性教育はいつから始める?
子どもへの性教育は大切だとわかっているものの、いつから始めるべきなのか…と悩んでいるパパママは多いもの。小学校でも性教育の授業は行われますが、3~4年生くらいから始まるので、小学校入学前の子どもへの性教育のタイミングは難しいですよね。
しかし、性教育を始めたほうが良い年齢が決まっているわけではありませんので、子どもが性に関心を示したり、パパママが始めたほうが良いと思ったりしたタイミングがベストです。ちなみに子どもが性に関心を持ち出すのは、一般的には2~3歳から。
先輩ママたちも性教育のタイミングには悩んでいたものの、次のようにそれぞれのきっかけで性教育について考え始めたようです。
赤ちゃんができる仕組みを尋ねられたとき
先輩ママが子どもへの性教育について考えだすきっかけとして最も多いのは、「どうして赤ちゃんができるの?」という質問をされたときのようです。
確かに小さな子どもがよくしてくる質問ですよね。突然質問をされて答えに困り、性教育を始めたほうが良いのか…と考え始めるパパママは少なくありません。
聞かれたときに答えられるよう、親もシミュレーションしておく必要がありますね。
性犯罪に関するニュースを見たとき
小さな子どもへの性犯罪は、残念ながら実際にあります。子どもが自分の身を自分で守れるようになるため、性教育を始めたいと考える先輩ママもいました。
(中略)
でも、見られたり触られたりする事を"嫌だ"とか"これはおかしい"と思ってくれるかは分かりません。

性に関する知識がなければ、自分がされている行為の意味もわかりません。犯罪から身を守る自衛の手段としても、小さな年齢から性教育を行うことは大切ですよね。
- 大阪市「【第68号】「おうちで伝える『性』のおはなし その2 ~どうやって子どもに伝えよう?」NPO法人ピルコン理事長 染矢 明日香」(https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000419824.html,2021年6月21日最終閲覧)
- 文部科学省「4.その他-健やかな体を育む教育という観点から,今後,学校教育活動全体で取り組むべき課題について-」(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1395097.htm,2021年6月21日最終閲覧)
性教育でおすすめの絵本10選
子どもの性教育を始めたいけれど、「小さな子どもにどうやって伝えよう?」と悩まれる方は少なくないはず。小さな子どもに性について理解してもらうには、楽しく学べる絵本がおすすめです。
ここからは、家庭での性教育に役立つ絵本10冊を紹介していきます。プライベートゾーンをわかりやすく表現した絵本や、全5巻で詳しく性教育が行える性の絵本など、小さな子どもでも理解できる絵本を厳選しました。
1.性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?
赤ちゃんの生まれ方、男の子と女の子の体の違い、プライベートゾーンについて、性犯罪から身を守るための方法…と、性教育に関する内容がすべてまとめられた良書です。
子どもが性に関心を持ち始めるのは2~3歳からと最初にお話しましたが、この絵本は3歳から読み聞かせられるように作られているので、子どもが関心を持ち始めたときからすぐに活用できます。
2021年5月に出版された本なので、現代の子どもたちにピッタリの内容が描かれているところも魅力的ですね。
2.ぼくのはなし

まずは主人公である「ぼく」が生まれたいきさつを、小さな子どもにもわかりやすく教えてくれる性教育の絵本です。男の子の立場から描かれた絵本なので、男の子のパパママにおすすめします。
内容は「ぼく」がどうやって生まれたのかを、シンプルな絵と文章で説明していますが、同時に女の子を大切にしなければならないことや、子どもを産むことの大切さ、子どもを作る行為は成長してからすることなど、性教育の基本となる内容がまとめられています。
性教育をどうやって始めるべきか迷っている方は、ぜひこの本を手にとってみてください。
3.わたしのはなし
一つ前の項目で紹介した「ぼくのはなし」の女の子バージョンです。女の子の立場から描かれているので、「ぼくのはなし」以上にプライベートゾーンを守ることの大切さが描かれている絵本。
プライベートゾーンはどうして守らなければいけないのか、触られたときはどうするべきか…など、子どもが自分の体を守るために必要なことを教えてあげたいというパパママにおすすめの絵本です。
4.あかちゃんの木
「赤ちゃんはどうやって生まれてくるの?」は、小さな子どもにとっては定番の質問。空から降ってきた、コウノトリが運んでくる、卵から生まれた…と、真実をごまかす答え方をしてしまいがちですが、本当のことをわかりやすく教えてあげたいときに役立つ性教育の絵本です。
繊細で温かみのある絵が優しい雰囲気なので、子どもに性教育をすることに抵抗があるという方でも、気軽に読み聞かせてあげられそうですね。
5.ぼくどこからきたの? あるがままのいのちのはなし。ごまかしなし、さしえつき。

