反対?賛成?夫婦別姓に対する意見
皆さんは夫婦別姓に対してどのような意見を持っているのか、ママリに投稿されている他の方たちの考えを見ていきましょう。夫婦別姓に反対している方、賛成している方の両方の考えを紹介しますね。
同姓だと結婚したという感じがする!夫婦別姓 反対派
ママリに寄せられた意見では、「好きな人と同じ名字になれるのはうれしい」「けれど手続きが大変…」という声が見られました。改姓を不平等だと感じない方であれば、結婚をした実感を得るのに改姓の手続きは大変ながらも大切なものなのかもしれません。
仕事上のメリットが!夫婦別姓 賛成派
現時点では女性側が男性側の姓に合わせる場合がほとんどですね。職場では通称として旧姓を使っていても、正式な書類には戸籍上の名前を書く必要があり、不便です。
コールセンターで働いていましたが、結婚した方が担当全てのお客様に変更を伝えていてめんどくさそうでした😂
精神的なところで、自分の苗字に愛着がある、苗字が変わると別人になってしまうから嫌だ、夫の苗字が珍名で変えたくない、夫の家に入るわけではないから とかは聞いたことがあります😆
社内では旧姓使い続けてる人の方が多かったです。
働き方も多様化し、フリーランスが増えている現状、看板ともいえる自分の名字を変えなければいけないのは抵抗があるのも理解できます。
制度として「選択肢」がないのが嫌
メリットやデメリット、と考える以前として「制度として選択肢がない」というのは嫌というコメントもありました。
周りに男性側が女性の苗字にした人もいますが、やっぱり男性側の苗字にする人が多いので女性的には不便だなあと思います。
苗字だけの変更で婿入りする訳でなくても、婿にとられたような気分になるんだとかなんとか…
娘なら嫁にやる覚悟が出来ているけど、息子だと婿にやる覚悟は難しいようです。
これはそろそろ古い考え方になってきてそうですけど😂
夫婦別姓に対しては賛成・反対と両方の意見がありますが、最終的には自分の意思で選択できるかどうかということが根本的な問題なのでしょう。
選択的夫婦別姓のメリット・デメリットとは
先輩ママたちからも「反対」「賛成」とさまざまな意見が飛び交う夫婦別姓。それでは選択的夫婦別姓にはどのようなメリットとデメリットがあるのか、先輩ママたちの意見に含まれていないポイントをまとめて解説しますね。
メリット
まずは夫婦別姓のメリットから紹介していきます。夫婦別姓に反対している方もいますが、次のようにさまざまなメリットがある制度です。
- ジェンダーの平等が実現する
- 結婚をしたことが周囲に知られない
- 自分のアイデンティティが守れる
選択的夫婦別姓制度のメリットといえば、やはりジェンダーの平等が実現することではないでしょうか。後にさらに詳しく解説しますが、平成27年のデータによると結婚した夫婦のうち、妻の姓が選択される割合はわずか4.0%にすぎませんでした。
「好きな人の姓になれるのがうれしい」という方もいますが、「どうして女性が姓を変える風潮なのか」と不平等さを感じる方もいるでしょう。選択的夫婦別姓が認められれば、性別にかかわらず平等な結婚が実現します。
また姓が変わらないことで結婚をしたことを周囲に知られず、プライバシーが守りやすいこともメリットです。姓が変わることでアイデンティティが揺らぐなど、変化に翻弄されることは少なくなるでしょう。
- 国立国会図書館「(PDF)国内外における夫婦の氏に関する制度と選択の状況」(https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11713847_po_084804.pdf?contentNo=1,2022年8月30日最終閲覧)
デメリット
それでは続いて選択的夫婦別姓のデメリットについて見ていきましょう。
- 子どもの姓を決める問題がある
- 子どもが非嫡出子とされる
- 夫婦間での相続権がなくなる
- 配偶者控除が受けられない
実際に夫婦別姓が実現した場合は、子どもの姓を決めるときに問題が生じる可能性があります。子どもはママかパパのどちらかの姓を名乗るようになりますが、どちらの姓を選ぶかは選択が難しい問題ですよね。
まだ夫婦別姓が認められていない現在の日本で、夫婦別姓になるために内縁関係となる場合は、子どもが非嫡出子とされたり、相続権が認められなかったり、配偶者控除が受けられなかったり…とさまざまなデメリットがあります。
