目薬で起きたおそろしい誤飲事故
ヒヤリハットと聞いて、どのような事故を思い浮かべますか?誤飲、転落、怪我などなど…。家の中でも注意すべきことはたくさんありますよね。うっかり物を出しっぱなしにしていないかなど、できる対策は徹底したいです。
投稿者のDr.リノ🦏さんは、どの家庭にもある目薬の危険性についての情報を教えてくれました。皆さんの家でも起こりうる事故です。ぜひ読んでみてください。
【意識障害:点眼薬の誤飲】
今月の小児科学会誌に市販の点眼薬誤飲による事故の報告がありました。非常に身近で危険な事故だと思ったので紹介します。
症例は1歳0ヶ月の女児。
ある日、市販の点眼薬で女児が遊んでいることを母親が気づきます。点眼薬は新品(1本15mL)でしたが、中身が半分程度に
続 ※1
減少していました。
ハイハイなどして女児が機嫌よく遊んでいたため、母親は自宅で様子を見ていましたが、約1時間後に突然女児の視線が合わなくなり、呼びかけに応答せず、傾眠傾向となります。すぐに救急搬送。
心拍数の低下や呼吸数の減少などがあり、痛み刺激でも開眼しません!(←怖い💦)
続 ※2
幸い、治療がうまくいき入院してからは女児は徐々に意識を回復させます。翌日にはすっかり元気になり退院することができました。
今回の点眼薬の成分として問題となったと考えられているのが一般的に「目の充血」や「疲れ目」などの改善を目的として含まれている成分でした。
続 ※3
これは局所では血管収縮作用を発揮して粘膜の充血や腫脹を改善させますが、腸管から大量に吸収された場合は鎮静、鎮痛、呼吸抑制、血圧低下、徐脈などをきたします。
(最初、問題となった成分名を書いてましたが、悪用する人が出るかもという指摘があったため削除しました)
続 ※4
これまで日本では同種の点眼薬の中毒の報告はそれほどありませんが、この危険性があまり知られていないため見過ごされている可能性があります。
受診なしで買える市販の点眼薬。
非常に身近で恐ろしい事故、みなでシェアして繰り返さないようにしましょう🦏💦 ※5
目薬なんて、どの家にもありますよね。まさかこの目薬を子どもが誤飲してしまうなんて、誰が気が付くでしょうか…。子どもは、大人の想像を簡単に超えてくるものです。予期せぬ怪我や事故を防止するためには、さまざまな情報を知ることが大事ですね。こうした症例や事故の情報は、小児科学会のサイトにある【傷害速報】というところで無料で読めます。知っていれば、未然に防げることもたくさんあります。ぜひ、一度読んでみてください。
この投稿には「気が付けるか自信がない…」「ありがとうございます!」などのリプライが寄せられました。家庭内事故を防ぐために、正しい情報と対処方法を学びましょう。そして、お子さんからなるべく目を離さないことも大切です。とても参考になる投稿でしたね。