1. トップ
  2. 妊活
  3. 「まさか自分が原因なんて」東京新聞記者が明かす“男性不妊の真実”、3年越しに子を授かって思うこと

「まさか自分が原因なんて」東京新聞記者が明かす“男性不妊の真実”、3年越しに子を授かって思うこと

東京新聞政治部記者である川田篤志さんは、ご自身の男性不妊というデリケートな経験を発信しています。世間の「不妊は女性側の問題」という根強い先入観が、いかに夫婦を苦しめ、治療のスタートを遅らせる原因になりえるのか――。川田さん自身が直面した衝撃の診断結果と、その後の苦悩、そして奇跡的な妊娠に至るまでの道のりには、同じ悩みを抱える方々への切実なメッセージが込められています。

Ⓒママリ

「不妊原因の半分は男性側に」知らなかった事実

東京新聞政治部記者である川田篤志(かわた あつし)さんが、ご自身の男性不妊の経験と、父親になるまでの道のりを赤裸々に語ってくださいました。

川田さんの経験は、不妊に対する世間の根強い「先入観」に鋭く切り込むものでした。科学が進んだ現代でも「不妊は女性側の問題」という考えが強く残っていますが、現実は大きく異なると、川田さんは動画の冒頭で強調しています。

「世間一般的に、不妊は女性側に原因があるっていう先入観、固定観念が、令和のこの時代でもやっぱりあって…(中略)それは現実とは全く違っていて、不妊の原因は約半分は男性(にある)ってのはもう科学的にも分かってることなので」

この、不妊の原因の男女比は半々であるという事実をまず知ることが、妊活の第一歩であると強く訴えかけます。

「別居婚」とすれ違いの妊活

Ⓒママリ

川田さんご夫妻は、2015年にご結婚されました。当時、妻は当時29歳、川田さんは34歳。お互いが記者という多忙な仕事柄、結婚後2年間は週末にしか会えない「別居婚」という形を取っていたといいます。子どもがほしいと思いつつも、週末婚では、なかなか排卵日を計算して子作りを行うことが難しかったと、川田さんは振り返ります。

その後、同居によって排卵日に合わせた妊活ができるようになりましたが、さらに1年たっても妊娠の兆しはありません。このころ、ご夫妻は「もしかしたら不妊かもしれない」という疑念を抱き始めたといいます。

「パートナーを傷つけたくない」「自分自身の怖さも…」検査を阻んだ壁

Ⓒママリ

不妊の可能性を意識し始めたものの、クリニックでの検査を切り出すことには高いハードルがあったと川田さんは振り返ります。

「妻に『不妊治療をしよう』っていうふうに誘うことも、ハードルが高いというか。彼女を傷つけてしまうんじゃないか」「断られてしまうんじゃないか」

川田さんは、妻を誘うまでに1か月ほど悩んだといいます。しかし、勇気を出して検査に誘ったところ、妻から返ってきたのは意外な言葉でした。実は、妻も検査を受けたいと思っていたのに「なかなか誘えなかった」というのです。

妻からすれば、川田さんが「不妊治療なんて受けたくない」と言うのではないかと怖かったそう。互いの心情を考えるがゆえに、不妊期間が長引いてしまった、心の壁があったのです。

加えて、川田さんはこの時「自分自身の怖さがあって検査に誘えなかった」という思いもあったと明かしています。検査を受けて不妊の原因を知ることは、自分にとってもパートナーにとっても負担になる可能性があるからこそ、なかなか言い出せないのかもしれませんね。

不妊の原因は「精索静脈瘤」――判明と自己嫌悪

Ⓒママリ

2018年5月、ご夫妻はともにクリニックを受診されます。

わずか2時間ほどで検査が終わり、川田さんの精子の「濃度」と「前進精子率」が、世界保健機関(WHO)の基準値を下回っていることが判明しました。

そして、夫婦で受けた不妊検査の結果、男性不妊の原因の一つである「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」と診断されます。自覚症状がほぼなかった川田さんにとって、この診断は大きなショックでした。

「自分が不妊の原因だったっていうのを現実を突きつけられた」
「自分は生物学的にダメなんじゃないかとか、精神的にはすごくショックだったできごと」

と、当時の心情を吐露されています。

術後すぐに妻が妊娠し、長女が誕生

Ⓒママリ

川田さんは精索静脈瘤が治る可能性を信じ、2018年9月に手術を受けました。手術は日帰りで可能な手術だったそうですが、やはり初めての経験に不安を感じたそうです。

医師からは「精子の質が良くなるまで数か月かかる」と言われていましたが、なんと、手術後の早い時期に、嬉しい報告がもたらされました。手術を受けた翌月、2018年10月に妻の妊娠が判明したのです。

「手術を受けてから、わりとすぐに彼女が妊娠したということが分かって...結果的に本当に手術を受けて良かったと思いました」

そして2019年6月、長女の莉子ちゃんが誕生。3年越しの願いがかなった瞬間でした。

「生まれたばかりのその子どもを見た時は、なんとも言えない感動...本当にかけがえのない瞬間でした」

川田さんはそのときのうれしい気持ちを振り返ります。

「早く検査を」後悔からの切実な願い

Ⓒママリ

長女の誕生から現在まで、川田さんはご自身の経験を東京新聞で連載し、男性不妊の当事者として積極的に発信をしています。これは、同じように悩む人たちに「後悔」をしてほしくないという切実な願いがあるからです。

川田さんは、もっと早く検査をしていれば、妻に余計な負担をかけずに済んだと後悔されています。

「2年間、3年間と妊活していたのに子どもができなかったということを踏まえると、もっと早く(妻を治療に)誘っていればまた違った人生設計になっていただろうし。そこはすごく反省しています」

また、不妊の原因は男性にもあるという事実を、もっとカジュアルに共有できる世の中になってほしいと訴えます。その事実さえ浸透すれば、不妊に悩むカップルが早期に検査を受け、原因を知って解決するきっかけになるかもしれません。

川田さん「不妊に直面している人は、なるべく早く検査を受けてくれたらいいなと思います」

勇気を出して、不妊検査への一歩を踏み出すことが、家族の未来を変えるかもしれません。川田さんのエピソードは、今、妊活に悩んでいる夫婦の背中を押してくれるものでした。YouTubeでは、川田さんへのインタビュー内容をフル視聴できます。

おすすめ記事

「」 についてもっと詳しく知る

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

カテゴリー一覧