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監修:清水なほみ

感染者11人に1人は妊婦。妊娠中の「梅毒」感染に注意【医療監修】

性病には、クラミジアやカンジダなど様々な種類があります。その中の一つでもある梅毒の患者数は年々増加傾向にあり、妊婦の感染も報告が出ているのをご存知でしょうか。梅毒の母子感染は、死産や早産、新生児死亡、先天性梅毒のリスクがあります。今回は、梅毒の感染経路や予防方法についてご紹介。これから妊娠を予定している方や、すでに妊娠中の方は、梅毒に感染しないためにパートナーを含めて理解を深めておきましょう。

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梅毒症例1,117例のうち、106例は妊婦

国立感染研究所によると、2019年の第1週から第26週の約6ヶ月間に、届け出があった女性の梅毒症例は1,117例に。そのうち妊娠しているとされる症例は106例でした。

梅毒に感染している妊婦106例のうち、中でも多いのは、性風俗産業従事歴のない20代後半から30代前半の女性で、感染源が男性パートナーである可能性があると示唆しています。

梅毒の母子感染は死産や先天性梅毒のリスク

梅毒の症状はさまざまで、中には無症状の場合もあるため、本人が気づいていないうちに感染している場合も。

妊娠中に梅毒に感染すると、胎盤を通じて胎児にも感染し、死産や早産、新生児死亡、先天性梅毒を発症するリスクが伴います。

出典元:

梅毒はコンドームで防ぎきれない性病

悲しい 日本人 PIXTA

梅毒は、主に性的な接触によってうつる感染症。感染者と性的な接触がない限り、感染の可能性はありません。感染経路は、感染部位と粘膜や皮膚の直接の接触。具体的には下記になります。

  • 膣(ちつ)性交
  • 肛門性交(アナルセックス)
  • 口腔性交(オーラルセックス)

梅毒は、対策としてコンドームを着用していたとしても100%の予防にはならず、アナルセックス(肛門性交)やオーラルセックス(口腔性交)でも感染する可能性が高いのが特徴です。

自分だけ、相手だけが治療しても再感染する可能性があるので、パートナーも含めて完治させることが重要です。

出典元:

予防には、パートナーも含めた定期的な検査を

検査 日本人 PIXTA

先天性梅毒は、妊娠中でも早期に診断および治療を行うことで防げる疾患。

妊婦は、基本的に妊娠初期の血液検査で梅毒の検査が行われるので、検査時にすでに感染している人はすぐにわかります。しかしパートナーの検査はなく、妊娠初期の血液検査後にパートナーから感染してしまう可能性もあります。

万が一の場合に備えて、パートナーにも自分で病院を受診し血液検査をしてもらいつつ、梅毒に感染した際のリスクを共有していきましょう。妊娠中の性交渉の際には、オーラルセックスも含めて毎回必ずコンドームを使用し、感染には十分注意してください。

出典元:

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

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