代表的な小児難病とは?
子供がかかる「小児難病」とは、原因が必ずしも解明されていないような、医学的になかなか治りにくい子供の病気を指します。
具体的にどのような病気があるのか、病気の種類別に、その症状と発症率を詳しく見ていきたいと思います。
小児白血病
「白血病」は、中でも一番多い小児がんです。子供の難病のうち、小児がんが全体の約40%を占め、そのうち95%が急性白血病となっています。 発症率は、小児10万人のうち3~4人程です。
症状は、発熱、顔色が悪い、出血しやすくなる、鼻出血など、造血能力が失われてれてしまうために起こるものが多くみられます。
その他、骨痛、関節痛、リンパ節腫大など白血病細胞が増えることによる症状がみられることもあります。
小児川崎病
発熱、両目の充血、大小さまざまな形の発疹、手先や足先などの腫れ、首のリンパ節の腫れ、舌に赤く湿疹が出てくるなど、5つ以上の症状が当てはまると、川崎病と診断されます。
最も問題になるのは、心臓の血管に炎症が起きて、こぶが出来てしまうことです。こぶが出来た血管が詰まり、心臓に十分血液が行かなくなると、心筋梗塞を発症しやすくなります。
なお、患者の数が2011年は1万2774人、2012年は1万3917人と、発症率が増加傾向にあるので注意が必要です。
小児腎不全
子供の病気にも腎不全があります。小児腎不全は、腎臓の機能が激しく低下する、もしくは停止してしまう病気です。
症状としては、体重が増える、むくみ、おしっこの量が減る、貧血、食欲が落ちる、けいれん、骨が変形する、成長が遅れる、第2次性徴(男の子の場合声変わり、女の子の場合は生理など)が遅れる、などがあげられます。
発症率は、小児10万人のうち12人ほどと言われます。
小児糖尿病
糖尿病には1型と2型があり、日本では2型が多くみられます。なお、15歳までの子供は1型と2型が同じくらいかかっていますが、10歳未満は全て1型糖尿病です。つまり、小児期に多い糖尿病は1型といえます。
症状については、1型糖尿病は、太っていなかった子どもが急に痩せる、水を異常にたくさん飲むようになる、トイレが近くなる、夜トイレにいく回数が増える、などが多くみられます。
10万人あたりの年間発症率は1.5人と言われています。
各病気に対する名医の紹介
次に、それぞれの病気の名医のご紹介をしていきます。病院のリンクもありますので、参考にしていただければと思います。
白血病~小島勢二 (こじませいじ) 医師:名古屋大学医学部附属病院
白血病や再生不良性貧血といった難治性血液疾患や固形腫瘍の研究・治療を専門としている医師です。
なお、外来診療は予約制、紹介受診なので、患者個人の申し込みでは初診予約はできません。かかりつけの医療機関に相談して、予約を取ってもらいましょう。
川崎病~濵岡建城 (はまおかけんじ) 医師:京都府立医科大学附属病院
難治性川崎病の治療ガイドライン作成に携わるほか、2009年には日本川崎病学会会長に就任。川崎病を含めた「小児循環器疾患」領域と「小児腎臓疾患」領域、小児集中医療」を対象とした診療を行っています。
なお、初診を受けるには、紹介状が必要です。
腎不全~齋藤昭彦 (さいとうあきひこ) 医師:新潟大学医歯学総合病院
多様な疾患と幅広い年齢層に対応して診療しており、とくに先進医療・先端医療で治療成果をあげています。具体的に、先天性尿路異常や小児腎不全の診断と治療があげられます。
原則として紹介状が必要ですが、再来は予約制で指名することができます。
小児糖尿病~中山幹浩(なかやまみきひろ)医師:なかやまクリニック
小児糖尿病の他、甲状腺治療を得意とし、成人の糖尿病、甲状腺などの代謝・内分泌疾患、小児低身長症などの診療を行っています。また、なかやまクリニックは、「日本糖尿病学会」の認定専門施設で、名古屋市内外の近隣の総合病院と連携して治療にあたっています。
個人のクリニックのため、紹介状などは必要なく、診てもらうことができます。
まずはかかりつけのお医者さんに相談を☆
今回は大きな子供の病気を挙げてみましたが、いかがでしたか?もしかしたらこの症状って…大きな病気だったらどうしよう・・・などと不安になってしまうママもいるかもしれません。
ですが、焦りは禁物です。出来る限り冷静に子供の様子を見て、もし心配になるようでしたら、まずはかかりつけのお医者さんに相談してみてくださいね。
ママ以上に子供は苦しいものです。まずはお子さんを安心させてあげる言葉や態度をとってあげてください。