強制的にお金が貯まる「財形貯蓄」とは?メリットとデメリット

子供が生まれて家族が増えると、教育費やマイホーム購入資金など、将来必要になるお金のことが気になるもの。たとえ毎月の積立金額が少なかったとしても、長い期間積み立てればそれだけ金額は大きくなります。うまく貯蓄ができない、簡単な方法が見つからないという人にぴったりなのが、「先取り貯蓄」の王道といえる「財形貯蓄」。もし使える環境にいるのなら使わない手はありません。この財形貯蓄の仕組みや始め方について教えます。

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確実にお金を貯めたいなら「先取り貯蓄」を

普段から、無駄なお金は使わないように気をつけているものの、どうしてもお金が貯まらないという人は、毎月の収入から先取りで貯蓄をするのが有効です。目安の金額は、月収の10~20%。ボーナスなら20~40%です。

「出て行くお金がたくさんあって無理!」という人もいるでしょう。しかし、お金が余ったらその分を貯蓄に回すという発想を変えない限り、いつまでたってもお金は貯まっていきません。

まずは、毎月の収入から強制的に「先取り貯蓄」をして、残ったお金で生活していく習慣を身に着けていくことを心がけることが大切です。

先取り貯蓄の王道「財形貯蓄制度」とは

財形貯蓄制度のお金の流れ 執筆者作成

お給料から先取りで貯蓄をするもっとも簡単な方法は「給与天引き」です。

自動的に積み立てる方法としては、銀行の自動積立(自動積立定期預金)がありますが、そのほかにも意外と知られていない制度があります。それが、会社が給与口座へ給料を入金する前に貯蓄分を差し引いてくれる「財形貯蓄制度」です。

この制度を使えば、つい使い込んでしまうこともなく、強制的かつ自然にお金が貯まります。

  • 対象となる人:民間会社の会社員(事業主に雇用されるもの)、公務員(※)
  • 申請先:職場の総務部・福利厚生担当者など
  • 申請期限:会社によって異なる。職場の総務部・福利厚生担当者などに確認を

(※)条件を満たせば派遣社員・パートタイマー・アルバイトも加入可能

財形貯蓄制度には3種類ある

財形貯蓄制度には次の3種類があり、申し込む際にいずれかを選ぶ必要があります。

  • 一般財形貯蓄
  • 財形住宅貯蓄
  • 財形年金貯蓄

一般財形貯蓄

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貯めたお金の用途に制限がないタイプです。車の購入や家族旅行の資金など、使いみちを自分で決めることができますが、利息に対して約20%の税金(源泉分離課税+復興特別所得税)がかかります。

積立期間は3年以上で、複数契約することも可能です。

財形住宅貯蓄

マイホーム PIXTA

貯めたお金はマイホーム購入やリフォームなど、住宅に関わる用途に限ります。

積立期間は原則5年以上。資金の使いみちが限定されますが、利息などに対する非課税措置があります。

財形年金貯蓄

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「年金」という名前からもわかるように、貯めたお金は60歳以降に受け取ることになります。積立期間は原則5年以上。1人1契約のみです。

目的と時期が限定されますが、「財形住宅貯蓄」と同じく利息などが非課税になるメリットがあります。ただし、非課税になる金額に限度があり、「財形住宅貯蓄」と「財形年金貯蓄」をあわせて元利合計550万円(※)までです。

また、「財形住宅貯蓄」と「財形年金貯蓄」は、目的外で引き出すと5年さかのぼって利息が課税されてしまうので、注意が必要です。

(※)「財形年金貯蓄」のうち保険型の場合は払い込みベースで385万円まで

財形貯蓄制度ならではのメリット

財形貯蓄制度には、ほかの積み立て方法にはないメリットがあります。ここではその代表的なものをご紹介します。

給与天引きで自然にお金が貯まる

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毎月のお給料やボーナスが給与口座に振り込まれる前に、自動的に天引きされるので、勝手にお金が貯まっていきます。

また、引き出す時には会社での手続きが必要となり、やや手間がかかります。この「引き出しにくい」点も、手をつけずに貯めておける理由です。

貯蓄の使いみちが決まっている場合は、利息が非課税

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金融機関で自動積立をした場合、利息に対して約20%の税金がかかります。

一方、財形貯蓄では、「一般財形貯蓄」は同様に約20%の税金がかかりますが、「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」だとこの税金がかかりません。マイホーム購入資金のために貯蓄がしたいなど、使う目的が決まっているならこの制度を利用するとお得といえます。

会社の「利子補給制度」を受けられる場合も

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会社に利子補給制度があると、通常の金融機関などの預金より若干高めの金利が適用される場合があります。この制度は、会社によって内容が違うため、総務部や福利厚生担当者に確認してください。

マイホーム購入資金の融資を受けることも可能

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「1年以上貯蓄を続けている」「お金を借りる時点で残高が50万円以上」などの条件を満たしていれば、「財形持家転貸融資制度」を利用することができます。

この制度で融資を受けられる金額は、財形貯蓄残高の10倍相当額(最高4000万円)、購入資金の90%相当額まで。金利は5年固定金利で、年0.71%(2017年7月1日より、5年固定制)です。

「財形住宅貯蓄」で頭金を準備して、残金についてはこの制度を利用してローンを組むのもいいでしょう。

財形貯蓄制度を使った貯蓄プラン3つ

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実際に毎月どのくらい貯蓄しておけば、何年後にいくら貯まるのか。3つのケースを挙げてみます。

月1万円からスタート。コツコツ貯めて100万円達成

一般財形貯蓄で毎月1万円、ボーナス時に1回11万円ずつ積み立てれば、1年で34万円に。これを3年間続ければ、計102万円貯められます。

  • 給与天引き:1万円×12ヶ月=12万円
  • ボーナス時:11万円×年2回=22万円
  • 3年間の合計:34万円✕3年=102万円

ボーナスなしで100万円を目指すなら積立額をアップ

ボーナスがない人は、毎月の金額をもう少し増やし、貯蓄にあてる期間も、上のケースより1年間長く設定します。それでも4年後は100万円近くの積立額になります。こちらのケースも一般財形貯蓄で積み立てるイメージです。

  • 給与天引き:2万円✕12ヶ月=24万円
  • 4年間の合計:24万円✕4年=96万円

5年後にマイホーム購入の頭金として450万円貯める

住宅財形貯蓄を使い、毎月の金額を大幅にアップして住宅購入の頭金を貯める方法もあります。550万円以下の貯蓄金額なら利息等に税金はかかりませんし、住宅購入のためなら非課税で払い出しすることができるのもメリットです。

  • 給与天引き:5万円×12ヶ月=60万円
  • ボーナス時:15万円✕年2回=30万円
  • 5年間の合計:90万円×5年=450万円

無理のない金額から始めてみよう

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財形貯蓄制度は、自分が勤めている会社に手続きをするだけで、手軽に始められる積立制度です。いったん手続きをしてしまえば、自然とお金が貯まっていく楽ちんさも魅力です。

ただし、会社によっては財形貯蓄制度を導入していないこともあるため、まずは会社の総務部・福利厚生担当に確認をしましょう。

財形貯蓄制度に限らず、積み立ては少額でもコツコツ長く続けていくことが大切です。貯蓄に慣れないうちから大きな金額で始めると、続けていくこと自体が難しくなってしまいます。はじめのうちは無理のない金額で、慣れてきたら少しずつ金額を増やすようにしてください。

出典元:

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