©Ai
©Ai
©Ai
©Ai
©Ai
©Ai
©Ai
©Ai
©Ai
収入、学歴、身長、顔…コウが自分の「長所」として認識しているのは世間一般からの評価だったのかもしれません。確かに、難しい大学や企業に入ることも、その人の能力や努力があってのことですよね。見方を変えれば、コウもとても努力してきた人なのではないでしょうか。ですが、人それぞれに頑張っていることだって違います。もし、それがわかっていれば、他人を見下したりせず、尊重し、思いやりを持って接することができるのではないでしょうか。
柚羽さんの父親は、「全部上っ面だね」と一蹴しましたね。コウは評価ばかりを気にして、中身がないことを見抜いていたのかもしれません。
そして、人の気持ちがわかること、努力を重ねられること…そんな柚羽さんの長所をわかってくれ、大切にしてくれる人と結婚してほしかった…と、親としての願いを口にするのでした。高スペックな結婚相手がほしかったのではなく、ただ、娘を大切にしてくれる人であってほしかっただけなのです。
DVかも?少しでも違和感を覚えたら周囲に相談を
©Ai
©Ai
©Ai
- 内閣府男女共同参画局「配偶者からの暴力被害者支援情報 「ドメスティック・バイオレンス」とは」(https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/dv/index.html,2024年6月10日最終閲覧)
- 内閣府一般社団法人 社会的包摂サポートセンター「DV相談+」(https://soudanplus.jp/,2024年6月10日最終閲覧)
「DV」とは「ドメスティック・バイオレンス」を略した言葉で、配偶者や恋人など親密な関係にある、またはあった者から振るわれる暴力という意味です。言葉や力による暴力だけではなく、外出禁止や携帯電話をチェックされるなどの社会的暴力、生活費を渡さないなどの経済的暴力もDVに当てはまります。
柚羽さんは恋人コウから思いやりのない要求をされ続けます。結婚後はますますエスカレートし、徐々に精神的なダメージを深めていきます。
付き合い始めたころは優しかった恋人も、時間の経過とともに想像とは違う内面が見えることがありますよね。誰であってもDVに遭う可能性は否定できません。そして、はたから見れば「どうして逃げ出さないの?」と思う状況でも、DVを受けている本人にとっては、時に抜け出すことが困難な状態である場合もあります。もしも、恋人や配偶者などから暴力を受けたり、そこから抜け出せない状態にあったりした場合、第三者や行政の窓口に相談しましょう。内閣府もDV相談窓口を設けています。
柚羽さんはストーリーの中で周りの人に支えられ、自己肯定感を回復させていきます。そして、徐々に自分の意見を言えるように…。DV被害の深刻さや周囲へ相談することの大切さについて改めて考えさせられる作品です。