同居ではなく「近居」が増加!国や自治体からの近居支援も

子育てをしていると「近くに親がいてくれたらな…」と思うこと、ありませんか?特に、周りに頼れる人がいない、共働き家族である、そんなとき親が近くにいてサポートをしてくれたら心強いですよね。また、親や家族が近くにいることの安心感は、東日本大震災などの災害を通じて感じることも多いでしょう。近年、親世代と子世代の「近居」が増えています。国や各自治体も、親世代との同居や近居支援する取り組みを積極的に行っているようです。

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親世代と子世代の「近居」が増えている!

子育て世代にとって、親が近くにいてくれることのメリットは大小さまざま。共働き家庭が増えているなか、祖父母が保育園への送迎を手伝ってくれたり、子供をみてくれたりといったサポートはありがたいですよね。親に何かあったとき、すぐ駆けつけられるといった安心感もあります。

また親世代にとっても、子や孫の家と行き来しやすく、病気などの際には世話をしてもらいやすいなどのメリットが考えられるでしょう。

国土交通省が平成25年、住宅・土地統計調査の調査対象世帯のうちの普通世帯から無作為に抽出した85,302人に行った調査データをみてみましょう。調査によると「最近 5 年間に実施した住み替えの主な目的」として「親、子などとの同居・隣居・近居」を挙げた人の割合が増加傾向に。そのうち、同居や近居を東日本大震災前後である、2008年~2013年の間に実施した割合は10.6%と、その前の過去5年の5.3%と比べ倍増しています。

子育てや介護サポート目的だけでなく、災害など緊急時の対応や備えとして同居や近居を始めた人が増えたことが読み取れます。

「同居」より「近居」がトレンド

また、内閣府が平成25年、全国 20 歳~79 歳の男女3,000 人 に行った 「家族と地域における子育てに関する意識調査」によると、「理想の家族の住まい方」として、全体の31.8%が「親・子供・祖父母との(三世代)近居」、20.6%が「親・子供・祖父母との(三世代)同居」と回答しています。

この調査では同居や近居などで親の近くに住むことを検討している人々が半数を占めますが、「近居」というスタイルが世の中の主流になってきていることがうかがえます。

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近居することのメリット

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「親の近くには住みたいけれど、同居はちょっと…」そんな人が近居というスタイルを選ぶ気持ち、何となく共感できますよね。実際近居にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

孫と一緒に過ごす時間が増えることで、祖父母の活力になることもあるでしょう。また、孫にとっては、祖父母を大切にする気持ちや、親や学校の先生以外の大人とのかかわりを持つ貴重な機会になります。

さらに調査データに基き、子育て世代が自分の親(子供からみた祖父母)と近居する「三世代同居」についてみていきたましょう。

ほどよい距離感が保てる

野村不動産アーバンネットが2015年、親と同居・近居している 30~49 歳の男女 125 名、子と同居・近居している 50~69 歳の男女 125 名、計 500 名行った調査では「現在近居をしている人がなぜ同居を選択しなかったか」その理由で最も多かったのは「プライベートを保ちたいから」で 63.8%だったそうです。

住居が離れている物理的な距離感に加え「お互いに助け合いながら、深く干渉しないちょうどよい距離」、「お互いに好きに過ごせている」と、心理面でもほどよく距離感をもって接することができるというメリットを挙げています。

近くに住んでいる安心感がある

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東日本大震災の発生時期と重なって同居・近居が増えていることからも分かるように、家族が近くにいるという安心感を得られるのもはメリットのひとつ。災害などの緊急時にも、近くに家族が住んでいれば安否確認がよりスムーズに。

また、近居を選択した人が住居形態を選ぶ際に妥協できないポイントとして半数以上が「親の様子が心配」という点を挙げています。緊急時以外にも、親が高齢であるなど、近居で家族の様子を都度確認し、いざというときにかけつけられることで安心感が持てますね。

子育てサポートが受けやすくなる

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旭化成ホームズが2016年、親に自宅で家事・育児サポートを受けている共働き家庭300件に行った調査では、近居を選んだ最大の理由を「親による子育てサポートが得られる」としている人が最多。共働き家庭が増える中、「子供が急に発熱した」などの緊急時に親が近くに住んでいれば、頼ることもできそうです。

ほかにも、子供を預ける、世話を頼む、食事を用意するなど子育てにまつわる日常的なサポートは多岐にわたりそうです。

共働きが可能で収入UPが見込める

旭化成ホームズの同調査によると、フルタイム共働き子育て家族の約7割が親と近居であることが分かっています。子育てサポートを親(祖父母)が担うことができれば、共働きが可能となり、結果世帯収入を増やすことも期待できるでしょう。

親世代から住宅資金協力が得やすくなる

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既出の旭化成ホームズが行った調査では、親からの「住宅取得資金や土地の援助」について、住む場所が親の家に近いほど援助を受けた割合が高いことがわかりました。親孝行という観点からも、近居は住宅取得資金の協力を得やすいというメリットがあるようです。

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近居支援とは?各自治体で助成の動きも

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少子化対策、子育て支援として近年国や自治体が「近居支援」をする動きも始まっています。支援内容や助成の金額はさまざまですが、全国各地で行われているようです。

  • 東京都品川区(親元近居支援事業<三世代すまいるポイント>)
  • 広島県広島市(三世代同居・近居支援事業)
  • 石川県(石川県三世代ファミリー同居・近居促進事業)
  • 兵庫県神戸市(神戸市親・子世帯の近居・同居住み替え助成事業)

また公的な機関では、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が「近居割」を拡充しています。従来はUR賃貸住宅の団地内や団地間の近居のみが対象でしたが、UR賃貸住宅以外の住宅が近居でも家賃の割引対象となる「近居割ワイド」も実施されはじめました。

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ちょうどよい距離感で暮らせる家族のかたち

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子育てで感じる不安や孤独、負担は、ときに親や他の家族と分かち合うことで取り除かれ、軽くなることがありますよね。

近年、国や自治体も積極的に支援しているこの「近居」は子育て世代だけでなく、祖父母も、子供たちもみんなをハッピーにする素敵な住まいのかたちであるように感じます。同居ではなかなか得るのが難しい、プライベートの確保もできて、ほどよい距離感がちょうどいいライフスタイル。

現在親と離れて暮らしているママ、親の近くに住もうか検討中のママは、一度親元の自治体が助成などをしているかどうか調べてみるとよいかもしれませんね。

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