監修:井手真理 先生

虫歯の放置はリスクが高い、妊娠をきっかけに歯科健診の習慣を

妊婦を対象とした歯科健診があることを知っていますか?妊娠中の虫歯や歯周病などを放置してしまうと、お腹の赤ちゃんに影響が出てしまうことがあります。歯に痛みを感じていなくても口の中には虫歯菌が増えていることがあるので、必ず歯科健診を受けましょう。健診の結果虫歯が見つかったとしても、安定期には麻酔をして治療を受けることができます。大きな虫歯も出産時にトラブルが起きないように処置することができます。

PIXTA

妊娠中の歯科健診、受診している?

妊娠中の歯の健康について考えたことはありますか?自治体によっては母子手帳と一緒に歯科健診の受診券が配布されるなど、妊娠中の歯科健診が推奨されています。

一方で「今は歯に違和感がないから」「出かけるのが億劫だから」と歯科健診を受けないケースもあるようです。平成25年度、愛媛県新居浜市が妊婦382人を対象に行った調査によると、妊婦歯科健診の受診率は37.7%。約3人に1人しか妊婦歯科健診を受けていないことがわかります。

しかし、妊娠中こそ歯の健康を守ることが大切で、赤ちゃんのためにも必要なことなのです。妊娠中の歯科健診はなぜ必要なのか、イデアデンタルクリニック(東京都巣鴨)院長の井手真理先生のお話をもとにご紹介します。

出典元:

妊娠中に歯科健診が必要な理由

妊婦 PIXTA

井手先生によると、妊婦が歯科健診を受けるべき理由は2つ。まずは自分の虫歯や歯周病を見つけて早く治療するため。そして2つ目は赤ちゃんのためです。

妊婦と虫歯、そして赤ちゃんと虫歯の関係について詳しくお伝えします。

妊婦は虫歯になりやすい

妊娠していない人に比べ、妊娠中の女性は虫歯になりやすい傾向があります。これは妊娠中のつわりで歯磨き粉の匂いが嫌になったり、歯磨きを口に入れること自体で吐き気が出てしまったりで歯磨きがおろそかになることも1つの原因のようです。

また、吐きづわりで吐き戻したり、酸っぱいものが食べたくなったりする影響で、口の中が酸性に傾きやすくなります。口の中が酸性だと虫歯になりやすいため、妊婦は虫歯になりやすいといわれているのですね。

虫歯や歯周病は早産、低出生体重児を引き起こすことがある

陣痛 PIXTA

虫歯や歯周病の菌は、ママだけに悪影響をおよぼすわけではありません。井手先生によると、虫歯や歯周病の菌が早産や低体重での出生を引き起こす原因になりうることがわかっているといいます。

虫歯はその歯だけの問題ではなく、口の中全体に虫歯菌がいるということ。そしてその菌は口の中から血液に回り、早産や低出生体重児につながってしまう場合があるというのです。

さらに虫歯菌は虫歯が痛んできて初めて存在するものではなく、虫歯ができていく過程で増えていくもの。だからこそ、まだ歯が痛む状態でなくても健診に行った方がよいのです。

歯科健診を受ける時期と、虫歯があったときの治療法

歯科 PIXTA

では、歯科健診はいつ受けるべきで、もしも虫歯があったらどうすればよいのでしょうか。井手先生に聞いた、歯科健診を受けるのにおすすめの時期と、虫歯があった場合の治療についてお伝えします。

歯科健診は安定期に入ったらすぐ受けて

井手先生によると、歯科健診は安定期に入る5ヶ月ごろがおすすめだそう。つわりが落ち着く妊婦も増えてきて健診にでかけやすくなることや、つわりの影響で虫歯になりやすくなっている口の中の環境をチェックできる機会になるからだといいます。

また、歯科治療も安定期中に始めて完了させたいため、安定期に入ったらなるべく早く受診するとよいようですよ。

妊娠中でも麻酔を使って治療できる

歯科 PIXTA

虫歯が見つかった場合、安定期の治療では麻酔を使って治療を行うことができます。歯科治療で使う麻酔は量が少なく、また局所麻酔であるため、赤ちゃんへの影響は心配しなくてよいそうです。

安定期中に治療が難しいほど大きな虫歯の場合や、安定期を過ぎて出産間近の妊婦に虫歯が見つかった場合には、応急処置として痛みを感じにくいようにするといいます。

虫歯が悪化しては育児が始まってからも辛いですね。まずは応急処置を受けられるだけでも少し安心できるでしょう。

産後も治療と健診を続けて

歯科 amana images

出産後も続けて歯科を受診するようにしましょう。それは大切なお子さんの歯を守ることにもつながります。子供にとって虫歯菌に感染しやすくなるのが、乳臼歯が生える1歳半から子供の歯が生え揃う3歳ごろまでといわれています。この時期に差し掛かる前に、ママが虫歯を治療しておくと安心です。

また、虫歯の治療が完了した場合や健診で虫歯がなかった場合でも、定期的に歯のクリーニングに通って、口の中のばい菌を減らしておくと安心です。子連れでいける歯科医院もあるので、子供も一緒に連れて行き、ママが健診を受けている様子を見せるのもよいようです。

井手先生も「ママが歯科医院で歯のメンテナンスで気持ちよくなって帰る様子を見せておくと、子供も歯科にかかるときに抵抗なく来られるようになりますよ」とアドバイスをくれました。親子で歯をきれいに保つ習慣をつけていきたいですね。

妊娠をきっかけに、定期的に歯科健診をうける習慣を

ママ 笑顔 赤ちゃん PIXTA

妊娠中の歯科健診は、ママだけでなく赤ちゃんを守るためにも大切だとわかりました。虫歯はある日突然現れるものではなく、日々の生活習慣や食習慣によって少しずつ進行し、痛みが出るようになっていきます。

井手先生がすすめるように、妊娠をきっかけとして、ママ自身が自分の歯を守っていく意識作りをしていくことが必要ですね。お腹の赤ちゃんのことは気になるものの、つい自分の事は後回しにしやすいもの。しかしママの健康こそ、赤ちゃんの健康に直結するものなのです。

定期的に歯科健診を受けて、子供もママもピカピカの歯で笑っていたいものですね。

記事の感想を教えてください

6月1日〜6月30日に記事の感想をご投稿くださった読者のみなさまの中から、抽選で10名様に「ギフト券」500円分をプレゼントさせていただきます。なお、当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせて頂きます。

記事の監修

idea dental clinic 院長

井手真理 先生

「妊婦」「歯科」 についてもっと詳しく知る

関連する記事

出典元一覧

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。ママリ編集部のコンテンツに対する考え方(または取り組み)についてはこちらもご覧ください。

カテゴリ一覧

フォローすると公式アカウントから、最新の情報をいち早くお届けしています!