育児?キャリア?自分が何を優先すべきか…迷っているママはたくさん
独身でも、子どもがいてもいなくても…。自分自身のキャリアについて、皆さんも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
「育児をしながら仕事をする」
そう選択したママたちにも、たくさんのお悩みがあるようです。
仕事と育児の両立が不安
子育てしやすい環境を求め、転職を考えています
キャリアと第二子、どちらを優先するか迷っています
キャリアと言っても、今産休育休中の人が多く、育休明けの人は社内でも皆行きたがらない部署に回されます😨
子供が三歳になるまで私はその部署に居ますが、別の部署に空きが出るので、通勤距離が短くなるし私が異動する可能性があり嬉しい事なのですが、いずれは二人目欲しいなぁという気持ちで揺れてしまっていて…

男性も育児を行う時代とはいえ、出産は女性にしかできないこと。
仕事を休まざるを得ない期間、そして子育てと仕事との両立に悩む場面もたくさんありますよね。
ママたちが迷う「自身のキャリア選択」について、今回は自身もたくさんのキャリアチェンジを経験してこられた、若槻千夏さんにお話を伺いました。
人生で一番のターニングポイントは?決断をした理由を教えてください
大きいテーマですね!笑 ターニングポイント…やっぱり一番大きいのは、芸能活動を休んでアパレルの道に進んだことだと思います。
特に私の場合、17歳でデビューをしていて、世の中の常識や社会のマナーというものを全く知らないまま、お仕事をしていました。
周りの大人が何でもやってくれるという環境…。
実力不足を痛感!周りは完璧な人ばかりだった
私自身、周りにちょっとダメな人がいると、「ラッキー」と思っちゃうタイプ(笑)。芸能界に入るまでは、そこに身をおくことで、自分のダメさが目立たなくなる気がしてラクだったんです。
でも、芸能界に入ってハッとしました。一線で活躍している方々は本当に完璧な人ばかりだったので、そんな環境にストレスはあったと思います。
このままだと、ダメな大人になる…
そのうち、自分自身でやらないといけないことも当然増えてきて。二十歳過ぎくらいに我に返っちゃったんですよ、私一人じゃ何もできないじゃん!って。
その時に、このままじゃダメだ!大人になった時にダメになっちゃうって思ったんです。
競争率の激しい芸能界…年齢的なものも相まってちょっとくじけてしまっていたのと、芸能以外のお仕事にも興味を持ち始めたタイミングも重なって。
ここでリセットではないですけど、一回チャレンジしてみたいな、と思ってアパレルの道に進みました。
たった一人でロサンゼルスへ!後ろむきな気持ちになったことは?
知り合いもいないし、英語も話せなかったけど、つらいことはなかったですね。
でも振り返ってみれば、やっぱり大変だったかな。
落ち込んでいる時間は全くなかった
当時は住む場所も決めてなかったので、今日はどこに泊まろう…、どの外国人に頼もう…みたいな毎日。
悲しいとか、寂しいとか、考える時間がなかったというのが正直なところです。毎日いっぱいいっぱいで、我に返る瞬間さえなかったですね。
「やるしかない」という思いが後押ししてくれたんだと思います。追い込んで追い込んで頑張れるだけ頑張りましたね。
目標は1日20着の古着を集めること
というのも、きちんと商品として成り立つ古着の買い付けって、すごく難しいんです。
「1日20着集める」という目標は立てていたんですが、一点物がほとんどだし、ダメージが目立ったり、日光で色味が変わってしまったものもあったり。
商品としてお客様に販売できるものにはなかなか出会えないんです。
1日に何十軒も古着屋をまわったり、倉庫に行ったりするんですけど、集められるのは5〜10枚程度。
10枚集まった日にはもう、今日最高!ビール飲む!みたいな(笑)!
「本音ではない日記」で両親を安心させていた
実は、渡米する時に、車もマンションも携帯も全部解約していて、事務所と両親が私の生存を確認できるのは、mixiのみ。
「あ!10分前にログインしてる!今日も生きてる!」ってログイン履歴を見て生存確認してましたね(笑)。
家族とマネージャーだけに公開していた日記も、心配をかけたくなくて本音は書きませんでした。
あえて、「こっちは楽しいよ!」「この道選んで正解だった!」っていう文章を書くことで、自分を鼓舞していましたね。
今は、甘えたもんがち!ということに気づいて、めちゃくちゃ人に甘えるようになりましたけどね(笑)!
救ってくれた「新しい友人」と「叙々苑ドレッシング」
向こうでは、自炊はせずに、ほとんどジャンクフードでした。
倉庫を仕切っているメキシコ人のオーナーさんがいたんですけど、説得するために毎日一緒にメキシコ料理を食べて…。今メキシコ料理が嫌いですね(笑)!
「何言っているか分からないけど元気だな!」と言われたりもして。無事に倉庫を借りられることになった時はうれしかったです!
それと、現地で知り合った日本人ダンサーさんに、叙々苑ドレッシングの素晴らしさを教えてもらいました!
