Ⓒママリ
震える指で、慶太と由実のトーク履歴を遡る。もっと見たくないのに、見てしまう。私の知らないところで、2人は頻繁に連絡を取り合っていた。
ある夜のやり取りが、特に私の神経を逆なでした。
Ⓒママリ
ちょっと前に由実と電話したとき、産後太りから5kg戻しきれないと話したのを思い出した。あのときは「そんな風に見えないよ、妊娠前と同じくらいきれいにしてるじゃん」って言ってくれた由実。腹の底ではそんな風に思っていたと思うと悔しい。
由実の言葉に対して、否定せずに返している慶太にも腹が立った。
私はさらにメッセージを読み進めた。
Ⓒママリ
Ⓒママリ
翌朝は土曜日。慶太が起きてきたのを見計らって声をかけた。
佳奈:慶太、おはよう。ちょっと話があるんだけど、時間いい?
慶太:ん?おはよ。どうした、改まって。
佳奈:昨日、あなたが寝た後、スマホ見ちゃったんだ…。ごめん。
慶太:え…?
佳奈:由実とのメッセージ。全部見たよ。
慶太:…っ!
佳奈:私の悪口言ってたね。「育児ばっかり」「美意識ヤバい」「要領悪い」。由実も慶太もひどい。笑って話してたんでしょ?
慶太:いや、笑ってはない!ただ、その…なんて返したらいいか…。
佳奈:2人で出かけようと思ってたの?
慶太:そんなこと思ってないよ、なんかダメって言いにくかっただけで、行く気はなかったよ。
佳奈:「トーク消してね」ってさ、これまでも色々消してたってこと?
慶太:違うよ、由実が勝手にそう言ってるだけで…。
佳奈:でも自分から「連絡する」って言ってたでしょ?
慶太:ごめん…。
慶太は謝っていたし、メッセージの文面からも、自分からグイグイ会おうとしているわけじゃないのはわかった。慶太は家族に優しい一方、誰にでも優しいと思われたいのか、はっきり断ったり相手の行動を批判したりできないタイプ。それはわかっているけれど、2人が私に隠れて会話していたこと自体がショックで仕方ない。
由実に対しては、もう友達だなんて思えなかった。完全に私の夫を狙っている。ふつふつと怒りが湧いてくるのを感じていた。
身近な人の裏の顔に傷ついた話
このお話では、主人公の佳奈夫婦と、夫婦ともに面識がある元同級生・由実の関わり合いが描かれます。夫妻の元同級生・由実は、佳奈と楽しそうに女子会の計画を立てる一方、佳奈には秘密で、夫の慶太に密会を持ちかけていました。その事実に気づいた佳奈は大きなショックを受けます。
はっきりと断らない慶太の対応もあってか、由実の行動は徐々にエスカレート。最終的には友人関係に決定的な亀裂を入れるできごとに発展してしまいました。
元同級生という気心知れた関係でも、相手が本当はどんな人なのか裏の顔まではわかりません。相手のすべてを知ることは不可能ですが、明らかに価値観が合わない、あるいは常識外れな面が目に付いたら、一定の距離を取ることも選択肢です。『友達の夫を欲しがる元同級生』は、身近な人との衝撃的なできごとを通じ、人付き合いについて改めて考えさせられるお話です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています