種をする必要があります。

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保育園や学校はどうする?

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おたふく風邪の原因であるムンプスウイルスは、唾液などの飛沫によって感染し、潜伏期間が2~3週間ととても長いです。さらに、感染していても症状が出ない場合もあるため、感染した時期や感染源を特定する事は困難です。

感染した場合は、幼稚園や保育園、小学校において出席停止の措置が取られます。学校保健安全法により、耳下腺、顎下腺又は舌下線の腫れが出てから5日を経過し、全身状態が良好になるまで出席停止と定められています。

本人がおたふく風邪になっていなくても、一緒に住んでいる家族が感染している場合は医師の判断により出席停止となる場合もあります。園や学校によっては「登園/登校許可証」が必要となる事がありますので、注意してください。

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感染防止の徹底、そして必ず受診を

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おたふく風邪は、感染力が強く、重篤な合併症を引き起こす可能性のある病気です。治療薬がなく、症状が出ても対症療法しかできません。

そのため、お子さんにつらい思いをさせないために予防接種を受けさせることをおすすめします。任意接種のため費用がかかりますが、お子さんが合併症にかかる可能性を考えると高くはないのではないでしょうか。

記事の監修

ふれあいファミリークリニック 院長

齋木啓子 先生

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