Ⓒママリ
私の息子を勝手に抱いて、母親気取りでSNSに投稿するなんて。由実の行動は、もはや常軌を逸している。私は由実と直接話そうと決めた。土曜日の朝、遅く起きる由実が確実に家にいるであろう時間にメッセージを送る。
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いつもは返信が早い由実なのに、このメッセージのあとは返信がこない。10分ほどすると、音声通話の着信音が鳴った。由実が何を言い出すのか。ドキドキしながら通話ボタンを押す。
佳奈:もしもし。
由実:もしもし!佳奈、怒ってるよね?ごめんね~、公園で慶太に偶然会ったのに、報告してなくて~!
佳奈:(語気を強めて)由実。自分が何をしたか、本当にわかってる?
由実:ごめんてば!公園で会ったことは報告しようと思ってたんだよ?でも、色々忙しくて忘れちゃってたの。
佳奈:だとしても「ママになりたい」ってSNSに写真あげるってさ、普通じゃないよね?
由実:悠太くんがすごく懐いてくれたからつい…!ほんと、悪気はなかったんだよ~。
佳奈:悪気がない?ねえ、私全部知ってるんだよ。
由実:全部?
佳奈:今スクショ送るから。全部見て。
私は、スクショしておいた由実と慶太のトーク画面を全部送り付けた。
由実はとても動揺した様子だった。
由実:え…これ…全部見たの?
佳奈:そう。由実さ、人の家庭に土足で踏み込んできて、夫婦関係を壊そうとして、最低だよ。私と仲良いフリするのもなんなの?気に入らないなら連絡してこないで。人の夫を誘惑するのもやめて。
由実:…………そんな、佳奈が気に入らないとかじゃ…ごめん…。
佳奈:口先だけの謝罪はいりません。もう二度と、私たち家族の前に現れないで。慶太にも、私にも、そして何より、私の息子に絶対に近づかないで。
由実:……。
佳奈:もし、この話を無視してストーカーみたいな真似をしたり、SNSで嫌がらせを続けたりしたら、次は弁護士から連絡します。本気だからね。
由実:…………はい。
佳奈:話は以上です。さようなら。
私は一方的に電話を切った。肩で息をしながら、こみ上げてくる涙をぐっと堪える。これで、終わり。終わらせたんだ。
電話を終え、振り返ると、リビングの入り口で慶太が立ち尽くしていた。電話での私の剣幕に驚いたのだろう。
慶太:佳奈、ごめん。佳奈に悲しい思いをさせるつもりはなかった…でもこんなことになって情けない。これからは絶対こんな思いはさせない。佳奈と悠太を守れる夫で、父親になる。
慶太は、深く頭を下げた。今回の出来事でできた溝は深いけれど、信頼は少しずつ立て直していくしかない。
慶太:俺からも、もう連絡しないようにメッセージするよ。
佳奈:いい。もう何も言わずにブロックして。
慶太:わかった…。
慶太は由実の連絡先を全てブロック・削除した。
私も同様にしようとスマホを開くと、由実からメッセージがきていた。
Ⓒママリ
この言葉だけで、由実が心から反省しているかどうかはわからない。でも、少しだけほっとした気持ちになった。このメッセージには返信をせず、私も由実をブロックした。大好きだった友達との関係が終わった寂しさと、これから家族の絆を再度作っていかなくてはという思いが同時にあふれた―――。
今回のことから学んだのは、どんな人にも裏表があるということ。それ自体は当たり前なのかもしれないけれど、「バレなければいい」と人を傷つけるような行動をして平気でいるのはやっぱりおかしい。そういう人とは縁を切って、自分や家族を守るという判断も必要だと感じたできごとだった。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています