人見知りに必要なのはチャレンジよりも安心。臨床発達心理士のアドバイス

親せきの家や初めての場所で、ママのそばから離れられなくなってしまったり大泣きしてしまったりする、人見知りや場所見知り。新しい世界を楽しむことを知ってほしくて、克服させたいと考えているママもいるのではないでしょうか。しかし人見知りな子にとって必要なことは、新たな人や場所に飛びこむチャレンジではなく、「安心すること」でした。今回は人見知りな子にママができるサポートについて、臨床発達心理士の新井範子先生に取材したボリュームたっぷりの記事です。

PIXTA

親戚でさえ大泣き...わが子の人見知りには「安心」を

パパやママなど、心を許している人以外が近づくことを怖がる「人見知り」と、慣れない場所に行くだけで大泣きしてしまう「場所見知り」。赤ちゃんの時にもあるものですが、2歳~3歳頃になっても続いている子もいるのではないでしょうか。

どこでも誰でも懐ける子、人見知りの子には個人差があるものですが、人見知りや場所見知りが激しい場合はママも悩んでしまいます。習いごとに上手に参加できなかったり、支援センターでもママのそばを離れられなかったりすると「もっと自分から前に出てほしい」と感じることもありますね。

でも、新井先生によると、そんな時こそママは子供にくっついて「安心」させてあげることが必要なのです。人見知りや場所見知りをする子供に対する接し方について、新井先生のお話をもとに解説します。

人見知り、場所見知りをする子に必要なのは「チャレンジ」だけではありません

ハグ PIXTA

わが子が周囲の子より人見知りかもしれないと感じた時、焦ってたくさんの子供がいる支援センターや公園に連れ出して「一緒に遊ぶ経験をさせよう」と頑張るママも多いでしょう。もちろん人見知りを克服させたいのならチャレンジは必要です。しかし、先生によると、無理にチャレンジさせるよりも大切なことは「安心させてあげること」。子供にとって必要な経験は「新しい場所に行った。知らない人がいた。でも僕(私)は楽しかった」ということなのだそうです。

ついつい「怖がらずにやってごらん!」と、ママの元から離れることを強要してしまいそうになりますが、まず楽しい思いをさせてあげることが一番大切なのですね。

子供の「安心」を広げるためにママができるサポートは?

幼稚園 PIXTA

人見知りや場所見知りと向き合っていくのは、あくまで子供自身。それでもママとしてはできるだけのサポートをしてあげたいですよね。

人見知りの子を育てるママに、新井先生から「ママができるサポート」についてアドバイスをしていただきました。

人見知りな子がお友達と遊べるようになるための「4つのステップ」

幼稚園 PIXTA

幼稚園や保育園への入園を控えていると、お友達の中にうまく入っていけるか心配になりますよね。特に人見知りの激しい子の場合は公園や支援センターでもお友達とうまく関われない場面を見かけることもあり、不安になるものです。

しかし、新井先生は「その段階ではまだ、お友達と遊ぶと楽しいということを知らないだけかもしれません。」と話します。子供が他の人と遊べるようになるには、以下のようなステップがあるのだそうです。

  1. パパやママ、家族と遊べる
  2. 自分に合わせて遊んでくれる家族以外の大人と遊べる
  3. 自分より年齢が上の子供と遊べる
  4. 同年代の子供と遊べる

特に人見知りの激しい子にとっては、この4つのステップをていねいに経験させてあげましょう。

先生がおすすめするのは、まずお友達を親子で自宅に招待し、ママ以外の大人(お友達のママ)と一緒に遊ぶこと。お友達と遊ばせたい気持ちにはなりますが、難しい場合はまずお友達のママからです。その時には上手に家族以外の大人とやりとりができるように、さりげなくママがサポートしてあげるのが大切なのだといいます。

大人と安心して遊べるようになったら、ママが仲介をしながらちょっと年上のお友達と遊ぶ機会を作ってみましょう。それがうまくいったら、最終的には同年代の子と遊ぶことにチャレンジさせてみるとよいそうですよ。

また、幼稚園や保育園への入園を控えていて人見知りや場所見知りが心配な場合は、園でやりそうな遊びをあらかじめ家庭の遊びのレパートリーに入れるのも良い方法です。さらに、プレ幼稚園や母子同伴の体験教室がある場合には親子で参加してみて、子供にとって安心できる先生が見つけられるようにサポートしてあげましょう。

