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端午の節句とは?歴史・縁起の良い食べ物などお祝い方法を詳しく解説

男の子がいるご家庭なら、男の子の節句である「端午の節句」は盛大にお祝いしてあげたいと思われることでしょうが、端午の節句とは一体どのような節句なのでしょうか?せっかくお祝いしてあげるのですから、お祝いはいつ何するか、ちまき以外にどのような食べ物を食べるのか…など、詳しい情報を仕入れておきたいですよね。そこでこの記事では、端午の節句の歴史から縁起が良いとされる食べ物まで、男の子へのお祝いの方法をまとめて紹介していきます。

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端午の節句とは?起源や歴史を知る

毎年5月5日に祝う「端午の節句」という行事。年間行事の中でも広く知られていますが、端午の節句とはどのようにして生まれ、どのような歴史を持つ日なのでしょうか?

よく聞くものの詳しくは知られてない、端午の節句の由来や歴史についてお話していきます。

端午の節句の由来とは?

端午の節句の由来は、源流をさかのぼると古代中国の戦国時代にさかのぼります。端午の節句とは、古代中国・楚国の「屈原」という政治家を弔ったことに端を発する行事です。

屈原は正義感と愛国心の強い人物でしたが、陰謀により国を追われてしまいます。最後まで国を思いながら川に身を投げた屈原を庶民は大変惜しみました。

川に身を投げた屈原を魚が食べてしまわないよう、彼を慕う人々は太鼓を打ちながら川にちまきをなげ彼の死を悼んだそうです。これが現在の「ちまき」につながっているそう。

また5月5日というのは屈原の命日であり、長い時をへて中国では「ちまきを川に投げ、国の安泰を祈る日」になったようです。

日本に端午の節句が伝わったのは奈良時代。季節の変わり目で体調を崩しやすい人の増えるこの時期に、日本では「厄災払い」として広まりました。

現在のように鎧兜を飾ったり鯉のぼりを立て、男の子の節句として一般的に祝われるようになったのは江戸時代からと言われています。

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端午の節句はいつ?

それでは次に、端午の節句はいつか日程を確認しておきましょう。端午の節句とは5月5日のこどもの日、男の子の節句のことです。「端午」という言葉は「月の最初の午の日」という意味があります。

楚国の屈原を弔った日は「上午の日」。日本に端午の節句が伝わった後に、「午」と「五」が同じ発音なので、やがて5月5日が端午の節句となったと言われています。

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日本への端午の節句の伝来

中国が由来の端午の節句は、その後の中国で宮中行事として行われていました。由来の際に触れた通り、日本に伝わったのは奈良時代。薬草を用いて健康増進と厄除けを祈願するための節句として定着しました。

厄除けと毒除けを兼ねて菖蒲・よもぎ・ガジュマルなどの葉を用いて厄除けをしたり、薬用酒を飲んで健康を祈願したりという行事に変化していきました。

端午の節句はどうして男の子の節句になった?

屈原を弔った日が端午の節句になったという歴史がありますが、なぜその日が男の子の節句になったのかと疑問に思われることでしょう。端午の節句が男の子の節句とされた理由とは、古くからの端午の節句で用いられていた「菖蒲」が「尚武」と同じ発音だったことに由来します。

「尚武」とは「武を尊ぶ」という意味で、鎌倉時代へと移り変わっていった日本において、武士から大切にされていた気風のことです。

古くの日本では、「武を尊ぶ」という言葉は武士の象徴であり、男子の象徴でもあったのでしょう。次の3つの要素が重なって 端午の節句が男の子の節句になったと考えられています.

  • 季節の境目である5月は古来から厄除けの時期だった
  • 「菖蒲」と「尚武」の発音が同じであること
  • 薬草で健康増進を願う行事であったこと

江戸時代に入ると、将軍に男の子が生まれるとのぼりを立ててお祝いをしましたが、その行事が端午の節句に結びついたという考えもあります。お祝いに使われていたのぼりが、現代の鯉のぼりにつながるのですね。

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端午の節句のお祝いは何をするのか

端午の節句 PIXTA

歴史的に見ると、男の子の健康増進と厄除けを祈願する行事である端午の節句。男の子のいるご家庭では端午の節句に盛大にお祝いをしてあげたいと思われるでしょうが、正式には何するかご存知でしょうか?

