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監修:坂本昌彦

溶連菌感染症の出席停止期間は何日?症状と治療方法を解説

子どもによくみられる感染症の一つに「溶連菌感染症」があります。4歳~10歳の学童期にかかりやすく、保育園や幼稚園では出席停止扱いとなる学校感染症の一つです。今回は、佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチームによる書籍『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』から、溶連菌感染症について症状や治療法、出席停止期間の情報をお伝えします。

PIXTA

溶連菌感染症は出席停止の対象

溶連菌感染症はA群溶連菌という細菌が原因で起こる病気です。学校保健安全法では出席停止の対象となっており、症状がある間は登園登校はできません。

4歳~10歳の学童期にかかりやすい病気ですが、きょうだいなど学齢期の子どもと接触した場合には年少児でもかかることがあります。

また、冬と春に起こりやすく、この時期の咽頭炎の3~4割は溶連菌が原因というデータもあります。

溶連菌感染症によくある症状

ⓒKADOKAWA / 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』

溶連菌感染症の主な症状は、発熱とのどの痛みです。咽頭炎や扁桃炎以外にも、細かい発疹を伴う猩紅熱(しょうこうねつ)などの病気を起こすことがあります。また、皮膚に感染すると、とびひなどの原因になることもあります。

なお、頻度は少ないですが、腎臓に炎症を起こして顔がむくんだり尿が出なくなる急性糸球体腎炎や、日本では非常にまれですが心臓弁膜に障害を起こすリウマチ熱を合併することもあります。溶連菌感染症にかかった後に顔のむくみや尿が出ないなどの症状が見られたら、かかりつけ医の診察を受けてください。

溶連菌は保育施設や学校で流行することが多く、流行状況は診察する医師にとっても有用な情報です。診察に際しては、園や学校で溶連菌が流行しているかなども医師に伝えるようにしましょう。

溶連菌感染症の治療法

溶連菌感染症が疑われるとき、病院ではのどの検査で溶連菌への感染があるかどうかを調べます。診断されたら、熱やのどの痛みを緩和する薬のほかに、溶連菌に効果のある抗菌薬が処方され、薬を飲み始めると1~2日で症状がやわらぎます。

ただし、確実に溶連菌を退治し、合併症を防ぐために、症状が消えても抗菌薬を飲み続ける必要があります。処方された薬は必ず最後まで飲み切ってください。

服薬後24時間たち、解熱していれば登園可能

ⓒKADOKAWA / 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』

抗菌薬を飲み切っていなくても、内服開始して24時間がたち、解熱していれば登園登校ができます。なお、その際に医師の許可証は不要です。

保育園に通う場合など、園内での服薬が必要な場合は、担任の先生などに相談してください。園内での服薬が難しい場合、内服時間を調整することで対応できることがあります。具体的には昼の内服を降園後の15時過ぎに行い、夜の内服を就寝前にするなどです。かかりつけの先生と相談してください。

時間が経ってから判明する合併症も

ⓒKADOKAWA / 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』

先ほども記載した通り、感染から2~3週間経ったあとで急性糸球体腎炎(腎臓の炎症)の症状が出ることがあります。基本的に入院管理となるため、顔や手足のむくみ、尿が出ないなどの症状があれば、必ず病院を受診して相談してください。

溶連菌感染症の予防方法

溶連菌感染症は、子どもだけでなく大人にも感染する可能性があり、一度かかっても繰り返しかかります。くしゃみや咳などによる飛沫感染・接触感染によって広がっていくため、予防のためにはこまめな手洗いを徹底することが重要です。

『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』

マンガでわかる! 子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK [ 佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム ]

SNSを駆使して正しい情報を拡散し子育て世代を応援する、長野県佐久市の「教えて!ドクタープロジェクト」の初著書。
病院に行く/ 行かないの判断、子どもの体の心配ごとなどを、マンガやチェックシート、図解でわかりやすく解説。病気やケガから災害まで、不測の事態が起こった時も状況や症例、対処法など必要な情報がすぐ手に入ります。
初めての出産・育児でわが子の病気やけがを不安に思うパパママはもちろん、ベテランのパパママも、いざというときに知っておきたい情報が満載です。

記事の監修

日本小児科学会専門医・指導医

坂本昌彦

小児科専門医。2004年名古屋大学医学部卒業。現在佐久医療センター小児科医長。専門は小児救急と渡航医学。現在日常診療の傍ら、保護者の啓発と救急外来負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクト責任者を務める。同プロジェクトの無料アプリは約20万件ダウンロードされ、18年度キッズデザイン賞、グッドデザイン賞を受賞。

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