妊娠中の今。どうか赤ちゃんが健康であってほしい…
赤ちゃんがお腹に宿ってから、私の気持ちはめまぐるしく変化していきました。
一人目を妊娠したときは、何もかもが初めてで不安な気持ち。
それでも、まだ見ぬ赤ちゃんの誕生がとっても楽しみで、希望に満ち溢れた毎日を過ごしていました。
そして二人目妊娠中の今。
ただでさえ娘のイヤイヤ期で疲れきっている日々なのに、育児や家事、仕事をきちんとできるかな?
今は娘が可愛くて仕方ないけれど、ちゃんと平等に二人を愛すことができるかな。
そして何より、元気で、健康に育ってくれるかな…。
漠然とした不安を抱えた私は、いてもたってもいられず、ママリを見てみることにしました。
妊娠中、不安になるのはどのママも同じ。それなら、少しでも安心できる方がいい。
もしものときに希望を託せる「さい帯血」について知った私は、とある場所を訪ねることにしました。
赤ちゃんを守る「さい帯血」って?ママリ編集部が研究所を見学してきました
私が訪れたのは、東京都内にある「ステムセル研究所」。
全国の病院で集められた「さい帯血」がここに集結し、保管できる状態になるよう処理されていきます。
研究所のなかでもさい帯血についてよく知る、佐藤さんと土山さんにお話をうかがってきました。
そもそも「さい帯血」って何?
さい帯血とは、へその緒や胎盤のなかに含まれている、赤ちゃんの血液のこと。
さい帯血のなかには、体をつくるもととなる「幹細胞」が豊富に存在しているため、病気の治療方法の一つとして役立つのでは…と考えられています。
さい帯血が、白血病など血液疾患の治療に使われ始めたのが数十年前。
今では脳性まひや自閉症など、脳神経系疾患に対する治療も期待されており、世界的にも研究が活発に進められています。
このような再生医療の分野が安全に、かつ活発に進められるよう、2014年に再生医療の法律が施行されました。
この法律では、専門機関の査察を受け許可を取得した企業であれば、再生医療で使用する細胞の加工が認められているのだとか。
佐藤さん「日本でも、2017年1月に高知大学医学部附属病院が、脳性まひに対するさい帯血を用いた臨床研究を開始しました。
この先研究が進めば、もっと別の使いみちが見つかるかもしれません。
さらには、生まれたての細胞(遺伝子)を保管しておくことで、病気の原因がわかったり、もっとたくさんの人に役立てたりできるかもしれません」
さい帯血は将来の可能性を大いに秘めているのですね。
「さい帯血バンク」って何?
さい帯血バンクとは、さい帯血を保管しておく場所のことで、「民間バンク」と「公的バンク」に分けられます。
民間バンクは「ファミリーバンク」とも呼ばれているとおり、赤ちゃん本人や家族のために使うことを目的としています。
一方で、公的バンクは第三者のために提供されるため、寄付をするかたちなんだとか。
民間・公的どちらに預けるかは、ぜひ家族で話し合って決めていきたいものですね。
メリットばかりのさい帯血。課題はある?
ここまでお話を聞いていると、さい帯血はメリットばかりのように思えてきます。
しかし、再生医療でのさい帯血は、まだ研究段階にあるものが多いというのが現実。
治療の可能性については、研究者のなかでも多様な考え方がある状態だそうで…。
佐藤さん「再生医療の需要は高まっていますが、今は『安全性』と『有効性』を確認する段階の研究がほとんどです。
病気を研究している先生に向けて、高い品質のさい帯血を提供するのも、私たちの仕事の一つ。
安全に提供し続けていくことで、我々の活動への信頼がおのずと高まるのでは…と考えています。
さい帯血によって治るかもしれない病気がある。その臨床研究をするためには、我々のようなバンクが必要なのです。
再生医療が根付いて、さい帯血がもっと活用されればいいなと願っています」
さい帯血バンクは誰でも利用できる?
さい帯血の認知度はまだまだ高くない状態ですが、2017年2月に4万名様分のさい帯血を預かったところだそうです。
徐々に広まりつつあるさい帯血。私自身も二人目妊娠中のいま、やっと知ることができました。
また、知っていても利用しない人がいる理由の一つは、費用にあるようで…?
