赤ちゃんにかける保険の種類とは
保険と一言で言ってもさまざまな種類があります。赤ちゃんに対してかける保険の種類としては、主に次のようなものが挙げられます。
- 学資保険
- 医療保険
- 傷害保険
- 生命保険(死亡保険)
- 個人賠償責任保険
赤ちゃんが生まれてパパとママが最初に検討するのは、教育資金の積立が目的の学資保険でしょう。学資保険とはどのようなものか、いつから加入できるのかについて簡単に紹介します。
学資保険
学資保険は赤ちゃんが生まれて最初に検討する保険といえます。主にまとまったお金が必要となる高校や大学の進学のための教育費用として積み立てるものです。
生まれてから検討するという人も多いかもしれませんが、学資保険は実は妊娠中から加入することができます。また早めに加入すると月当たりの支払う保険料が安く済むため、妊娠中から加入するママも少なくありません。
同じく教育資金の積み立てをする定期預金などと違う点は、契約者が親であるパパやママとなるということです。契約の内容によっては、契約者に万一のことがあった場合に保険料の支払いが免除となることもあります。
赤ちゃんに医療保険は必要?
赤ちゃんの医療費には公的な助成があります。そのため医療保険は必要ないといえるかもしれません。公的な助成である乳幼児医療費助成制度と、赤ちゃんに医療保険をかけておきたい場合について解説します。
乳幼児医療費助成制度とは
まず大前提として日本は国民皆保険制度となっています。これは国民の全員が国保や組合健保などの公的な健康保険制度に加入するというもので、これによって病院などにかかったときの医療費の本人負担は、6歳までの未就学児で2割となっています。
乳幼児医療費助成制度は健康保険に更に上乗せして公費による助成を受けられ、乳幼児の受診などにかかる自己負担を減らすものです。自治体によりますが無料または数百円の自己負担で病院や薬局にかかることができます。
これは通院、入院問わず使うことができる制度です。このため赤ちゃんが重大な病気になったとき、その治療が保険適用の範囲内であれば莫大な医療費の支払いが必要になるということはありません。
また県外の病院に受診した費用は対象とならない場合もあるため、注意が必要です。
赤ちゃんが入院する可能性
とはいえ、もし赤ちゃんが入院したらと考えると費用が全くかからないと言い切れません。
医療費は助成されますが24時間ママの付き添いが必要となる場合に食費であったり、病院が遠いときには交通費だったりが普段以上にかさんでくるでしょう。またママがパートで働いているときは給与が減ってしまうなど収入面での影響も考えられます。
厚生労働省の調査によると、令和2年10月時点で0歳児の入院数は8,900人にものぼったそうです[1]。これは1~4歳児の5,000人[1]とくらべて多いといえますが、これを可能性が高いと考えるかは人によるでしょう。
- 厚生労働省「(PDF)令和2年(2020)患者調査の概況 結果の概要_厚生労働省」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/dl/suikeikanjya.pdf,2023年7月25日最終閲覧)
あえて赤ちゃんに医療保険をかけるべきケース
入院する頻度が多いとは言い切れない赤ちゃんのこと、また我が子が病気になるといった想像をしづらいと医療保険をかけないパパ・ママも多いでしょう。
しかし次のような場合には赤ちゃんや子供の医療保険への加入を検討することをおすすめします。
- 乳幼児医療費助成制度が充実していない地域に住んでいる
- 先天性の疾患の疑いがある
- 医療費助成制度による対象年齢を超えた
既に紹介のとおり乳幼児医療費助成制度は自治体によって違います。未就学児までしか助成されない、受診1回につき500円の自己負担が必要という自治体もあります。
こうした公費助成が充実していない地域では、赤ちゃんのころから医療保険を検討しても良いかもしれません。
また先天性の疾患を持っているときやその疑いがあるときは、今後成長に伴い医療費が多くかかってくることが考えられます。既に診断を受けていると加入できない医療保険もあるかもしれません。早めにさまざまな保険を検討することをおすすめします。
赤ちゃんが医療保険に入るならどんな商品を選ぶ?
既に解説したとおり、赤ちゃんの医療保険への加入は絶対に必要なものではありません。それでも加入したいという場合には民間の保険会社だけでなく、都民共済や県民共済などの共済保険も検討してみると良いでしょう。
共済保険は一般的に保険料が安く保障の範囲も幅広いため、赤ちゃんの保険として人気があります。
また一方で民間の保険会社の商品では、保険料が年齢によって上がらないなどのメリットを打ち出しているものもあります。さまざまな商品を比較し、赤ちゃんに合った医療保険を選びましょう。
赤ちゃんが医療保険に入るならいつから?
