©おおがきなこ/幻冬舎
夫婦で生きていくと決めた矢先の妊娠…
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過去に不妊治療をするも妊娠まで至らず、妊娠を諦めたおおがきなこさん。コロナ禍を経験し生き方を見つめ直したことで、夫婦2人で生きていこうと決めた矢先に妊娠が発覚します。
時間をかけてようやく諦めた妊娠。「子どもがいない方が楽しい」と思えたのに、今さら母になるなんて…。おおがきなこさんの中でさまざまな気持ちがあふれてきます。そんな気持ちで夫に妊娠を伝えると、夫の反応は意外なものでした。
不安だっていいじゃない!
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夫に妊娠を伝える際、赤ちゃんという言葉を使うことがどうしてもできないと思った、おおがきなこさん。その言葉の持つ重さが自分には受け止めきれないと感じたそう。また、妊娠をしたら幸せそうにするしかないとも感じたそうです。
みんながみんな望んだ妊娠をする訳ではないと思います。急に自分がその立場になった時、いとしいと思えるだろうか。そんなにすぐに気持ちを切り替えることなんてできないのではないでしょうか。
妊娠がわかり、おおがきなこさんは私の中の私とたくさん話をします。不安や悩みを抱える私に対して、もう1人の私は「大丈夫」「そのままでいいよ」と何度も励まし肯定してくれます。
そして驚きながらも「やったじゃん」と言う夫。演技をすることなく、素直な気持ちを話してくれた夫の言葉でおおがきなこさんは張り詰めていたものが緩んだように感じます。
もう1人の私、そして夫の存在が頭の中を堂々巡りしていたモヤモヤとした気持ちを晴らし、大丈夫と言わせてくれたのだと感じました。頭の中で全てを解決しようとせず、素直な気持ちを口に出してみることはとても大事だと思いました。
子育ては話しかけること
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妊娠後期に入り、カフェでご近所さんに偶然会ったおおがきなこさん。「ゆっくりできなくなるのかと思うと、まだ生まれてほしくないです」と口にすると「頭で考えなくていい。子育ては話しかけることよ」という言葉をもらいます。
めんどうくさい人と思われるかもしれないと思いながら発した言葉。しかし素直な気持ちに対して否定することもなく、子育ての極意を話してくれたご近所さん。何気ない言葉だったのかもしれませんが、おおがきなこさんにとっては背中を押してくれる言葉になったのではないでしょうか。
コロナ禍という特殊な状況で、環境の変化や気持ちの変化があり、妊娠や出産へのハードルがさらに上がったという方もいるかもしれません。そんな方にこそ、素直なままでいいと伝えてくれるこの『コロナ禍妊娠日記』をおすすめしたいです。読めばきっと少し肩の荷が降りて、心が軽くなるはず。