読書通帳とは?
読書通帳とは、銀行の預金通帳のような図書館専用の通帳をいいます。図書館に設置されている専用の機械を通すと借りた本のタイトルと貸出日などが印字されます。
本を借りると読書通帳にすべて記録されていく仕組みは読書意欲につながりやすく、全国の図書館への導入が進んでいます。読書通帳の大きさは実際の銀行の預金通帳とほぼ同じサイズで、ICタグが付いています。
一通あたり数百円の発行費用が掛かります。導入している図書館の多くは、銀行や書店などの地域企業にスポンサーになってもらうことで無料配布を実現しています。
株式会社内田洋行と下関市立図書館の取り組み
読書通帳は、公共機関を対象とした機械メーカーの株式会社内田洋行が2010年に開発し、山口県にある下関市立図書館に導入したことが始まりです。
下関市立図書館ではすでに約2万冊の読書通帳を発行し、利用者から良い評価を受けています。
読書通帳が導入されている図書館は?
読書通帳の機械は現在、全国で12市町で導入されています。大阪府八尾市では2014年4月に導入し、その後は市内4ヶ所すべての市立図書館で導入されています。
その他にも兵庫県西脇市にある図書館も導入するなど、主に関西地域で導入が進んでいます。読書通帳機はしていませんが、自分で記入できる読書通帳などを配布するといった取り組みをしている図書館は全国で多数となっています。
読書通帳のメリットは子供の読書意欲を掻き立てること
大阪府八尾市にある八尾図書館では、読書通帳を導入後、児童図書の貸し出しが約2倍に増加したそうです。これまで本嫌いだったはずの子供が、本好きになったという利用者の声も多く寄せられています。
読書通帳の本を読めば印字される数が増えていく仕組みは、子供の意欲を掻き立てます。友達と競い合いながら本を借りる姿が増えた地域もあるようです。
他にも親や先生が読書通帳を通して子供を誉めたり、読んでいない本を薦めたりする機会が増え、大人と子供のコミュニケーションツールとしても大いに役立つでしょう。
読書通帳のデメリットは通帳機の価格…導入をためらう地域も多い
読書通帳機は一台500万円の費用がかかります。その他にも通帳代の費用もかかるため、予算の都合で導入をためらう図書館は多いようです。しかし読書通帳を図書館に導入してほしいという地域の声は増えつつあります。
地域によっては読書通帳機の変わりにオリジナルの読書通帳用紙を作り、ダウンロードしてもらうことで同じ仕組みを楽しんでもらうといった取り組みをしているところもあります。
読書通帳の種類をご紹介
読書通帳は、読書通帳機を導入するまでには至っていないものの、読書通帳そのものの取り組みを導入するといった図書館は全国で増加しています。読書通帳の種類は主に3種類あります。
預金通帳タイプ
預金通帳タイプは、読書通帳専用の機械で、本の貸し出し記録を印字していく方法です。機械によっては借りた本の値段まで印字され、いくら分の本の購入代が節約できたかということまで分かるものもあります。
自書タイプ
自書タイプは、図書館利用者が自分で本の貸し出し記録を書き込んでいく方法です。専用用紙は図書館ごとにオリジナルのものを作成し、図書館HPからダウンロードして利用してもらう場合や、図書館で無料配布しているところもあるようです。
お薬手帳タイプ
お薬手帳タイプは、本の貸し出し記録が印字されたシールを貼り付けている方法です。埼玉県の行田市立図書館では、子供向けだけでなく、妊婦向けの手帳も作成して配布しています。
妊婦向けに胎教の方法やおすすめの本やCDリストを掲載し、妊娠期から出産後に赤ちゃんへ読み聞かせた40冊まで記録できて、親から赤ちゃんへのメッセージも書き込めるといった取り組みを行っています。
読書通帳はダウンロードすれば手作りできます!
読書通帳は、オリジナルで書き込み式の専用用紙を作成している図書館もあります。図書館の公式サイトでダウンロードして利用できますのでぜひ活用してみてはいかがでしょうか?
読書通帳でお子さんを読書好きに育てましょう!
読書通帳は、機械の導入には高額の費用がかかるものの、導入した多くの図書館で子供や親子での利用が増えたという効果が出ています。
実際に読んだ本が記録として、目に見える形でどんどん貯まっていくのはうれしいですよね。お子さんの達成意欲を大いに刺激するものになるでしょう。親子のコミュニケーションツールとしてもぜひ活用してみてくださいね!