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生命保険の受取人は誰にするべき?変更したい時や死亡時の手続きも解説

生命保険の受取人は、一般的には夫が被保険者のときには妻(配偶者)を指定するでしょう。また保険金を受け取る場合にそのお金には税金がかかりますが、契約者や被保険者、受取人などの関係によってかかる税金の種類が違います。そうした税金の種類の違いと税率などについて解説します。そのほか既に入っている生命保険においては結婚などのタイミングで受取人の見直しをする必要があり、その際に必要な書類についてもまとめました。

PIXTA

生命保険の受取人に指定できる人とは

生命保険の契約において、一般的に受取人に指定できるのは次の人とされています。

  • 被保険者の戸籍上の配偶者
  • 被保険者の2親等以内の親族

被保険者とは保険の対象となっている人のことで、生命保険においては「誰が亡くなったらお金が払われるのか?」の「誰」にあたります。例えば夫が亡くなった場合に支払われることになっている生命保険においては、その夫のことを被保険者といいます。

その場合に受取人は配偶者である妻、または夫の両親や子、そして2親等である夫の祖父母や孫までを指定することができます。また生命保険の受取人は契約の途中でも変更が可能です。

そのため結婚や離婚、出産など人生の節目には受取人の見直しをすることもおすすめします。

生命保険の受取人については、実は法律上の規定はなく、極端に言えば誰でも良いということになっています。しかし現実的に被保険者や契約者と親しくない人間を保険金の受取人とするのは不自然であるため、避けたほうが良いでしょう。

受取人が誰かによって保険金にかかる税金が変わる

(編集部にて作成)

生命保険の保険金を受け取ることになったときにそのお金が収入とみなされ税金がかかる場合があります。税金は保険の契約者、被保険者、受取人がそれぞれ誰かによって変わってきます。

具体的な例をあげて、主にどのような税金がかかるのかについて説明します。

所得税の対象となる場合

保険契約における契約者と受取人が同じであった場合に、一時所得として所得税の対象となります。例えば次のような場合に所得税がかかる可能性があります。

  • 夫が夫自身を受取人として契約した生命保険において、満期となった場合
  • 夫が妻を被保険者、夫を受取人として契約した死亡保険において、妻が死亡した場合

保険金の課税対象額は、次のような計算で求めることができます。

保険金+配当金-実払込保険料-50万円×1/2

つまり受け取った保険金や給付金から支払ってた保険料を差し引き、更に50万円を差し引いた半分に対してのみ所得税がかかってきます。そのためよほど利率の高い保険でない限り、受け取る保険金に対して所得税はかからないと考えてよいでしょう。

なお所得税は所得の合計金額によって税率が変わります。例えば課税対象となる所得が合計500万円の場合は税率は20パーセントとなります。

相続税の対象となる場合

税金 PIXTA

主に次のケースでは、生命保険や死亡保険の保険金に対し相続税がかかる場合があります。

  • 夫が自身を被保険者、妻を受取人として契約した死亡保険で、夫が死亡した場合

契約者と被保険者が同じであるとき、受け取った死亡保険金は相続によって得たものとみなされます。ただし、夫が被保険者で妻が受取人であるなど受取人が法定相続人のときは「500万円×法定相続人数」を限度額として非課税になります。

贈与税の対象となる場合

親子 PIXTA

保険金が贈与として課税対象となる場合もあります。

  • 夫が妻を受取人として契約した生命保険において、満期となった場合
  • 夫が妻を被保険者、子を受取人として契約した死亡保険において、夫が死亡した場合

受け取った保険金のうちいくらが贈与税の課税対象となるのかは、次の計算式によって求められます。

受け取った金額-110万円

つまり、死亡保険金が3,000万円のときは2,890万円が課税対象となります。

また贈与税の税額は、課税対象となる金額の合計によって違います。前述の例で贈与されたのが死亡保険金のみだった場合には、2,890万円に対して50%の税率がかかります。

