保険金が贈与として課税対象となる場合もあります。
- 夫が妻を受取人として契約した生命保険において、満期となった場合
- 夫が妻を被保険者、子を受取人として契約した死亡保険において、夫が死亡した場合
受け取った保険金のうちいくらが贈与税の課税対象となるのかは、次の計算式によって求められます。
受け取った金額-110万円
つまり、死亡保険金が3,000万円のときは2,890万円が課税対象となります。
また贈与税の税額は、課税対象となる金額の合計によって違います。前述の例で贈与されたのが死亡保険金のみだった場合には、2,890万円に対して50%の税率がかかります。
このように所得税や相続税に比べて高額になる可能性が高いため、贈与税がかかる可能性のある被保険者・受取人などの組み合わせは、なるべく避けることをおすすめします。
受取人を変更すべきケースと必要な手続き
生命保険の受取人を変更した方が良い場合もあります。具体的には結婚したとき、そして離婚したときに契約の変更を検討する必要があるでしょう。
受取人の変更は満期のある生命保険は満了日の前まで、死亡保険においては死亡する前までです。また必要書類は一般的に次のようなものとなります。
- 名義変更請求書(保険会社からもらう)
- 契約者の本人確認ができる書類
- 印鑑
- 保険証券
ケースに応じて上記以外の書類が必要となる場合も考えられます。保険会社へ問い合わせる際に必要書類を確認すると良いでしょう。
結婚した時
自分を被保険者とする生命保険に入っている場合では、契約者が自分自身であればすぐに受取人を変更することができます。結婚したときは受取人を配偶者とするように変更の手続きを行いましょう。
しかし、例えば親が自分にかけている生命保険があったときは注意が必要です。契約者が親の名前となっているため、受取人などの変更は親が行います。また契約者を自分に変更するというパターンもありますので、そのような場合には親と良く話し合うことが必要です。
離婚した時
一方で離婚した場合にも受取人を変更する必要があります。妻や夫など配偶者を受取人としている生命保険に加入しているケースは多くあり、速やかに契約の変更を行いましょう。
受取人がそのままになっていると、もし自分や相手に万一のことがあったときに離婚した相手に保険金を受け取ることとなってしまいます。忘れないように手続きしましょう。
受取人が死亡した時の手続き
生命保険の受取人に指定していた人が亡くなったときは受取人の変更手続きをすることとなります。受取人を誰にするのかは保険の契約者が決めます。
例えば妻が夫を受取人として自分の死亡保険を契約している場合で、夫が先に亡くなったときには受取人を子などに変更しましょう。受取人を変更しないままですと受取人の法定相続人が保険金を受け取ることとなります。前述の例でいえば子がそのまま受け取ります。
しかしこのケースで子がいない夫婦だと、妻が死亡したときには夫の親や兄弟などに保険金が支払われることとなります。またその場合に法定相続人全員の印鑑が必要となるなど、手続きが非常に煩雑になってしまいます。
受取人が死亡した際には早めに変更の手続きをすることをおすすめします。
指定代理請求人とは
指定代理請求人という制度があります。これは被保険者が病気や障害により保険金の請求ができない、本人が治療しているが告知されていないなどの状況において、代理人が本人に代わって保険金の請求ができるというものです。
指定代理請求人は保険契約の特約として指定する場合や、契約時に指定することもあり、保険会社やその保険商品によって違います。また指定代理請求人となれる範囲も保険会社によって違いますので、確認する必要があるでしょう。
気を付ける点としては、被保険者ががんや余命などの告知をされていない場合で家族が指定代理請求人として保険請求をしたときに、被保険者本人が保険会社に問い合わせることが可能となっています。
本人に病名が知らされてしまう可能性があり治療に影響が出てしまうことも考えられるため、指定代理請求人による保険の請求には細心の注意を払いましょう。




