溶連菌感染症は出席停止の対象
溶連菌感染症はA群溶連菌という細菌が原因で起こる病気です。学校保健安全法では出席停止の対象となっており、症状がある間は登園登校はできません。
4歳~10歳の学童期にかかりやすい病気ですが、きょうだいなど学齢期の子どもと接触した場合には年少児でもかかることがあります。
また、冬と春に起こりやすく、この時期の咽頭炎の3~4割は溶連菌が原因というデータもあります。
溶連菌感染症によくある症状
ⓒKADOKAWA / 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』
溶連菌感染症の主な症状は、発熱とのどの痛みです。咽頭炎や扁桃炎以外にも、細かい発疹を伴う猩紅熱(しょうこうねつ)などの病気を起こすことがあります。また、皮膚に感染すると、とびひなどの原因になることもあります。
なお、頻度は少ないですが、腎臓に炎症を起こして顔がむくんだり尿が出なくなる急性糸球体腎炎や、日本では非常にまれですが心臓弁膜に障害を起こすリウマチ熱を合併することもあります。溶連菌感染症にかかった後に顔のむくみや尿が出ないなどの症状が見られたら、かかりつけ医の診察を受けてください。
溶連菌は保育施設や学校で流行することが多く、流行状況は診察する医師にとっても有用な情報です。診察に際しては、園や学校で溶連菌が流行しているかなども医師に伝えるようにしましょう。
溶連菌感染症の治療法
溶連菌感染症が疑われるとき、病院ではのどの検査で溶連菌への感染があるかどうかを調べます。診断されたら、熱やのどの痛みを緩和する薬のほかに、溶連菌に効果のある抗菌薬が処方され、薬を飲み始めると1~2日で症状がやわらぎます。
ただし、確実に溶連菌を退治し、合併症を防ぐために、症状が消えても抗菌薬を飲み続ける必要があります。処方された薬は必ず最後まで飲み切ってください。
服薬後24時間たち、解熱していれば登園可能
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抗菌薬を飲み切っていなくても、内服開始して24時間がたち、解熱していれば登園登校ができます。なお、その際に医師の許可証は不要です。
保育園に通う場合など、園内での服薬が必要な場合は、担任の先生などに相談してください。園内での服薬が難しい場合、内服時間を調整することで対応できることがあります。具体的には昼の内服を降園後の15時過ぎに行い、夜の内服を就寝前にするなどです。かかりつけの先生と相談してください。
時間が経ってから判明する合併症も
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先ほども記載した通り、感染から2~3週間経ったあとで急性糸球体腎炎(腎臓の炎症)の症状が出ることがあります。基本的に入院管理となるため、顔や手足のむくみ、尿が出ないなどの症状があれば、必ず病院を受診して相談してください。
溶連菌感染症の予防方法
溶連菌感染症は、子どもだけでなく大人にも感染する可能性があり、一度かかっても繰り返しかかります。くしゃみや咳などによる飛沫感染・接触感染によって広がっていくため、予防のためにはこまめな手洗いを徹底することが重要です。
『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』
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