食生活が偏りがち、食欲が出ない…妊婦さんを悩ませる秋の体調管理
秋になると、天気や時間帯によって暑かったり寒かったりしますよね。
妊娠中は体温が高くなりがちなので、季節の変わり目は、特に体調管理に気をつかいます。
食生活が偏りがちになったり、食欲がなくなったり…。と感じている妊婦さんもいるのでは?
朝晩の寒暖差も体の負担に…
秋口になると、朝晩に気温差が生じるようになります。
これもまた体に負担がかかる一因。
そもそも妊娠中は、日々体調が変化するもの。
そのため、体調管理を難しいと感じる妊婦さんもいるようです。
秋の体調管理が気になる妊婦さんが摂っておきたい5つの栄養素
秋の不調をケアするには、どんな栄養素を摂ったほうがいいのでしょうか?
管理栄養士の田中千尋さんにお聞きしました。
1.体内の働きに関わるビタミンB群!
「まず知ってほしいのが、ビタミンB群です。ビタミンB群は、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸の8つを指します。ビタミンB群は、それぞれが体内の働きに異なって関与しているため、必要に応じてまんべんなく摂ることをおすすめします。
特に、葉酸は、不足すると悪性貧血を引き起こすことがあります。
葉酸は、妊娠初期に必要なことでも知られていますよね」
2.欠かせないビタミンC!
「ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲン合成に必要なビタミンです。
このため、ビタミンCが不足すると、コラーゲン合成ができなくなります」
3.赤ちゃんの体づくりにも大切なカルシウム!
「カルシウムは、骨や歯のもとになるため、赤ちゃんの体づくりにも大切な栄養素です」
偏った食生活で不足する栄養素も
食欲がなくなると、偏った食生活になりがちです。田中さんいわく、こうした食生活が原因で不足する栄養素があるのだそう。
「食欲のない時には、ついのど越しのいいものばかり食べてしまいますよね。
そうめんやそばなど炭水化物中心の食生活だと、肉や魚が不足しがちです。
そこで補いたいのが、たんぱく質と鉄の2つの栄養素です」
4.筋肉や皮膚のもととなるたんぱく質!
「たんぱく質は、筋肉、皮膚、内臓、骨、歯、爪、髪の毛などのもととなる栄養素。不足すると、体の不調にもつながります。
また、赤ちゃんの成長を考えても大切な栄養素です」
5.ヘモグロビンの生成に欠かせない鉄!
「鉄は、赤血球中のヘモグロビンの生成に関与しており、不足すると貧血の原因になります。
また、一般的には、肉や魚に含まれる動物性の鉄の方が吸収しやすいと言われています。
そもそも妊娠中は鉄不足になりやすいんです。妊娠後期には、おなかに赤ちゃんがいるため妊娠前よりも血液量が多くなるからです」
秋の体調管理のために妊婦さんが取り入れたい食材は?
秋の体調管理をしたい妊婦さんに必要な栄養素が手軽にとれる食材やアイデアを教えてもらいました!
「ホット甘酒+ヨーグルト+○○」で気軽に栄養補給!
「甘酒はビタミンB群、ミネラル、食物繊維やオリゴ糖を含む食材なんです。これにたんぱく質とカルシウムを含むヨーグルトを混ぜた『甘酒ヨーグルト』がおすすめです!
体を冷やさないよう、ぜひホットがおすすめです!鍋にかけるのが面倒なら、甘酒1:ヨーグルト3~4の割合でマグカップに入れて電子レンジで温めるだけでOKです。
甘酒は、アルコール分のない米麹から作られたものを。糖の摂り過ぎは、妊娠糖尿病が心配なので、甘酒の量は1日200mlまでにとどめてください」
これなら1日1回、気軽に取り入れられそうです。さらに不足している栄養素に合わせて、食材をプラスしてもいいとか。
- 肉や魚不足が気になるなら……+きなこ(たんぱく質、食物繊維、鉄、葉酸)
- 鉄不足が気になるなら……+ドライいちじく(食物繊維、カルシウム、鉄)
- 冷えが気になるなら……+ショウガ(ショウガオールが体を温める)
食欲のないときは、食べられるときに食べられるだけ食べたいものを
最後に、田中さんに秋の体調管理をしたい妊婦さんヘメッセージをお願いします!
「秋の体調管理のための食事は“量より質”といわれています。
とはいえ、食欲が出なかったり、食べ物の好みが変わってしまったりした妊婦さんもいますよね。
食欲のないときは、食べられるときに食べられるだけ食べたいものを食べるのがいいと思います。
食べることがストレスになっては本末転倒ですから」