このように所得税や相続税に比べて高額になる可能性が高いため、贈与税がかかる可能性のある被保険者・受取人などの組み合わせは、なるべく避けることをおすすめします。

受取人を変更すべきケースと必要な手続き

印鑑 PIXTA

生命保険の受取人を変更した方が良い場合もあります。具体的には結婚したとき、そして離婚したときに契約の変更を検討する必要があるでしょう。

受取人の変更は満期のある生命保険は満了日の前まで、死亡保険においては死亡する前までです。また必要書類は一般的に次のようなものとなります。

  • 名義変更請求書(保険会社からもらう)
  • 契約者の本人確認ができる書類
  • 印鑑
  • 保険証券

ケースに応じて上記以外の書類が必要となる場合も考えられます。保険会社へ問い合わせる際に必要書類を確認すると良いでしょう。

結婚した時

自分を被保険者とする生命保険に入っている場合では、契約者が自分自身であればすぐに受取人を変更することができます。結婚したときは受取人を配偶者とするように変更の手続きを行いましょう。

しかし、例えば親が自分にかけている生命保険があったときは注意が必要です。契約者が親の名前となっているため、受取人などの変更は親が行います。また契約者を自分に変更するというパターンもありますので、そのような場合には親と良く話し合うことが必要です。

離婚した時

離婚 PIXTA

一方で離婚した場合にも受取人を変更する必要があります。妻や夫など配偶者を受取人としている生命保険に加入しているケースは多くあり、速やかに契約の変更を行いましょう。

受取人がそのままになっていると、もし自分や相手に万一のことがあったときに離婚した相手に保険金を受け取ることとなってしまいます。忘れないように手続きしましょう。

受取人が死亡した時の手続き

生命保険の受取人に指定していた人が亡くなったときは受取人の変更手続きをすることとなります。受取人を誰にするのかは保険の契約者が決めます。

例えば妻が夫を受取人として自分の死亡保険を契約している場合で、夫が先に亡くなったときには受取人を子などに変更しましょう。受取人を変更しないままですと受取人の法定相続人が保険金を受け取ることとなります。前述の例でいえば子がそのまま受け取ります。

しかしこのケースで子がいない夫婦だと、妻が死亡したときには夫の親や兄弟などに保険金が支払われることとなります。またその場合に法定相続人全員の印鑑が必要となるなど、手続きが非常に煩雑になってしまいます。

受取人が死亡した際には早めに変更の手続きをすることをおすすめします。

指定代理請求人とは

指定代理請求人という制度があります。これは被保険者が病気や障害により保険金の請求ができない、本人が治療しているが告知されていないなどの状況において、代理人が本人に代わって保険金の請求ができるというものです。

指定代理請求人は保険契約の特約として指定する場合や、契約時に指定することもあり、保険会社やその保険商品によって違います。また指定代理請求人となれる範囲も保険会社によって違いますので、確認する必要があるでしょう。

気を付ける点としては、被保険者ががんや余命などの告知をされていない場合で家族が指定代理請求人として保険請求をしたときに、被保険者本人が保険会社に問い合わせることが可能となっています。

本人に病名が知らされてしまう可能性があり治療に影響が出てしまうことも考えられるため、指定代理請求人による保険の請求には細心の注意を払いましょう。

生命保険の受取人は見直しが必要なことも

夫婦で見直す PIXTA

生命保険の受取人については、結婚や出産、離婚などの場合に変更が必要となることがあります。受取人には基本的に配偶者や子を指定することと思いますが、必要な書類などを保険会社に確認しておくのが良いでしょう。

また指定代理請求人による保険請求には、保険会社から被保険者本人あてに告知されてしまう可能性があります。治療に影響が出ないように注意が必要です。

生命保険などの見直しの際は説明を良く聞き、疑問があれば確認することが重要となります。

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本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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