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“今、この時だけの姿に注目。”写真家・中川正子さんが教える、うちの子の写真を上手に撮るコツ。

写真家・中川正子さんに、こどもをかわいく撮るコツを伺う連載の最終回。決定的瞬間を待つ心構えと、奥行きを感じさせて雰囲気のある写真を撮るポイントに続き、今回は、アルバムに残したくなる写真づくりについて、お話を伺います。

お話を伺ったのは、写真家の中川正子さん。

中川さんは、広告や雑誌をはじめ、俳優・ミュージシャンのポートレイトや写真集など、幅広い現場で活躍されており、また、小学校一年生の男の子のお母さんとしても、日々、育児に励まれています。Instagramでは、母の目線から見た、元気いっぱいな息子さんの日常が写真で紹介されており、世の中のたくさんのお母さん達から人気を得ている女性フォトグラファーです。

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いい顔だけが、いい写真じゃない。

こどものかわいい写真がたくさん撮れたら、次にやりたいことは、それらをアルバムに残すこと。中川さんに、たくさんの写真を一冊のアルバムにまとめる際のポイントを伺うと、こんな答えが返ってきました。

「顔の写真ばかり続くと飽きてしまうので、クッションになるような写真があるといいですね」

クッションになるような写真とは、アルバムのページをめくっていく中で、息抜きができるような写真のこと。その例として挙げてくれたのが、上の絵の具屋での一枚。顔は入れず、ピントを手に合わせています。写真の大部分は絵の具が入った容器で占められていて、情景を描写する一枚とも言えます。

「こういう写真があると、アルバムにメリハリがつきますよ。例えば、“こどもの手”はいい被写体です。もみじのような、かわいらしい手って、この時期だけのものですから。私はこの手が大好きで、自分のこどもの手を、よく写真に残していました」

確かに、ぷにぷにとした、肉感たっぷりの小さな手は、親としては愛して止まないこどもの一部。それを写真に残さない手はありません。

自宅でもよく息子さんの手を撮っていたという中川さん。テーブルで食事をしている時に、食べ物に手を伸ばす様子を上から俯瞰で撮り、その時だけにしかないこどもの姿を記録に残していたそうです。

「こどもって、すぐに成長しちゃいますから。7歳くらいになると、息子の手が、“男の人の手”になってくるんです。手だけ見ると、うちの夫との違いもあまりわからないくらい。今のうちにたくさん撮っておくといいですよ」

ちなみに、この写真で着目していたのは、手ではなく、おなかだそう。

「ポッコリしていてかわいかったので(笑)」と中川さん。

これも、小さい子ならではの一枚です。

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撮り忘れがちな、後ろ姿。

手のように、普段はあまり意識して写真に残さないけれど、あの頃の姿として撮っておくと良いと中川さんが教えてくれたのは、後ろ姿。

「日常生活の中で目にしすぎていて、意外と写真に撮らないと思うんです。でも、後ろ姿もやっぱり、年齢と共に変わっていきますよね。5歳のこどもの後ろ姿って、5歳だけのもの。それが段々としっかりしてきちゃいますから(笑)」

中川さんは過去にInstagramで、息子さんの首すじを撮った写真に、「男になってきた」とコメントを添えた投稿をされていました。

「首すじの形や、髪質とかもそう。手の短さだって変わります。こどもって、360°成長していくものですからね」

普段、こどもを眺める時の、何気ないアングルからも写真を撮っておくと、笑顔の写真と組み合わせた時に効果的だと中川さんは教えてくれました。カメラを向ける際は、ぐるぐるといろんな角度からこどもを見つめて、成長を見逃さないようにしていきたいものです。もしかしたら、手や後ろ姿以外にも、わが子ならではの成長を語る体の一部が見つかるかもしれません。

他のこどもと並んだ時を狙う。

最後にもう一つ、こどもの成長を写真に残すポイントとして教わったのが、背丈について。こどもひとりに寄って撮る写真も素敵ですが、あえて複数人で、かつ背丈が違う子と一緒に並んだ時を狙うことで、幼い姿を写真に残すことができるというテクニックです。

「私のまわりの友人達が、赤ちゃんを産んでいくと、息子がどんどんお兄さんになっていくのがわかるんですね。その子達と撮った写真を見返すと、『一番チビだったのに、真ん中になったねー』と息子と話したり。そんな感慨が湧いたりするものですよ」

寄って撮ってしまうとわからないサイズ感も、他のこどもを比較対象とすることで、より一層、その時ならではの姿を収められるという、何ともシンプルなテクニック。キッザニアは3歳から15歳までが対象なので、この日、さまざまな背丈の子に入り混じった小さなこども達の写真がたくさん撮れました。

中川さんは続けます。

「ものや人など、何かに挟まると、こどもってすごくかわいく撮れるんですよ」

他の子達と並んで撮ることは、構図的にも、しっくりとくる写真を狙えそうで、これもまたいろいろなシチュエーションで試していきたいテクニックでした。

写真を撮るための専門的なテクニックは挙げたらキリがないものですが、中川さんが教えてくれたコツは、今日からでも実践できるようなものばかりだったように思います。特別なハレの日も、何気無い日頃の暮らしの中でも、ぜひ試していただき、今だけしか撮れないこども達の姿を、一枚でも多く残してもらえたらと思います。

中川正子

1973年横浜生まれ。津田塾大学在学中、カリフォルニアに留学。写真と出合う。自然な表情をとらえたポートレート、光る日々のスライス、美しいランドスケープを得意とする。写真展を定期的に行い、雑誌、広告 、アーティスと写真、書籍など多ジャンルで活動中。2011年3月に岡山に拠点を移す。全国及び海外を旅する日々。2017年には最新写真集『ダレオド』(BOOK MARUTE / Pilgrim)を上梓。台湾を皮切りに、全国でフェアを展開する。写真集に「新世界」(PLANCTON刊)『IMMIGRANTS』(Octavus刊)などがある。masakonakagawa.com

記事提供:キッザニアの窓

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