©ママリ
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過干渉な母が苦手だった
この作品はかなこさん(仮名)の実体験をもとにしたエッセー作品。
主人公・かなこは自分の母親があまり好きではありませんでした。何事も心配症で自分の行動を制限するような母親を「過干渉」だと思っていたからです。
思うように生きられず、息苦しさを感じるかなこ。ですが、母親との別れは思った以上に早くやってきます。そこからかなこは、母について考えるようになっていきました。
ちょっと苦い、母との記憶
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皆さんの母親はどんな人ですか?子どものころの母親との記憶を思い返すと、楽しい思い出とともに、意外と嫌な記憶がたくさんよみがえりませんか。
筆者も「子どもの気持ちをわかってくれない」と感じたり、ルールに対し「なんで自分の家だけだめなのか」と怒ったりしていました。例えば、高校まで寄り道は禁止・門限も夕食より前・アルバイトは禁止など。かなこの暮らしと似たような、思い当たることがあり共感しました。
反抗心はありながらも、母をわずらわしく思う自分には罪悪感。母と娘の関係は「大好き」でも「大嫌い」でもない、不思議なラインをゆらゆらしていたのかもしれません。
エゴと言われても、いつか届いてくれたらと願う
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かなこが亡くなった母への思いを語るシーンも、個人的にはとても共感できました。
筆者が母親になって思うことは、自分の母親がいかに偉大かということ。なんだかんだ、やりたいことを尊重してくれていました。反抗期の自分を受け入れてくれました。進路で何度も衝突したけど否定はされませんでした。母は一番厳しい人ですが、一番心配をしてくれた人でもあります。
高校受験の合格を伝えたとき、電話口で「やったー!」と叫ぶ母の声が後ろから聞こえました。いつも冷静な母親がそんな風によろこんでくれたことは、今でも印象深い思い出として記憶しています。
この漫画を読んでいる途中、いずれは私の娘も母である私に「過干渉」と思う日がくるのかもしれないと、関わり方を少し反省しました。しかし、最後まで読むと、そんなうっとうしさやわずらわしさも、最後に「愛情」として伝わるなら良いのではないかと思うことができました。この気持ちがエゴだと言われてしまえば、それまでではありますが…。
かなこが母の愛に気づいたように、わが子にもいつか母の気持ちが伝わる日がくればよいなと思える作品でした。かつて娘だった方にも、今母として奮闘している方にも読んでほしい作品です。
イラスト:葉-YOU-
原案:summersnow