加入するのであればできるだけ早くをおすすめします。できることなら生まれてすぐに加入しましょう。なぜなら医療保険は持病や既往症があると加入が制限されるためです。
生まれてすぐに先天性の疾患などが見つかる場合や、何かのきっかけで重篤な病気が発症することも考えられます。病名がついてからでは加入できなかったり、その病気に関する保障が対象外となったりする恐れがあります。
もしも妊娠中で加入を検討しているのであれば、赤ちゃんが生まれてすぐに入ることをおすすめします。
赤ちゃんに生命保険(死亡保険)は必要?パパ・ママの声
生命保険(死亡保険)に加入することの本来の目的は、家族の大黒柱が亡くなったときに残された家族に経済的な負担を負わせないためです。
この本来の目的と照らし合わせると、赤ちゃんに生命保険は必要ないでしょう。しかし子供の生命保険に加入するパパ・ママの中には違う考えをしている方もいます。そうした声を紹介します。
将来、子供へ保険をプレゼントしてあげたい
日本ではまだ珍しいが、海外では子供へ保険をプレゼントするという考え方がある。
例えば、子供が産まれたら0歳から終身保険をかける。子供が成人したときなどに、その保険を子供へプレゼントとして名義変更する。
受け取った子供は、そのまま保険を継続して払いつづけても良いし、解約してお金で受け取ってもよい。
この考え方っておもしろいな〜って思った俺ら夫婦は、息子と娘に終身保険をプレゼントすることにした。 出典: rx-oyaji.txt-nifty.com
子供の生命保険加入を考える理由として「将来、子供にプレゼントしてあげたい」という目的であることが多いようです。
生命保険の中には、将来ニーズに合わせて保障内容を変更できるタイプのものもあります。あるいは保険料が掛け捨てではなく、満期にお祝い金などが受け取れるものもあります。
保険をプレゼントする際には、将来保険を継続するのか、解約して解約払戻金を受け取るのかなどを子供の希望で決められるようなプランのものを選んであげるといいでしょう。
もし病気になったら保険に加入できないから
今回の娘の一件で、小さいうちに持病を持ってしまうと成人してから入れなくなってしまうこともあるんだな…と思ったため、そういう事態を避けるために、第二子は健康に生まれてきてくれたならばすぐに加入しようと思いました。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
保険によっては持病があると加入できないものがあります。病気にかかっていない新生児のうちに加入すれば万一のときにも安心です。
また年々上がっていく掛け金も一番安いのは0歳のころです。生まれてすぐに加入すれば月々に支払う保険料を安く抑えることができるというのは1つのメリットかもしれません。
妊娠がわかってからママが入るべき保険は?
それでは妊娠が判明したママが考えたい保健について見ていきましょう。
・生命保険(死亡保険)
・就業不能保険
妊娠したママが赤ちゃんのために加入を検討したい保険は、生命保険(死亡保険)と就業不能保険の二つです。
生命保険(死亡保険)は、ママにもしものことがあり赤ちゃんの養育ができなくなったときに、金銭的に困らないようにするためのもの。そして就業不能保険は、ママがケガや病気で働けなくなったときに、給付金が受け取れるという保険のことです。
ママが専業主婦である場合は、いずれも入らなくても良いかもしれませんが、ママの収入が家計の割合として大きい場合は加入を検討してみてくださいね。
赤ちゃんへ向けて最低限入っておきたい保険は?
赤ちゃんが生まれたらまず入っておきたいのが、「学資保険」です。できるだけ早めに加入しておくことをおすすめします。
医療保険や生命保険も加入を検討したいところですが、場合によって加入の必要性が変わります。もし自治体の子ども医療費助成制度が不十分だと感じたら、新生児の入院費用負担を軽減するため、医療保険に加入するべきでしょう。
しかし自治体の補助が十分であれば必ずしも必要ではありません。生命保険(死亡保険)もママパパの考え方により、必要性が変わります。
学資も医療も生命保険も、赤ちゃんのために
赤ちゃんのために加入する保険は学資保険・医療保険・生命保険(死亡保険)とさまざまです。どれも加入できればもしものときのために万全の体制が整えられますが、家計への負担も考えなければなりませんよね。
そこでケースバイケースで加入するべき保険を選ぶのが得策。もしお住まいの自治体の子ども医療費助成制度が十分であれば、新生児の入院に備える医療保険は不要かもしれません。
ただ学資保険は赤ちゃんのために加入しておくのがおすすめ。今回の記事を参考にして、赤ちゃんのために本当に必要な保険を見極めてくださいね。