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監修:齋木啓子

【医療監修】ぎょう虫症とは?原因や症状、治療法。手洗いでの予防が大切

人の腸内に寄生する虫であるぎょう虫が、体に住みついている状態をぎょう虫症といいます。メスが肛門付近で産卵するとかゆみが出ます。以前は学校でぎょう虫検査を行うことが必須とされていましたが、検出される可能性が非常に低くなったことから、現在は必須項目から外れています。もし感染した場合には服薬治療を行いますが、家族内の感染を防ぐため、家族全員での服薬がすすめられています。

PIXTA

ぎょう虫症とは?

ぎょう虫症とは、ぎょう虫と呼ばれる虫に寄生される病気です。白い糸のような10㎜前後の虫が体内に入り込み大腸に寄生します。

寄生したぎょう虫のメスが肛門付近で産卵するため、肛門周辺にかゆみが出ることが特徴です。かゆみが出ると気になって夜眠りにくくなったり、イライラしたりするでしょう。症状の有無や強さは個人差がありますが、ぎょう虫症に気づいたら治療を行うことが大切です。

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ぎょう虫症の原因と感染経路

子供 手 おもちゃ PIXTA

ぎょう虫症の原因は、口からの虫卵の侵入です。口から卵が入ると約1ヶ月で成虫になり、メスは肛門付近に産卵します。この卵が感染の大きな原因となるのです。

  • ぎょう虫が産卵した肛門周囲にかゆみが出て、手でかく
  • かいた手で食事をする
  • 触ったものに別の人が触れて感染する

ぎょう虫症に感染した方が、肛門を触った手で物に触ることで、手や爪に付着したぎょう虫が物に付着し、さらにそれに触った方が感染します。

ぎょう虫症の症状

子供 布団 PIXTA

ぎょう虫に感染すると、メスの産卵によって肛門付近にかゆみが出ます。強いかゆみが出た場合には睡眠障害や、肛門付近をかきこわすことによる皮膚炎を引き起こすかもしれません。

肛門をかいてしまうと、感染の原因となる虫卵を周囲に広げてしまう可能性があるため、肛門にかゆみが出た時には早めに治療を開始するようにしてください。

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ぎょう虫症の検査

顕微鏡 amana images

ぎょう虫症に感染しているかを調べる検査は、特殊な粘着性のあるセロハンテープを肛門に強く押しつけて、肛門に虫卵がついているかどうかを顕微鏡で確かめます。寄生している虫の数や卵の数にはばらつきがあるため、検査は2日連続で2回に分けて行います。

平成26年4月30日、文部科学省が公開した「学校保健安全法施行規則の一部改正等について(通知)」で、寄生虫に関する検査は、児童の健康診断に関する必須項目から削除されました。

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ぎょう虫症の治療法

処方 PIXTA

ぎょう虫症の治療には薬物療法が行われます。感染が確認されているのは家族の中の1人だとしても、すでに他の人の体内にもぎょう虫がいる可能性があるため、家族全員で薬を内服することがすすめられます。

薬は、1度服用したあと2週間後にもう一度薬を飲むように指示されることもあるようです。治療中も家族内で感染しないように、予防を徹底しましょう。

ぎょう虫症の予防法

布団 PIXTA

ぎょう虫症に感染する際は手や指、爪に付着している卵を体内に入れてしまうことにより起こります。それを防ぐためには、以下のことを意識しましょう。

  • 爪を切る
  • 手をよく洗う
  • 肛門をかかない
  • 寝具や下着を清潔に保つ

ぎょう虫の虫卵は日光に弱いため、布団や衣類は日光に当たるように干すと効果的です。手洗いや、お風呂でお尻をしっかり洗うことを徹底し、清潔に保つよう普段よりも注意して過ごしましょう。

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集団感染する前の予防が大切

予防 PIXTA

ぎょう虫症は人の手から口に感染していきます。感染に気づかないうちに周囲の人に感染を拡大させてしまう可能性があるため、ぎょう虫の寄生が疑われる症状がある場合、早めに受診しましょう。

また、家族の中でぎょう虫症にかかった人がいる場合は、自分も感染している可能性を考えて一緒に駆虫薬を服用することを考えるとよいでしょう。見つかったぎょう虫を早く駆除しきれるよう、家族全員での対処が必要です。

記事の監修

家庭医、在宅医

齋木啓子

2004年島根医科大学卒。独立行政法人国立病院機構姫路医療センターにて初期研修、CFMDにて家庭医療後期研修および在宅フェローシップ、Leadership Training Fellowship-distant(LTF-distant)修了。
12年にふれあいファミリークリニックを開設し、院長として勤務。17年にEU Business SchoolにてMaster of Business Administrationを取得し、LTF-distant運営・指導に当たっている。現在は悠翔会在宅クリニック新橋で院長として勤務。
家庭医療専門医、在宅医療専門医、経営学修士。

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