👉【最初から読む】身の危険さえ感じる!都心の夢のマイホームが“恐怖の監獄”に
終わらない悪夢、募る焦燥
A子さんにとって、隣人からの嫌がらせは日を追うごとに精神をすり減らすものでした。毎日のように自宅前に現れては罵声を浴びせられ、子どもの送迎時にもわざわざ出てきて怒鳴られる。先日、一人でいる時に殴られそうになったことは、彼女の心に深い恐怖を刻みつけました。
「もう、ゴミ出しに行くのも嫌なんです。いつ彼が出てくるかと思うと、怖くて。家の前に出ること自体がストレスになってしまって…」
都内に広い戸建てという、誰もが羨むような環境のはずが、A子さんにとっては文字通り「監獄」と化していました。家の中では安らぎを見いだせず、外出するにも隣人の視線と罵声におびえる日々。子どもたちの安全を考えれば考えるほど、この場所から一刻も早く逃げ出したいという気持ちが募ります。
「子どもたちに何かあったらどうするの、って何度も夫に言いました。でも、彼はなかなか動こうとしないんです」
専業主婦であるA子さんにとって、この状況を打開するためには夫の協力が不可欠です。しかし、夫の態度は彼女の切実な願いとは裏腹でした。
夫の「動けない」理由、そして過激な発言の背景
夫が引っ越しに難色を示す理由は、義両親との関係と経済的な問題に深く根差していました。義両親が3000万円もの資金を援助し、さらに会社負担でリフォームまでしてくれたこの家は、夫にとって計り知れない「重み」を持っていたのです。
「義両親は自営業で、夫もそこで働いているんです。だから、義両親への恩義というのは、彼にとってすごく大きいんだと思います。この家は、義両親の厚意で手に入れたものだから、簡単に手放すわけにはいかない、と考えているのは理解できます」
さらに、物件自体の問題も夫を躊躇させる要因となっていました。建物が古く、立地的に大型重機が入らないため、建て替えや更地化が難しいという現実。買い手が見つかるかどうかも不透明な状況で、軽々しく「引っ越そう」とは言えない事情があるのかもしれません。
しかし、A子さんを最も動揺させたのは、夫の口から飛び出した過激な言葉でした。
「だから俺が隣人のお祖父さんを車で轢き〇すわ、などと言い出し、もう何が何だかわかりません」
この発言は、夫が隣人トラブルによって精神的に追い詰められている証拠であり、A子さんにとってはその危険な状態が新たな不安の種となりました。
夫は現場仕事で通勤に片道1.5時間もかかるなど、日々の疲労も相当なものだとA子さんは理解しています。もしかしたら、夫は物理的な引っ越しだけでなく、精神的な余裕も失い、目の前の困難から逃避しようとしているのかもしれません。
この「重さ」を夫婦でどう共有するか
A子さんは、夫が動こうとしない根本的な理由について、深く思いを巡らせています。
「私はこの家に何の愛着もないんです。むしろ、嫌がらせばかりで早く引っ越したい。でも夫は、経済的な理由や義両親への恩義で、この家を『手放せない』と考えている。この気持ちの差が、私たちをすれ違わせているのかもしれません」
夫が提示する理由は、確かに現実的な問題です。しかし、A子さんにとって、子どもたちの安全と精神的な平穏は、何よりも優先されるべきことでした。夫が抱える「重荷」と、A子さんが感じる「恐怖と嫌悪」。この二つの感情が、夫婦の間に大きな溝を作り出しています。
義両親はトラブルに巻き込まれていることを知って心配してくれていますが、具体的な解決策はまだ見えていません。A子さんは、いっそのこと義両親の家の近くに引っ越すことも考えています。
そうすれば、通勤時間も短縮され、義両親からのサポートも得られるかもしれません。しかし、その提案をどう夫に伝え、納得させるか。専業主婦であるA子さんが、この膠着状態をどう打破するのか。
彼女は、この状況を「私が重く考えすぎなのだろうか」と自問自答しながらも、具体的な行動を起こす必要性を痛感しています。
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