都市ガスの自由化とは?
2017年4月1日、都市ガスの小売全面自由化がスタートしました。これまで地域に1社で決まっていたガス会社ですが、新たなガス会社の参入により、これからは様々な会社が既存のガス管を使いながら供給・販売できるようになったのです。
私たち消費者も、ガス管等今までの設備を変えず他の会社に「乗り換え」が可能になったというわけ!実際どんなことが変わって、どこが変わらないか、まずは消費者目線で自由化のポイントをご説明します。
POINT 1 都市ガスを供給する会社を選べる
最大の特徴は、ガスを提供する会社が選べるということ。一般家庭では地域ごとの都市ガス会社からしか選べなかったガスですが、自由化により選択肢が広がりました。
POINT 2 新しい料金やサービスを利用できる
それぞれの都市ガス会社や新規参入の会社が提供する料金やサービスを、自由に選ぶことができます。電力とセット販売する会社も出るなど、その特色はさまざま。
POINT 3 点検の実施や緊急時の対応はこれまで通り
ガス設備の定期保安点検、緊急時の対応などは、新規参入の会社を選んでもこれまでどおり地域の都市ガス会社が対応することになっています。ガス管も今あるものを利用することができます。
POINT 4 ガスの品質は、新しい会社でも影響なし
従来のガス管から供給される都市ガスであれば、会社が違っても品質は変わりません。ガス管を管理する事業者が厳密にチェックしているので、品質の劣るガスが混じることもありません。
- 経済産業省「ガス小売全面自由化」(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/liberalization/,2017年5月11日最終閲覧)
- TEPCO東京電力エナジーパートナー「ガス自由化とは」(http://www.tepco.co.jp/ep/gas-jiyuuka/about/index-j.html,2017年5月11日最終閲覧)
- 経済産業省「ガス小売全面自由化 よくある質問」(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/liberalization/faq.html,2017年5月11日最終閲覧)
都市ガス自由化の目的と流れ
今回の都市ガス自由化では、今あるガス管を使って都市ガス会社以外の事業者もガス販売をすることができます。新たな工事をすることなく、価格やサービス内容を競いながら幅広い事業者がガス販売に参入できるしくみです。
でも、そもそもガスの自由化をした目的とは何なのでしょうか?今回、一般家庭のガス完全自由化に至った道のりも併せてご紹介していきます。
何のために自由化するの?
全面自由化によってガス販売への新規参入が増えれば競争が生まれ、それがガス料金にもつながると考えられます。また同じ理由から、サービス向上にも期待ができるでしょう。
ポイント制、定額制、各種サービスとのセット販売など、それぞれのガス会社が提供する幅広いメニューを見比べながら、消費者はそれぞれのライフスタイルに合ったサービスを選べるようになります。
もう少し大きな視点から見ると、他業種からの参入、都市ガス会社の他エリアへの事業領域拡大などは、経済の活性化をもたらす可能性があります。
これまでの自由化の流れ
そもそもガスの自由化は1995年から始まっており、ガスの消費量が多い大規模工場などを対象にスタートしました。その後1999年、2004年、2007年と徐々に自由化の範囲を拡大し、今回一般家庭向けまで拡げることで、ついに全面自由化となりました。
また、都市ガス利用が日本よりもの多い欧米諸国では、10年以上前から小売販売の全面的な自由化が始まっています。小売事業者の増加や、サービスの多様化など一定の成果があがっているようです。
- 経済産業省「ガス小売全面自由化 よくある質問」(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/liberalization/about.html,2017年5月11日最終閲覧)
- TEPCO東京電力エナジーパートナー「ガス自由化とは?」(http://www.tepco.co.jp/ep/gas-jiyuuka/about/index-j.html,2017年5月11日最終閲覧)
- 大津市企業局「ガスの小売全面自由化について」(http://www.city.otsu.lg.jp/kigyo/about/gas/1481525607123.html,2017年5月11日最終閲覧)
- 経済産業省「ガスシステム改革」(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/pdf/pamphlet.pdf,2017年5月11日最終閲覧)
ガス会社の変更に初期費用はかかる?
ガス代が安くなって、さらに充実したサービスが受けられるなら、是非他の会社への変更も検討したいですよね!そこで気になるのが、変更にかかるお金。工事費用、契約料などは発生するのでしょうか?
都市ガスの小売に新規参入した東京電力、ニチガス、関西電力の3社を調べてみたところ、変更に費用はかからないそう!そもそも既存のガス管を使用するので新たな工事は必要なし。新規契約料等もかかりません。また、変更するにあたり現在のガス会社への解約手続きは新しい会社が代行してくれるそう。余計な手間が省けるのは嬉しいですよね。
ただし、使用中のガス会社を解約するに伴い解約金や清算金を請求される場合があるので、契約内容をよく確認のうえ切り替えを検討してみてくださいね。
- 関西電力「関電ガスへの切り替えは簡単!」(https://kepco.jp/gas/appeal_change/,2017年5月2日最終閲覧)
- ニチガス「ニチガスのメリット」(http://www.nichigas.co.jp/freedom/merit.php,2017年5月2日最終閲覧)
- 東京電力「ガス会社変えても大丈夫?」(http://www.tepco.co.jp/ep/gas-jiyuuka/faq/index-j.html,2017年5月2日最終閲覧)
自由化導入で本当にガス代は安くなる?
都市ガスの小売自由化によりガス販売への新規参入が増えれば、価格競争が生まれるため、ガス代金の抑制が見込めるでしょう。
また、2016年4月から電力の自由化が一般家庭まで拡大されています。今回のガス小売全面自由化によりエネルギー事業の垣根がなくなるため、都市ガス会社や電力会社が都市ガスと電気のセット販売、セット割引を実施しているようです。ガスだけでなく、電気とセットでお得になる場合も。
加えて、自分に適したサービスを簡単に選べるよう各社ホームページに料金シミュレーションを設けたり、価格比較サイトが整備されたりするなど、消費者が選びやすい体制へと移行しているようです。
- ニチガス「ガス自由化について」(http://www.nichigas.co.jp/freedom/,2017年5月12日最終閲覧)
- TEPCO東京電力エナジーパートナー「ガス自由化とは」(http://www.tepco.co.jp/ep/gas-jiyuuka/about/index-j.html,2017年5月12日最終閲覧)
- 経済産業省「ガスシステム改革」(http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/pdf/pamphlet.pdf,2017年5月12日最終閲覧)
都市ガス自由化は光熱費を見直すチャンス!
一見すると難しそうな都市ガスの自由化のニュース。ですが、ガスの提供を受ける会社の選択肢が増えたり、プランやサービスも充実したりするなど、私たち消費者には嬉しいことが多そうですね!
家庭で毎日使うガスだから、光熱費を見直すチャンスかもしれませんね。各社料金プランや現在の料金と比較をできるシミュレーターを、HP等で公開しています。
この都市ガス自由化を機に、ご家庭のガス料金をチェックしてみてはいかがでしょうか。