土山さん「民間さい帯血バンクは、採取していただく産科医の協力が得られれば、どなたでも利用することができます。
お子さんを思う気持ちはみなさん同じだと思いますが、保管するには費用がかかります。
さい帯血を保管する価値は人それぞれ。まずは多くの親御さんに知っていただきたいと思っています」
佐藤さん「二人目のお子さんだけさい帯血を保管している方もいらっしゃいます。
病気の分野によっては、兄弟姉妹のさい帯血の方が適している場合があります。
家族のさい帯血があるということは、治療の選択肢の一つになりますし、医学的にも価値があることだと思います!」
さい帯血の保管方法を教えて!
さい帯血は、赤ちゃんがへその緒から切り離されたあと、産後数分のあいだに採取されるものです。
へその緒に針を刺して血液をとるので、赤ちゃんにもママにも痛みや感覚がないそうです!
ですから、母体にも赤ちゃんにも危険性のない安全なものだといわれています。
土山さん「さい帯血は医師や看護師の方に採取していただきます。弊社輸送管理部が365日体制で輸送をアレンジしていますので、採取のご連絡を受けましたら、全国どこからでも48時間以内に細胞処理センターに届き、作業が開始できるようになっています」
佐藤さん「さい帯血から、必要な細胞を分離・抽出して、最終的には濃縮してから小さい血液バックに入れます。
保管中に破損しないよう、外側をアルミのカセットで保護して凍結します」
なぜステムセル研究所を選ぶ人が多いの?
ステムセル研究所は、日本国内の民間バンクシェア90%以上なのだそうです。
なぜこんなにも多くのママたちに選ばれているのでしょうか?
土山さん「ステムセル研究所では、お問い合わせをいただいた時点で専任のサポーターがつきます。
出産前の準備からさい帯血が保管されるまでの間、一人が専属で対応するため、妊婦さんに安心していただける体制を整えております!」
佐藤さん「ステムセル研究所は、設立から18年が経ちました。
現在は、4万名様分のさい帯血を預かったところです。
万が一のときに使うさい帯血ですから、長年の実績があるということが、安心できる材料になるのかもしれませんね」
まずは、知ってほしい。そして、未来にかけてほしい。
土山さん「さい帯血は、出産のときにしかとれません。まずは世の中のみなさんに、さい帯血のことを知ってほしいですね。
知ったあと、保管するかしないかはご夫婦・ご家族で話し合って決めることだと思います。
知らずに通り過ぎていく方を少しでも減らしたい!という気持ちで、日々活動しています」
佐藤さん「出産って、人生で最高に幸せなときですよね。反対に、お子さんが重い病気になったときは、簡単には受け入れがたい難しい事柄だと思います。
今はまだ発展途上の分野であっても、子どもの万一の事態に向き合うために、『未来の可能性に期待する』のは親心として自然なことだと思います。
さい帯血についてもっと知り、保管や寄付を検討すること自体が、親になるためのステップとして大切な位置づけにあるのではないかと思います」
さい帯血を知った今、私が「ママとして」思うこと…
今回ステムセル研究所を見学してみて、まずは「さい帯血について正しく知ること」が一番大切だと実感しました。
万が一我が子が病気になってしまったとき、さい帯血で救える日がくるかもしれない。
これから生まれる我が子のさい帯血が、家族の命を救ってくれるかもしれない。
今はまだ研究段階にあっても、これから先何十年か経ったときに、使い道が増えている可能性があるかもしれません。
もちろん、我が子にさい帯血を使用するシーンが訪れないのが一番の幸せです。
それでも、母として我が子を守る選択肢を増やせるよう、私もさい帯血バンクを検討してみようと思いました。
さい帯血は、出産の「お守り」のようなもの
ステムセル研究所では、さい帯血の保管を申し込んでから、専任の担当者がサポートについてくれます。
わからないことや不安を取り除くことが大切なので、まずは問い合わせてみましょう。
- 申込方法:必要書類に記入し、産院・ステムセル研究所に提出
- 契約料金:210,000円(税抜・10年間保管)
- 支払方法:一括、12回払、24回払
ステムセル研究所についてもっと知りたい方は、見学会に参加してみるのがおすすめ!
さい帯血について何も知らない私でも、一つずつていねいに教えてもらえたので安心しました。
これから出産を控えるママたちに知ってもらいたい。お守りがわりに「さい帯血バンク」はいかがですか?