「手の届きやすい小さなステップを積み重ねることで、安心を広げていくことがポイント」と新井先生はいいます。入園が近くなると「こんなに人見知りでは通えないのでは」と不安になるものですが、このアドバイスはぜひ覚えておきたいですね。

場所見知りの緊張が解ける「3つのステップ」を理解しましょう

児童館 PIXTA

子供を連れて支援センターや親せきの家に行ったとき、慣れない環境に子供が大泣きしてしまうことがあります。どこへ行っても泣かれては周りの目も気になりますし、ママも大変ですよね。

新井先生によると、この時に考えることは「子供の安心できる範囲を広げていきましょう」ということ。子供の安心を広げるためには以下のようなステップがあるのだそうです。

  • 第一段階:最初は泣いてしまっても抱っこをしたり、ママのそばにいれば大丈夫
  • 第二段階:いつもおうちで楽しんでいるお気に入りの遊びで笑顔になったり、リラックスできる
  • 第三段階:ママが楽しく活動しているのを見て、自分も活動に参加する

第一段階ではまず「ママにくっついている」という安心を感じさせてあげましょう。周りの様子を見るだけや、雰囲気を感じるだけでも、子供にとってはいい刺激になっているのだそうです。

落ち着いていられるようになったら第二段階へ。いつもおうちで楽しんでいる、子供が思わず笑ってしまうようなお気に入りの遊びをやってみましょう。新井先生によると「最初は泣いてしまった慣れない場所でも、子供自身がリラックスできるようになればクリア」なのだといいます。

そのあとはついに第三段階。「ママと一緒なら笑顔になれるようになったら、ママと一緒に活動に参加できるとよいですね。」と先生。あくまで子供だけで参加させようと背中を押すのではなく、まずはママが楽しんで笑顔で活動に参加しているところを見せ、楽しい雰囲気を伝えてあげることから始めるのが正解なのだとか。

ママ自身はとにかく早く慣れさせたい、社交的になってほしいと思いがちですが、先生は「時間はかかっても安心すれば子どもは自分から動いていきます。」といいます。無理に背中を押すよりも子供が自発的に動いてくれるのを待つのがよいのですね。ついつい周囲とわが子を比べて焦ってしまうこともありますが、その時はこの3つのステップを思い出して、心にブレーキをかけてみましょう。

ママ自身も疲れたら休憩を

ホットミルク PIXTA

子供だけではなく、ママ自身が安心して過ごすことも大切です。子供と一緒にステップを踏んでくことは大切ですが、一方で先生は「疲れたなと思った時は無理せず休みましょう」といいます。ゆったりと過ごして元気になったら、またおでかけしたりチャレンジしたりすればよいのです。

少しずつチャレンジと休憩を繰り返すうちに、ママも子供も楽に過ごせるようになるでしょう。無理をしすぎないことが大切ですね。

小さなステップを手をつないでのぼってみよう

手を繋ぐ amana images

子供には社交的になってほしい...。これは多くのパパやママが子供に対して思っていることではないでしょうか。保育園や幼稚園に入園することは、生まれて初めて小さな社会に飛び出していくことです。わが子がどんな風に他の子供とコミュニケーションを取るのかとても気になりますね。

ついつい「仲良く遊んでほしい」とゴールばかり見てしまいますが、大切なのは小さなステップを踏んでいくこと。さらに人見知りの子にとっては「ステップをママと手をつないでのぼっていく」という安心感が必要です。

焦らずに小さなステップからスタート。子供の心を大切にサポートしてあげましょう。

<取材協力:臨床発達心理士 新井範子先生>

我が子の発達が気になるママに伝えたい 臨床発達心理士のつぶやき

記事の感想を教えて下さい

7月1日〜17日に記事の感想をご投稿くださった読者のみなさまの中から、抽選で10名様にギフト券500円分をプレゼントさせていただきます。なお、当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせて頂きます。

「人見知り」 についてもっと詳しく知る

関連する記事

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。ママリ編集部のコンテンツに対する考え方(または取り組み)についてはこちらもご覧ください。

カテゴリ一覧

フォローすると公式アカウントから、最新の情報をいち早くお届けしています!