「ぼくどこからきたの?」は性教育向けの絵本として、世界的なロングセラーを誇ります。日本語訳は谷川俊太郎さんで、性教育のための教科書としてはもちろん、普通の絵本としても楽しめる内容です。
ストーリーは赤ちゃんがどうやってできて、おなかの中で育ち、生まれるかというもの。絵本としては文章量が多めですが、幼稚園・保育園の子どもでも読み聞かせてあげられます。
サブタイトルにも書かれているように、性に関してごまかしはありません。本当のことだけをシンプルに伝えてあげたいときにぜひ活用したい絵本です。
6.なにがはじまるの? 思春期にかわりはじめるからだの本
「ぼくどこからきたの?」とシリーズであるおすすめの性教育の絵本です。最初に読み聞かせておくと「ぼくどこからきたの?」の理解度が深まるような内容で、男の子と女の子の体の違いと成長について描かれています。
もし子どもに質問されたら、パパママが困ってしまいそうなことについてわかりやすく答えてくれているので、性に関心を持ち始めた子どもなら、興味を持って聞いてくれるのではないでしょうか。
7.おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方

性教育の絵本として大人気の本ですが、絵本ではなく漫画形式です。
「子どもを守るための性教育」を主題にしているので、犯罪防止のために性教育を始めたいと考えているパパママにピッタリの絵本。子どもを被害者にしないためだけではなく、加害者にしないための内容も含まれています。
「こんな時どうする?」というパパママ向けのQ&Aもあり、性教育をするための教科書としても活用できますよ。
8.いいタッチわるいタッチ だいじょうぶの絵本
プライベートゾーンについて「さわっていいのはじぶんだけなの」と、優しく説明してくれる性の絵本です。
「いいタッチ」は人を愛し守るタッチ、「わるいタッチ」は暴力をふるうタッチや性犯罪にまつわるタッチ。「性」の話題を「タッチ」というやわらかな表現にすることで、子どもでも「良いこと」と「悪いこと」が具体的にわかる内容になっています。
かわいらしい犬の絵で説明されているので、「あまりにダイレクトな表現は避けたい…」と考えている方におすすめです。
9.あっ!そうなんだ!性と生
「とにかくわかりやすくまとまっている」と評判の性教育のための絵本です。合計21のテーマで性について説明してくれていますが、性交の絵が描かれているなど、ごまかすことなく詳しく性教育をしたいときに役立ちます。
さらにこの絵本には「解説編」として、子どもに性教育をするパパママのためのポイントがまとめられていることも特徴的。性について子どもと話すことに抵抗があるパパママは少なくないでしょうが、子どもへの伝え方・話し方のポイントも解説編で教えてもらえます。
子どものための性教育の絵本であるとともに、子どもに性教育をするパパママのための教科書でもある絵本です。
10.性の絵本
「性の絵本」は全5巻で、1冊ずつに「生きるってどういうこと?」「子どもからおとなへ生きる」「女と男 ともに生きる」とテーマがあり、それぞれのテーマに沿って性と生について教えてくれる絵本です。
「性の絵本」というダイレクトなタイトルですが、絵や色鉛筆で描いたかのようにやわらかく温かみのある印象で、命のために性があることを子どもたちに優しく教えてあげられます。
子どもへの性教育は絵本を使って正しい知識を!
子どもから性に関する質問をされると、パパママはついごまかしてしまいがちですよね。しかし、性に関する知識を身につけることは、とても大切なこと。子どもが性に関心を持ったときから教育を始めましょう。
今回の記事では10冊の絵本を紹介しましたが、いずれもプライベートゾーンの大切さや赤ちゃんの生まれ方、命の大切さを説くおすすめの絵本ばかり。子どもへの読み聞かせで正しい性の知識を教えてあげてください。