スーパーのサラダはファミリーサイズで日本と比べて量が多いし、ドレッシングが濃くて野菜の味がしない…。でも、叙々苑ドレッシングが全てを救ってくれましたね(笑)!
LAでのチャレンジ、会社設立、芸能界復帰、キャリアを選択する上で大事にしたことは?
大事にしていること…「自分が興味のあるものかどうか」ですね。
何事も我慢しないといけないこともたくさんあるんですが、興味があるという気持ちの方が大きくないと絶対にうまくいかない気がします。
私の場合、自分で立ち上げたということもあり、ついて来てくれる人のことも考えると、自分に信念や覚悟がないと難しくて。
「自分は本当にそれをやりたいか」ということを意識して選んできたつもりです。
裏切りたくなくて…芸能界復帰は迷っていた
でも、芸能界への復帰は、正直迷っていましたね。アパレルが軌道にのって、私を知らない人たちが洋服を買ってくれることが増えて。
w♡cのお店に立っていた時も、私のことを知らない子たちから、「あのクマタンのグッズ入りましたか?」とか普通に聞かれるんですよ(笑)!
私ではなく、クマタンに注目がいく中で、バラエティでクマタンの話をしたり、おもしろおかしくしたりすることで、クマタンを支持してくれている人たちを裏切ってしまうかもしれない、そんな思いがありました。
あの人がクマタンのデザイナー?めっちゃ喋るじゃん!みたいな(笑)。ガッカリされるのも嫌だったし。
キティちゃんのデザイナー・山口裕子さんとの出会い
実はちょうどその時期に結婚・出産をして、オリジナルキャラクターである「クマタン」のライセンス会社の設立も考えていたんです。
そんな中、ハローキティのデザイナーである山口裕子さんとお食事をする機会があって、「キャラクターの会社を立ち上げたいです。」と相談したんですよ。
そうしたら「若槻さんってそんなに喋るのに、なんでテレビに出ないんですか?」とシンプルに聞かれて。
ブランドと自分のイメージに溝を作りたくないという話をしたら、「ちょっとそれ、真面目すぎません?そんなのは、人がジャッジするもの。」って言われたんです。
「あなたは今、クマタンと若槻千夏を一緒にしたがっているけど、両方出ちゃえばいいじゃない!その上で、それぞれで評価を受ければいい。そんなに難しく考えることではないよ!」って。
確かにな!って心を動かされたあの瞬間が、芸能界復帰への第一歩でしたね。
結婚・出産を機に、何か自分の中で変わったことはありますか?
以前から声があがっていた、マザーズバッグや哺乳瓶、子ども服など、ママ向けグッズを作るようになったということでしょうか。
実際に自分がママになると、子どもにこういうお洋服を着せたい!とか、こういうものを使いたい!とか、そんな思いがどんどん溢れてきて。そこが一番変わったところですかね!
子どもたちとの時間を大切にしています
仕事をしながらも、なるべく子どもたちとの時間を大切にするようにしています。
タレントとしての私のことも、すごく応援してくれていて、テレビから流れる笑い声によく反応しています!
「あ!ママだ!ママ絶対出てる!」なんて言っていますね(笑)。
独身時代とは全然違う!自社のママスタッフに配慮も
あとは、ママになると独身時代とは全然違うスケジュールで動かないといけないじゃないですか、病院とか保育園の時間とか。
だからこそ、自社のママスタッフの希望はきちんと受け入れてあげたいと思っています。今までは19時、20時までだったけど、今はお迎えがあるから16時まで!という感じ。
子どもが小さい時期は特に、ワークライフバランスってすごく難しいですよね。
今の時代を生きる女性たちにメッセージをお願いします
壮大ですね(笑)!リアルに思ったのが、「やめたければやめればいい!でも、そこに戻れる人間関係は作っておいた方がいい」ということですかね。
戻ってきてもいいよ!と言われる「人脈作り」と「仕事ぶり」が大切
誰だって、特に独身時代は新しいチャレンジってしたくなるもの。でも、実際にチャレンジすると、うまくいかないこともあるし、前の会社にいた方がよかったなと思うことも当然あると思うんです。
その時に、戻ってきていいよ!と言われる人脈作り、仕事ぶり、をしっかりと築いておくことが大切だと思います。戻らないにしても、相談できる人脈があるのとないのでも、全然違うと思うから。
独身時代と180度違う夢を見てもいい!
私の場合、独身時代は、自分のデザインでパリコレに出たい!コレクションブランド作りたい!という思いでアパレルを始めたんですね。
でもママになってからは、その夢を全力で追いかけるのは当然難しくて。だったら今は子どもがいるリアルな私をキャリアに活かそう!って思ったんです。
何が言いたいかというと、独身時代の夢と180度変えてもいい!ということ。子育てでいろいろ疲れると、どうしても独身時代の自分がうらやましく感じてしまいがちだけど、今子どもがいるからこそ、広げられるものも必ずあると思うから。
今の自分と環境に向き合って、未来を見て動くというのが大切だなと感じますね!
撮影:高岡 弘