その子供服、本当に安全ですか?
さて、今回の記事では、子供服の安全基準について考えていきたいと思います。とても身近な問題であり、命に関わる大きな問題です。
この機会に是非、子供服の安全性について知って下さい。
保育園などでは注意喚起される事も
保育園や幼稚園に通っている子供のお母さん方は、登園の際の服装に関して事故が起こりにくい安全なものを着用するよう注意喚起されているかもしれません。
ですが、まだ子供を園に通わせていないお母さんは、意外とこの問題を真剣に考えた事が無い人も多いのではないでしょうか。
海外では、過去に死亡例もあります
アメリカでは、1985年から約10年間に上着の紐による死亡事故が17件発生しています。
日本国内では今のところ死亡例は報告されていませんが、平成19年に東京都が1 歳から 12 歳までの子供のいる世帯を対象に調査した所、以下のような回答となりました。
- 77%がひやり!ハッとした経験がある
- 16.5%(6人に1人)が実際に危害を被った
怪我をしたのが、なんと6人に1人…。いつ誰に起こってもおかしくない割合です。
欧米や日本を除くアジア諸国では、安全基準があるんです
アメリカでは、前述の死亡事故等をうけ子供服に関する安全基準を設けた結果、2006年には事故が激減したと報告されています。
アメリカだけでなく、EU諸国や韓国・中国・台湾などのアジア諸国でも子供服の安全規格がすでに設けられています。
2015年12月から、日本でも安全基準が制定されました
海外に比べ確実に後れを取っていた日本でしたが、2015年12月からJISが子供服のひもの安全基準を制定公示しました。
全ての企業がJISの規定に従うわけではありません!
安全基準が出来たなら大丈夫!と安心してはいけません。
JISの規格に当てはまるという認証を受けるかどうかは企業の任意ですし、中小企業が多い子供服業界では、この新しい規格に対応するのには時間がかかることも予測されます。
事故を想定し安全なものを選んで!
事故を想定するために、実際の事故の事例を見ていきましょう。以下は、2011年7月7日の読売新聞からの抜粋です。
実際の事故事例
- 電車の中で、パーカーのひもが他人のかばんの金具にひっかかり、反対方向に引っ張られ首がしまった。(4歳)
- 祖母がパーカーのファスナーをあげたところ、勢いあまって首の皮膚を挟んだ。(3歳・女児)
- ズボンのおなかあたりのひもが、ジャングルジムにひっかかり、動けなくなってしまった。(6歳・男児)
- 上着の襟に付いていたリボンが滑り台のてっぺんの金属にひっかかり、首がしまりそうになった。(3歳・女児)
誰にでも起こり得る事故ですが、一歩間違えれば重大事故につながる可能性もあります。
洋服のどこに気を付ければいいの?
今ご自宅にあるお洋服、これから購入するお洋服、最低でも以下の5つに関して気を付けましょう。
洋服の紐は取る!
洋服についた紐は、首や体に巻き付いたりするだけでなく、自転車のペダルに引っかかるなど、様々な事故につながります。不要であれば取ってしまいましょう。
装飾品は定期的にチェック!
リボンやレース、ワッペンなどは誤飲につながります。しっかりと縫いついているか、定期的に確認してください。
フード付きは公園などでは着せない!
フードつきのものは、ジャングルジムなどで引っかかる事があります。遊びに行くときには着せない方が無難です。
裾上げテープは使わない!
裾上げテープは極力使わないようにしましょう。ほどけたテープを踏み、転倒する事もあります。
靴下やタイツは滑り止めのあるものを!
小さな子供に靴下やタイツを履かせる時には、滑り止めのついたものを選びましょう。
デザインも大切ですが、まずは安全第一
子供のお洋服を選ぶのは、親の楽しみの一つでもあります。
あれを着せたい、これを着せたいと、かわいいお洋服を身に着けたわが子を想像しながらお買い物をするのは本当に楽しいですよね。
また、妊娠中の人も、ベビー服を見ると産後を想像して幸せな気持ちになれます。ですが、大切な大切な子供に着せるお洋服だからこそ、デザインだけでなく、安全面もしっかりとチェックをして選んであげたいですね。
この記事は、不慮の事故でけがをしたり、命を落としてしまう子供達が1人でも少なくなるよう、願いを込めて執筆致しました。
少しでも皆さんの子供服選びの参考になればうれしいです。