ここからは鯉のぼりだけではない、端午の節句の祝い方についてお話していきます。

男の子の立派な成長を願い鯉のぼりをあげる

こどもの日と言えば、空を泳ぐ鯉のぼりですよね。端午の節句の歴史として最初にお話したように、鯉のぼりは江戸時代のころから続く男の子へのお祝いです。

鯉のぼりを飾り始める時期は、春分くらいから4月中旬までにかけて。鯉のぼりは端午の節句が終わっても飾り続けることができ、5月の中旬くらいに片付けるのが一般的です。

「滝をのぼった鯉は龍になる」という故事があるように、鯉のぼりは男の子が激流に負けない鯉のように、逆境にも屈しない立派な人物に育つよう願うために飾られます。

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男の子を守護してもらえるよう五月人形を飾る

端午の節句の祝い方としては「兜」を飾るのも定番です。端午の節句とは男の子の健やかな成長を願うものなので、子どもを守ってもらえるよう勇壮な五月人形を飾ります。

五月人形は、主に甲冑や弓矢などがセットとなる「鎧飾り」、兜だけを飾る「兜飾り」、武者の姿をした子どもの人形である「武者人形」の3種類があり、床の間などに飾られます。床の間がないご家庭なら、直射日光の当たらない落ち着いた場所が良いでしょう。

五月人形は端午の節句だけ飾るのではなく、鯉のぼりと同じく春分のころから飾り始めて良いとされています。節句前から飾り始めて、節句が終わったら片付けるのが一般的です。

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男の子の厄除けのために菖蒲湯につかる

端午の節句の歴史とも関連する「菖蒲」。昔の日本でも厄除け・毒除けの薬草として用いられていた菖蒲ですが、その風習は現代でも変わりません。端午の節句には菖蒲の葉を束ねてお風呂に入れ、菖蒲湯につかります。

菖蒲の葉はそのまま切らずに束ねてお湯に入れても良いですし、細かくしてネットの中に入れ、みかん湯のようにしても構いません。

実際に菖蒲には神経の疲れを癒やしたり、睡眠の質を高めたりする効果があるとされています。厄除けの効果は伝承ですが、気持ちをリラックスさせるためには最適ですね。菖蒲を内服すると胃炎や発熱、リウマチなどに効果があるそうですが、副作用もあるので飲まないようにしましょう。

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男の子の成長と無病息災を願い初節句を祝う

端午の節句のお祝いの中でも、あまり知られていないと思われるのが初節句のことです。男の子が生まれて初めての端午の節句では、子どもの成長と無病息災を願い、初節句を祝います。

初節句では何するかというと、親戚一同が集まり、端午の節句にちなんだお祝いの食べ物をいただくのが習わし。

しかし、たとえば4月生まれの男の子であれば、まだ生まれたばかりでパパママも忙しいころだと思います。無理をして初節句を祝う必要はなく、次の年の端午の節句で初節句を祝っても良いとされているので焦らないでくださいね。

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端午の節句で食べるものとその意味

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初節句では端午の節句にちなんだお祝いの食べ物をいただくとお話しましたが、端午の節句にちなんだ食べ物とはどのようなものなのでしょうか。

端午の節句の食べ物はさまざまです。端午の節句を迎える前に、それぞれの食べ物をいただく意味も含めて男の子にとって縁起の良い食べ物をチェックしてくださいね。

柏餅

端午の節句の食べ物と言えば、柏餅が最も有名でしょう。こどもの日の前になると、スーパーにもたくさんの柏餅が並びますよね。

端午の節句に柏餅を食べる意味は、子孫繁栄のための願掛けです。柏の葉は新たな葉をつけるまで古い葉が落ちません。次の世代の葉が出るまで古い葉が落ちない柏は、「家系が途絶えない(子孫繁栄)」ということにつながるのですね。

