監修:小山寿美江 先生

【医療監修】男性不妊の原因とは?自然妊娠は可能?検査内容や治療方法を紹介

不妊の原因は女性側にあることが多いと思う方は少なくないようですが、不妊の原因の約半数は男性側にあるとされています。不妊治療を考えても、恥ずかしかったり、夫婦生活について話をするのが嫌だったり、病院を受診することに抵抗があるかもしれませんが、検査自体は難しいものではありません。まずは問診だけでも受けてみて、治療が必要であれば早めに行いましょう。

男性不妊の原因

不妊の原因は女性側、男性側のどちらにもあるため、複数の原因が関わっていることもあります。原因によってその後の不妊治療の内容も変わるため、まずは原因を特定することが大切です。

男性不妊の原因はいくつかありますが、主に精子に問題があることが多く、特に精子を作る造精機能のトラブルが大半を占めています。

造精機能障害(ぞうせいきのうしょうがい)

診察 男性

造精機能障害とは、精子が作られる機能が低下している状態のことで、男性不妊のおよそ8割を占めます。精液検査を行い、採取した精子の数や運動率を測定することで診断される障害です。

診断の結果、精液中に精子が一つも確認できない「無精子症」、精液中の精子数が少ない「乏精子症」、精子の運動性が低い「精子無力症」、正常な精子が少ない「精子奇形症」の四つに分類されます。

精子の動きが活発ではなかったり、精子の量が少なかったりする場合は、静脈の弁の不具合によって静脈がこぶ状に膨らんでしまう精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)が原因となっていることも。

造精機能障害はストレスや睡眠不足も大きく影響するため、疲れをため込まずしっかりと睡眠を取ることが大切です。

精路通過障害(せいろつうかしょうがい)

精路通過障害は、精巣で作られた精子が精管をうまく通ることができない状態のことを指します。精液中に精子がないため、無精子症の原因の一つであるともいわれています。

精路通過障害の症状は、精路が完全にふさがってしまう、もしくは狭くなってしまう「閉塞性無精子症(へいそくせいむせいししょう)」、感染症が原因で精巣上体に炎症が起こり、炎症部分がふさがってしまう「精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)」、精液が体外に射精されるのではなく、逆流し尿道を通って膀胱に射精されてしまう「逆行性射精(ぎゃっこうせいしゃせい)」などがあります。

性機能障害(せいきのうしょうがい)

妊娠を望んでいても性行為ができない状態のことを性機能障害といいます。性機能障害は主に勃起障害と射精障害の二つに分けられ、勃起障害はEDとも呼ばれています。

原因は心因性もしくは身体性によるものです。特に心の状態が大きく影響し、性体験にコンプレックスを持っていたり、性行為自体にプレッシャーを感じたりすることで起こります。

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男性不妊検査方法

検査

男性側に不妊原因があるかどうかを確認するために、まずは検査を受ける必要があります。男性側の診察は、産婦人科の不妊外来や泌尿器科で受けるのが一般的です。

診察を受けることに抵抗がある人がいるかもしれません。しかし、男性の不妊検査は女性よりも検査数が少なく簡単に済むことも多いため、不妊治療を受けると決めたら早めに受診しましょう。

精液検査

男性不妊で病院を受診した際、不妊の原因を特定するためにまずは問診と精液検査を行います。精液検査をすることで、精液の量や濃度、精子の運動率などを確認することができます。

精液検査は、3~5日程度禁欲した後で精液を採取します。自宅で行う場合は、採取後2時間以内に病院に持参します。採取した精子は常温で保管するようにしましょう。

精液は通常乳白色をしていますが、精液が通る精管に炎症など異常があると膿や血液が混ざったような色をしていることもあります。

精液は精巣の中で約3ヶ月かけて育つため、精液の状態はその時の体の状態を表しています。結果があまりよくないときは、何度か検査を繰り返し行うことがあります。

採血、ホルモン検査

採血

造精機能は、脳の視床下部や下垂体、精巣から分泌されるホルモンの影響を受けます。ホルモンの分泌に異常があると、造精機能はうまく働かない状態となります。

採血を行うことで、体内のホルモンの分泌量を確認し精子の造精機能の状態を確認することができます。

精巣超音波検査

精巣超音波検査では、精巣の大きさを測り病気などがないか確認します。陰嚢の部分に超音波が出るプロープという機械をあて、モニター越しに精巣を観察する検査で痛みはありません。

精巣が小さな場合は、精子を作る機能が低下している可能性があります。

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男性不妊の治療方法

治療

男性不妊の治療方法は、原因に応じて内科的な治療や外科的治療が選択されます。治療では、喫煙や飲酒など、生活習慣の見直しも行います。

内科的治療

  • 投薬治療
  • カウンセリング

男性の不妊では、内科系疾患(糖尿病、肝臓病、高血圧、動脈硬化)が造精機能低下の原因となることもあるため、病気が見つかったらまずは治療を優先しましょう。病気を治した後で、造精機能を補助する薬を飲む、人工授精や体外受精を試みるなど不妊治療を行います。

精管が炎症を起こしている状態の精巣上体炎では、抗生物質を投与して様子をみますが、回復状況に応じて人工授精などをいます。

またストレスが不妊の原因となっている場合は、投薬治療で体調を整えるとともにカウンセリングによって心のケアをすることもあります。

外科的治療(手術)

  • 閉塞性無精子症
  • 精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)

精路通過性障害の一つである閉塞性無精子症は、精管のつまりや閉塞の度合いが軽度であれば、顕微鏡で確認しながら問題のある部分を切除してつなぎ合わせる手術を行っていました。

ただし、最近では精管造影は行われず閉塞部位が不明な状態のまま、非閉塞性無精子症と同様に精巣内から直接精子を採取するTESE(精巣内精子回収法)を行うことが多くなっています。TESEにより精子を得ることができれば体外受精、顕微授精の治療を行います。

静脈がこぶ状に膨らんでしまう精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)は、静脈瘤の部分を糸でしばる手術を行います。局部麻酔で行われるため、日帰りでも可能です。症状が改善されないときは、人工授精や体外受精、顕微授精を検討します。

出典元:
  • 塩谷雅英(監)「ふたりで取り組む赤ちゃんが欲しい人の本」P152-165(西東社,2012年)
  • オーク会「精巣内精子採取術(TESE)」(https://www.oakclinic-group.com/funin/ss_tese.html,2019年1月22日最終閲覧)

男性不妊でも自然妊娠は可能?

リフレッシュ

男性不妊と診断されても、治療をすることで自然妊娠が可能となる場合もあります。症状が軽度であれば、治療の間に自然妊娠することも珍しくはありません。

検査の結果、人工授精や体外受精、顕微授精などステップアップした後でも自然妊娠することがあります。不妊治療にストレスは大敵なため、治療中であっても気分転換をすることが大切です。

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ストレスは大敵。たまにはリフレッシュしましょう

リフレッシュ

不妊症というと女性側に問題があると思われることが多くあります。しかし、実際には約半数が男性側の原因です。

体調やストレスの有無によって、不妊検査の結果や妊娠率にも影響が出るため、気負い過ぎないことが大切です。たまには思いっきりリフレッシュするのもよいでしょう。

※この記事の情報は2019年1月21日現在のものとなります。最新の情報は医療機関へ受診の上、医師の診断に従ってください。

記事の監修

六本木レディースクリニック院長

小山寿美江 先生

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