これらは実際に選択的夫婦別姓制度が実現されて「姓が違っても夫婦である」と認められれば問題なくなるポイントでしょうが、法律で認められたとしても、子どもの姓を選択する問題はずっと残り続けるでしょう。
日本における夫婦別姓の現状と議論
現代の日本のおいて夫婦別姓は認められていません。ほとんどの場合で妻が夫の姓へと変更しているのが現状です。
日本の婚姻制度改正については過去30年ほどに渡り議論され続けてきましたが、夫婦別姓についての議論は今もなお続けられています。
婚姻時に妻の姓を選択するカップルは4%
日本において婚姻時に夫の姓を選択することが一般的になっていることは周知の事実ですが、現在、婚姻時に妻の性を選択するカップルはわずか4%。
平成27年度の厚生労働省の調査によると、初婚・再婚・総数で妻の姓を選択しているカップルは次のような比率になっています。
- 夫婦とも初婚:2.9%
- 夫初婚・妻再婚:6.6%
- 夫再婚・妻初婚:5.0%
- 夫婦とも再婚:9.0%
- 総数:4.0%
このように、再婚カップルでは妻の姓を選択する確率が他と比べて高いものの、お互い初婚同士だった場合の妻の姓の選択率は2.9%にとどまります。結婚した後のご夫婦は、ほとんどの場合で夫の性を名乗っていると言えますね。
- 厚生労働省「I 出生の年次推移」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/dl/01.pdf,2022年8月30日最終閲覧)
日本における夫婦別姓の現状
現在、日本において夫婦別姓の選択肢はありません。「夫婦別姓は法律上で認められていない」とは言え、先に紹介した婚姻カップルの姓の選択を見ると、暗黙の了解として妻側が姓の変更を共用されているように感じるのではないでしょうか。
実際に平成29年の調査によると、選択的夫婦別氏制度についての意見は次のように出されていました。
- 婚姻をする以上夫婦は必ず同じ名字を名乗るべき:29.3%
- 夫婦が婚姻前の名字を名乗ることを希望している場合はそうしてもかまわない:42.5%
- 婚姻をする以上夫婦は必ず同じ名字を名乗るべきだが、婚姻前の名字を通称としてもかまわない:24.4%
夫婦別姓に対し全面的に反対している人もいますが、42.5%の人は賛成しているという結果でした。
- 内閣府「家族の法制に関する世論調査 2 調査結果の概要」(https://survey.gov-online.go.jp/h29/h29-kazoku/2-2.html,2022年8月30日最終閲覧)
日本における婚姻制度改正の議論
現状では認められていない選択的夫婦別姓ですが、日本における婚姻制度改正の議論は、約30年も前である平成3年の「婚姻制度等の見直し審議」から始まりました。
そして平成8年には「民法の一部を改正する法律案要綱」の中で選択的夫婦別姓を認める提案がなされています。
法務省は約25年も前である平成8年から、選択的夫婦別姓制度の導入について考えていたのですね。しかし紹介してきたように、夫婦別姓に反対している人もいます。そのため平成8年には、国会への提出までたどりつかなかったそうです。
時代の流れで最近は賛成意見の方も少なくありませんが、平成8年には今よりも反対の方が多かったのかもしれませんね。そして時は流れて令和2年。「第5次男女共同参画基本計画」においても選択的夫婦別姓の検討について記載されました。
「第5次男女共同参画基本計画」では国民の意見・国会の議論・司法とさまざまな観点から選択的夫婦別姓について具体的に検討することが記されたそうです。
- 法務省「選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について」(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji36.html,2022年8月30日最終閲覧)
夫婦別姓に反対?賛成?改めて考えてみるきっかけに
ニュースや世論調査を見ていると、夫婦別姓に賛成している人が圧倒的に多いように感じられることもあると思いますが、実際はメリット・デメリットを感じる場面は人それぞれです。
皆さんの意見を参考にしながら今一度、夫婦別姓について考えてみてはいかがでしょうか。