SAGA未来デザイン「ライフデザインプログラム」って?
大学生が将来のキャリアについて考えるセミナーは多く開催されている一方、仕事と家庭の両立と中長期的な自己実現などもスコープに含むものは未だ多くありません。
その中で佐賀県は、若年世代が主体的に自らの人生を設計(ライフデザイン)し、自身が望むライフプランを実現できる環境づくりの一環として、 SAGA未来デザイン事業に取り組んでいます。
令和7年度のプログラムでは、佐賀県内の共働き共育て世代と大学生が接点を持ち、そのリアルな生活やライフスタイルに触れて得られた気づきや学びを大学生が発表。
机上の空論ではない、生きた情報から多様な価値観に触れることができる体験型プログラムです。初日のDAY1では、大学生8名と市町職員12名が参加し、みんなで将来のライフプランを考えました。
ライフデザインカードを使って未来を描く
まずは、ライフプランを描く上で参考となるよう、佐賀県の共働き率などのデータをご紹介。その後、生活・仕事・健康という枠組みで、これからどんな働き方や暮らし方をしたいのかをワーク形式で深掘りしました。
「こどもが3人生まれる」「起業する」「地域コミュニティに参加する」などの設定が記載された『ライフデザインカード』から数枚を選び、その設定をもとにプランニングを進めていきます。
「子育てをする」という設定カードを引いた場合、具体的にイメージできないことも。そんなときは、子育てを経験している市町職員の方々が大学生の質問に丁寧に答えます。
「子育てって大変なイメージですが、実際どうですか?」という質問に「1人目の子育てはみんな手探りだと思う。2人目からは余裕が出てきたりもするよ」と答える声などがありました。
子育て家庭体験の前に基礎知識を習得
ライフデザイン講座の後は、後日行う子育て家庭訪問に向けて「こどもとのふれあい方講座」へ。
講師は、0〜2歳、3〜5歳、6〜8歳の区切りで、年齢ごとの発達について説明。乳幼児には「安心できる存在でいること」、未就学児には「一緒に楽しむ姿勢を大切にすること」など、関わり方のポイントを大学生に伝える時間となりました。
大学生たちはメモを取りながら、訪問先の家庭でどのように関わるとこどもが安心できるかを考え、シートにまとめていきました。
将来のライフプランを描きつつも、子育てと仕事の両立については、実際の声を聞いて理解を深めたい様子がうかがえました。
子育て家庭訪問開始!
ライフデザイン講座と子育てふれあい講座を受けた大学生は、後日ペアに分かれて子育て家庭を訪問。こどもと触れ合いながら、自分がライフデザインを描く上で参考になるよう、ヒアリングシートをもとに訪問家庭の方へ質問していきます。
Yさんが訪問した家庭での気づき
大学生のYさんが訪問した先は、4歳のお子さんを育てる3人家族の共働きのEさんご家庭。家事や育児を分担しながら、習い事や保育園の送迎に合わせて勤務時間を調整するなど、日々の生活を柔軟に組み立てていることが印象的だったそう。
「人生は何が起こるかわからない。だからこそ“今”を全力で過ごすことが大事」という言葉をもらったことが強く心に残ったと言います。
子育て家庭で様々な体験をし、ヒアリングもできたことで“支え合い”と“健康”の大切さを実感。子育ては大変な側面もあるけれど、周囲と協力し合いながら前向きに取り組めるものであるということ、楽しさや喜びもたくさんあるということが感じられたようです。
MさんとHさんが訪問した家庭での気づき
MさんとHさんは、6歳・4歳・1歳7ヶ月の3人のお子さんを育てるご家庭へ訪問。ご夫婦は公務員として働きながら、家事や育児を分担し、穏やかな暮らしを大切にされているそうです。
暮らしの面では、木のぬくもりを感じる家やこども部屋づくりが特徴的で、家族でのお出かけを楽しみたいという話が。大学生も「木のおうちっていいな」と自分の暮らしに新しい選択肢が生まれた様子。
「こどもと過ごす時間が精神的な健康につながる」という言葉や、「基本自炊だけど、無理をしないために外食も取り入れている」という話を聞いて、アウトソーシングを上手に活用していることが印象に残ったようで、子育ては大変なこともある一方、楽しみや喜びも多いことを知り、ポジティブに考えられるようになったそう。
他の大学生からの声
他の大学生たちからも「子育て家庭に訪問してお話できたことで、いろんなことが工夫次第で意外とどうにかなるんだと思った」「大学生の今、就職の先の結婚、子育てまで大体のライフプランを考えておくことで将来への不安が軽くなり、これからの人生が楽しみになった」というポジティブな言葉が。
正解はひとつじゃない。知ることで未来の選択肢が広がる
今回のプログラム参加を通じて、大学生は様々なことを対話や体験を通じて学んだようです。では、具体的にはどんな変化があったのでしょうか。全プログラムに参加した大学生の意識変化をみてみましょう。
これは、参加前、子育て家庭訪問後、全プログラム修了後それぞれのタイミングで参加大学生にとったアンケートのうち、「Q. 結婚、妊娠・出産、子育てについて、あなたが抱いているイメージに最も近いものを教えてください」という設問への回答結果をまとめたものです。
プログラムを重ねるごとに、結婚、妊娠・出産、子育てへのポジティブなイメージが増加していることが分かります。前提として、どんなライフイベントを重ねていくかは個人の選択によるものであり、正解はありません。
しかし、結婚、妊娠・出産、子育てといったイベントを将来、希望するにしても希望しないにしても「将来に漠然とした不安がある」という気持ちの中には、少なからず「それらをイメージしきれていないから」ということが背景にあるケースがあります。
今回のプログラムはその点に焦点を合わせて企画しており、「想定外のことが起こったとしても、自分はその変化に対応していけるだろう」という自己効力感を培うことや、将来のライフイベントへのポジティブなイメージ醸成をすることを目的としています。
佐賀県ではこれからも、学生の未来を応援する取り組みを続けていきます
