Ⓒママリ/画像の生成にAIを使用しています
ことの発端はとある2月。主人公・美咲が母親を亡くし、実家に帰省していたときのことでした。
悲しみの帰省、突きつけられた現実
それは、2月のことだった。美咲は、最愛の母を亡くし、幼い息子・悠真を連れて実家に帰省していた。深い悲しみに暮れ、なんとか心を癒やそうと努めていた彼女を待ち受けていたのは、想像を絶する夫・健太の裏切りだった。
美咲の不在時を狙ったのか、健太が他の女性と不倫していたことが、この悲しみのさなかに発覚したのだ。その事実は、美咲の心をさらに深く、そして冷たく突き刺した。
母の死という大きな喪失感に加え、健太の裏切りという衝撃的な現実は、美咲の精神を極限まで追い詰めた。信頼していた夫に裏切られ、心の拠り所を失いかけた彼女の胸中には、当然ながら「離婚」の二文字が大きく浮かび上がる。この状況では、夫を捨てるという選択肢が最も現実的で、そして唯一の救いのように思われたことだろう。
確固たる証拠と、不倫相手へ直接の電話
健太の不倫が発覚した際、美咲はすぐに行動を起こした。健太の不倫相手の女性に直接電話をかけ、事の真相を問い詰める。相手の女性はあっさりと夫との関係を認めて謝罪し「たった1回、酔った勢いでした」と謝罪した。自白がある今、離婚に向けて動き出すことは、美咲にとって決して難しいことではなかった。
しかし、美咲は最終的に、その道を選ぶことはなかったのだ。その理由は健太からの謝罪である。
「本当に申し訳なかった。魔が差しただけで、たった1回だけだった」
「相手の女性も本気ではなかったし、自分も当然そう。家族が一番大切」
「もう二度と美咲を悲しませたりしない」
夫の謝罪を聞きながら冷静に状況を見極めようとした美咲の心の奥底には、まだ夫婦関係への、そして家族への未練があったのかもしれない。
再構築への苦渋の決断
健太は心から反省しているかのように見え、二度と過ちを繰り返さないと、美咲に懇願した。そして、その日を境に、健太の態度がまるで人が変わったかのように変化したことも、美咲の心を大きく揺り動かした。
健太は以前にも増して家庭的になり、美咲や息子に対して誠実であろうと努めたのかもしれない。幼い悠真の存在も、美咲の決断に大きな影響を与えたに違いない。
「家族の形を壊したくない」「子どもから父親を奪いたくない」という思いが、美咲にこの困難な再構築の道を選ばせたのだ。それは、決して簡単な選択ではなかったが、彼女は家族の未来を信じて、その一歩を踏み出した。
ただ、その道は平たんではなく、より一層美咲の苦しみを増幅させることになるかもしれない。そのことを、美咲はまだ知らなかった。
🔴【続きを読む】癒えぬ傷と、夫への疑念、追い詰められた妻が禁断の行動に|夫を信じきれない妻が仕掛けたハニートラップ
あとがき:「再構築」といういばらの道
実家へ帰省中に夫の不倫が発覚するという、夫から酷い裏切りを経験した美咲。一度は離婚を考えたものの、夫の心からの謝罪と、その後の劇的な変化を目の当たりにし、幼い子供のためにも夫婦関係の再構築という困難な道を選択しました。
美咲の決断は、深い悲しみと裏切りの中で、家族の未来を信じる苦渋の選択だったことでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










