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幼児期の子どもと「身体」のことをどのように会話すればいい?

幼児期の子どもたちは、自分の身体に何が起こっているのか、保護者や、身近な大人たちに知ってもらおうとするようになります。周囲の大人たちは、子どもたちの身体のパーツがいったい何なのか、そして、子どもたちの身体は子どもたち自身のものであるということを、理解できるようサポートしてあげることができます。今こそ、身体に対して健康的で前向きなイメージをもてるように準備をすることや、他の人たちのことを尊重することを教えるときなのです。

©命育

どのようなことに気をつけるといいですか?

幼児期の子どもたちは、自分の身体についてコミュニケーションをとる方法を学ぶ必要があります。子どもたちは、身体のパーツの名前を学び、身体に対して感じていることを、伝えられるスキルを身につけることが大切です。

保護者の皆さんは、子どもたちが身体について的確にコミュニケーションできるように手助けしてあげることで、子どもたちを守ることができ、また将来、子どもたちが自分自身をケアすることができるようになります。

あなたのお子さんが大人になったとき、自分の身体をどのように感じていてほしいですか?小さな子どもの多くは、自分の身体に対して「境界」を感じていません。なので、多くの子どもたちは、裸で走り回るのが大好きですよね。そんなとき、保護者として、子どもたちに自分の身体を恥ずかしく思わせないように、その場にふさわしい行動をとることができるよう、声がけをする必要があります。

自分の身体を恥ずかしく感じさせてしまう言葉や口調とは、どのようなものだと思いますか?(例えば、「シャツを着なさい!恥ずかしい!」)そのような言葉・口調の代わりに、適切な行動をとらせる別の方法は、どのような言い方があるでしょう?(例えば、「ご飯の時間ですよ。さあ、服を着ようね。」)

また、幼児期の子どもが自分の性器に触ることは正常なことなので、心配はいりません。

身体の部分について、子どもたちにどう話をすればよいですか?

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たくさん話をできるようになると、子どもたちは、性器を含むすべての身体のパーツの名前を知る必要があります。お風呂、朝のお着がえ、夜のパジャマへのお着がえは、身体のパーツを知るのにピッタリな時間。

もし保護者自身に抵抗がなければ、おちんちん、おまた、あそこなどの呼び方の代わりに、ペニス(陰茎・いんけい)、精巣(せいそう)、ワギナ(腟・ちつ)、など、正式な名前を使用してください。正しい名前で呼ぶことによって、これらのパーツを、恥ずかしいものではないと伝えることができます。

また、性器について会話するときの態度も大切です。お父さん、お母さんは、過剰に(怒ったり恥ずかしがったり)反応していませんか?そのような態度は、子どもたちに、身体についてに質問をしたり、疑問や悩みを抱いてはいけないんだと思わせてしまいます。なので、冷静さを保ち、子どもたちと会話をするようにしてください。

また、性器を含むプライベートゾーンは、誰が見たり触れたりできるか、明確に伝えておきましょう。シンプルなルールを教えておくことで、子どもたちを性的虐待から守ることに役立ちます。

例えば、このような伝え方があります。

「お父さんとお母さん、病院では、お医者さんや看護師さんだけが、プライベートゾーンを見てもいいよ。他の誰かが、見たり触ったりしたときや、あなたがイヤな方法で触ってこようとしたときは、すぐに教えてね。」

子どもからの質問に答えるときは、細かいところまで伝える必要はありません。例えば、胸についている小さなものはなに?と聞いてきた場合。

「これは乳首というよ。誰もが乳首を持っているよ。」で、大丈夫。すべての人が母乳で育てているわけではないので、母乳育児についてや、なぜ誰もが乳首を持っているのか?という理由を説明する必要はないでしょう。

誰が何を持っているの?という性別の違いについて

幼児期の子どもは、性器について質問することや、男の子と女の子で身体がどのように異なるかについて質問することがよくあります。

最も簡単に答えるのであれば、女の子には腟があり、男の子にはペニス、精巣があるということですが、その答えは、すべての男の子と女の子に当てはまるわけではありません。

性自認(ジェンダーアイデンティティ)が「男の子」でも、腟がある子どもがいて、性自認(ジェンダーアイデンティティ)が「女の子」でも、ペニスや精巣がある子どももいます。性器によって、男の子か、女の子か、決まるわけではありません。

なので、こういえるでしょう。「ほとんどの女の子には腟があり、ほとんどの男の子には陰茎や精巣があるよ。」

ただし、ジェンダーについてどのように子どもに伝えていくのかは、保護者自身の価値観や子どもの成長に応じて考えるとよいでしょう。

幼児期の子どもが、前向きなボディイメージを持てるようにする方法は?

幼児期の今こそ、子どもたちが身体について健康的で前向きな気持ちになれる土台を築く良い時期です。これによって、友人たちや周囲の人間、メディアなど、将来的に身体に対するイメージに悪影響を及ぼしうるものから、子どもたちを守ることができます。

子どもたちの耳に、身体に対する否定的な情報が入らないように気をつけてください。保護者自身が、自分たちの身体(特に子供の前では)の見た目について否定的なことを言わないようにしましょう。

また子どもたちは、自分の身体とは異なる見た目の身体がある、ということに気づくことがあるでしょう。そのときこそ、すべての人はそれぞれに違った身体を持ち、誰もがそれぞれで美しいということ、そして完璧な人など存在しないことについて、子どもと話をすることができる瞬間です。また、自分とは異なる人を尊重するということを、子どもに伝えるよいチャンスです。

多様性を受け入れましょう。アニメキャラクターや本などを活用して、さまざまなアイデンティティを持つ人たちや、さまざまな肌の色をもつ人たちの物語に触れることは、子どもにとって良い機会になります。それは、すべての人種や民族の子どもたちにとって大切なことです。

さまざまな文化やアイデンティティを知ることで、子どもたちの「普通」と「美しい」という概念がさらに広くなり、多様な世界をより自然に受け入れるようになるでしょう。

【性教育動画】幼い子どもに身体のこと、どのように話をすればいい?

最後に、全米家族計画連盟(※)の情報をもとにした動画を紹介します。自分の身体について子ども自身に知っておいてほしいこと、保護者や周囲の大人が気をつけたいことをわかりやすく解説しています。

(※)全米家族計画連盟(Planned Parenthood Federation of America/PPFA)

アメリカで1916年創立された女性の性・生殖に関する医療サービスを提供する非営利組織。全米に600以上の施設をもち、医療者による安全な人工妊娠中絶手術、避妊薬の処方、性病治療といった医療を手ごろな価格で提供している。学術調査や性教育にも力をいれており、学校や地域コミュニティ、オンラインなどにより毎年120万人の人々に性教育プログラムを実施。 International Planned Parenthood Federation(国際家族計画連盟)に加盟。

PPFAの動画を見る(命育サイトへ)
PPFAサイトを見る(英語)

©Planned parenthood Federation of America(PPFA) /監修:産婦人科医 高橋 幸子、翻訳:命育編集部

※この記事は、性教育サイト命育『【国際基準の性教育】幼児期の子どもと「身体」のことをどのように会話すればいい?【動画付】』(https://meiiku.com/howtonavi/preschoolbody/)の転載です
※同コンテンツはPPFAの許可を得て翻訳・監修のうえ「命育」が作成したものです。無断転載は固く禁じます

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