なぜ柏の葉でお餅を包むのかということについては諸説ありますが、柏餅は武士の兜の形を模しているという説もあります。

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ちまき

柏餅と並び有名な端午の節句の食べ物が「ちまき」です。ちまきは中国から伝来した食べ物で、端午の節句と時期を同じくして、奈良時代ごろに日本に伝わったと言われています。

ちまきが端午の節句に食べられるようになった理由は、中国で屈原のお供え物として使われていたから。ちまきは柏餅と同じように葉で包まれており、現在では笹の葉が使われるようになりましたが、もともとは厄除けの意味を持つ「ちがや」の葉で作られていました。

「ちがや」は漢字で書くと「茅」。茅で巻くことから「茅巻き(ちまき)」と言われるようになり、現在でも厄除けや無病息災の意味を持つ食べ物として端午の節句で食べられています。

実は端午の節句の歴史をたどると、柏餅ではなくちまきを食べるのが本来の風習だったようです。端午の節句が中国から伝来した際にはちまきが定番の食べ物とされており、柏餅を食べるようになったのは江戸時代からなので伝統的行事の食べ物としては意外と新しいですね。

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たけのこ

端午の節句に作られる料理には、たけのこが多く活用されます。5月ごろといえばたけのこの旬の時期でもありますが、端午の節句の食べ物である理由は、たけのこの成長の早さと真っ直ぐに成長する形に由来します。

竹は非常に成長が早く、1日でなんと121cmも成長した記録があるほど。たけのこの成長の早さにちなみ、男の子も早く立派に、まっすぐ元気に成長するようにとたけのこ料理が作られるのでしょう。

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かつお・ぶり

男の子の初節句では魚料理の材料としてぶりやかつおなどの出世魚が使われることがおおいようです。

成長とともに呼び名が変わる出世魚は縁起が良いと言われており、男の子の将来的な活躍を願い食べられる食べ物です。

特にかつおは5月から6月が旬なので、身が締まっておいしくいただける出世魚。かつおは「勝つ男」とかけて男の子の健やかな成長を願う意味もあるのだとか。端午の節句をお祝いするなら、出世魚を使った料理は欠かせません。

地方によって違う端午の節句の祝い方

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端午の節句のお祝いについてお話してきましたが、端午の節句に何するかは地方により変わります。ここからは、地方ごとの珍しい端午の節句のお祝いについて紹介していきますね。

【山形県】笹巻き

山形県では端午の節句に「笹巻き」という食べ物を食べてお祝いをします。笹の葉でもち米を包んで熱湯でゆでたものなのでちまきと同じですが、山形県内でも地域によって作り方が変わり、もち米を潰さずに作ったり、灰汁水で煮たり…と、さまざまな作り方があるそうです。

庄内町には笹の葉を50枚も使用した大きな笹巻きを作り、集落の家に配り歩くという風習もあります。

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【静岡県・埼玉県・新潟県・愛媛県】凧揚げ

鯉ではなく凧を揚げて端午の節句をお祝いする地域は、日本各地に多く残っているそうです。凧揚げの目的は鯉のぼりと同じく、男の子の誕生を祝うため。新潟県や愛媛県では端午の節句の凧揚げが大規模で、現在でも凧揚げ合戦が行われています。

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【沖縄県】あまがし

独特な風習を多く誇る沖縄県では、端午の節句のお祝い方法も個性的です。旧暦の5月5日になると、沖縄県では緑豆と押し麦で「あまがし」というぜんざいのような料理を作り端午の節句を祝います。さらに、菖蒲はお風呂に入れるのではなく仏壇や火の神に供えられるのだそうです。

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端午の節句とは男の子の健やかな成長を願う節句

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現在では「こどもの日」と呼ばれている端午の節句とは、厄を除けて無病息災を願い、男の子の健やかな成長を願うための長い歴史を持つ節句です。

男の子の兄弟がいないママにとっては「お祝いって何するの?」と疑問に思われるかもしれませんが、兜飾りや鯉のぼりを飾り、ちまきや柏餅、縁起が良いとされる食べ物を食べることが定番の祝い方。鯉のぼりや兜飾りはいつから飾り始めるかなど計画を立てて、男の子の成長を祝ってあげてくださいね。

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