監修:清水なほみ 先生

【医療監修】子宮筋腫の手術方法と術後の過ごし方。手術を受けても妊娠できる?

子宮筋腫は良性の腫瘍です。筋腫が小さく個数も少ない場合はそのまま様子をみますが、次第に大きくなってきたり筋腫が多発していたりする場合は手術をすすめられる場合もあります。子宮筋腫手術を受けることになった場合は、将来的に妊娠を希望するのかなど、どの手術方法が自分自身にあっているのかを医師と相談して決める必要があります。子宮筋腫手術方法や費用、手術を受けたあと妊娠できるのかご紹介します。

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子宮筋腫の手術方法

子宮筋腫は子宮の平滑筋(へいかつきん)にできる良性の腫瘍のことで、婦人科系の病気の中では比較的発生率の高い疾患です。30~40代女性の20~40%が子宮筋腫を患っているとされています。   

子宮筋腫は基本的には良性の腫瘍であるため、筋腫そのものが命に関わることはありません。しかし、筋腫ができる場所や大きさによっては痛みや他の臓器への圧迫症状が出たり、過多月経や過長月経、不妊の原因となったりするため手術が必要になることがあります。

子宮全摘術

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子宮全摘術は子宮を全て取り除く手術で、開腹して手術を行う「腹式子宮全摘術(ふくしきしきゅうぜんてきじゅつ)」と開腹せずに膣からアプローチする「膣式子宮全摘術(ちつしきしきゅうぜんてきじゅつ)」、腹腔鏡手術で行う「腹腔鏡下子宮全摘術(ふくくうきょうかしきゅうぜんてきじゅつ)」があります。

膣式子宮全摘術を行う場合は、経産婦で開腹手術を行ったことがないなどの条件があり、当てはまらない場合は腹式子宮全摘術を行います。

筋腫核出術(きんしゅかくしゅつじゅつ)

筋腫核出術は、筋腫のある部分だけを取り除く手術で、将来的に妊娠出産を希望している場合や子宮を温存したい場合に行う方法です。筋腫が発生している場所や大きさ、数などを確認した上で開腹手術にするのか、腹腔鏡手術や子宮鏡手術にするのかを決定します。

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術はおなかに1cm程度の穴を数個開け、そこから小型カメラを挿入して子宮内部を見ながら行う手術です。開腹するよりも傷跡が小さく、入院期間も短くて済みます。

しかし、腹腔鏡手術には開腹手術とは異なった技術が必要となるため、熟練した医師が執刀してくれるのかどうかなど、気になることは事前に確認しておくとよいでしょう。

子宮鏡手術

子宮鏡手術は子宮用の内視鏡を子宮の入り口から挿入し、内部の様子をモニターに映しながら行う手術です。膣からのアプローチのため、開腹手術のようにおなかを傷つけることがなく短期間の入院で済みます。

子宮鏡手術で取り除ける筋腫は、子宮内に筋腫が飛び出ている粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)のみです。

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子宮筋腫の手術を受けるときに必要な入院期間

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子宮筋腫の手術を受けるために必要な入院期間は、手術の種類によって異なります。開腹手術を受ける場合は、腹腔鏡手術に比べて体の回復に時間がかかるため入院日数も長くなります。

  • 開腹手術:7~10日間
  • 腹腔鏡手術:4~6日間
  • 子宮鏡手術:日帰り~3日間

上記の子宮筋腫手術後の期間は入院期間のみの日数です。術後の通院や回復までにはさらに時間がかかります。退院後は日常生活においても無理をせず自宅で安静にしておくことが必要です。

子宮全摘術となった場合はさらに安静にする期間が必要なため、医師の指示に従い無理をしないようにしましょう。

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子宮筋腫は再発のリスクも

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子宮筋腫の手術を受けた際、子宮全摘出をした場合は症状が再発することはありません。しかし患部だけを取り除く筋腫核出術を行った場合は、一度子宮筋腫を取り除いても再発する可能性があります。

また、筋腫を取り除いた部位は子宮壁が弱くなることがあるため、手術後に妊娠した場合は帝王切開となる可能性があります。

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子宮筋腫の手術にかかる費用

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子宮筋腫の手術にかかる費用はどの手術方法を選ぶかによって費用が異なります。それぞれの金額の目安は以下の通りです。

  • 子宮全摘術(開腹):約21~30万円
  • 子宮全摘術(膣式):約20~25万円
  • 筋腫核出術:約20万円
  • 腹腔鏡手術:約20~30万円
  • 子宮鏡手術:約8~10万円

細かい費用については各病院で多少違いがある場合がありますので、かかりつけの病院で相談してみてくださいね。

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子宮筋腫の手術をした後は妊娠可能?

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子宮を温存する筋腫核出術であれば、術後に妊娠することが可能です。しかし、筋腫核出術を行った後の分娩では子宮破裂が起こることも考えられるため、経膣分娩ではなく帝王切開での出産となることがあります。

開腹手術であっても腹腔鏡手術であっても、子宮の壁にメスが入ることには変わりないため、術後は帝王切開を勧められることがほとんどです。

ただし筋腫の場所や大きさによって、術後も陣痛に耐えられると判断された場合は経膣分娩が可能なこともあります。

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自分にあった手術方法を

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子宮筋腫の手術にはいくつかの方法があり、費用や入院期間などもさまざまです。子宮筋腫は基本的には良性の腫瘍で、筋腫が小さな場合は経過観察で様子をみることがありますが、筋腫が大きくなってきた場合は手術が必要となることがあります。

妊娠出産を希望している場合は、可能であれば子宮を温存することができる子宮筋腫核出術を行うなど、自分に合った手術を選択できるとよいですね。

子宮筋腫を早期発見するためには婦人科での超音波検査による定期検診が大切です。日頃から検診を受けるようにしましょう。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ 先生

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